蒼空学園

　山葉　涼司（やまは・りょうじ）がなんとも言えない顔をして、目の前にいる男を見つめていました。

　その男ははげた頭をぺこぺこと何度も下げ、小さな身体をさらに縮めようとしています。　なんとも人の良さそうな顔をしたこの男、名をイキモ・ノスキーダといい、こう見えても一代で財を築いたスゴイ感じの人物なのです。
　そんなイキモがなぜ涼司にぺこぺこしているか、といいますと

「お願いします。あの子たちを助けてください！」
「ちょ、イキモさん！　落ち着いて」
「落ち着いていられますかっ？　あの子たちの命が危ないのですよ」

　土下座までし出したイキモに涼司は肩をすくめました。
　イキモが言うあの子たちとは、彼がわが子のように大事にしている動物たちのことです。

　ある日、イキモが動物たちと散歩をしていると、突如動物たちが逃げ出して遺跡の中へと入ってしまったのです。
　あわてて追いかけようとしたイキモでしたが、遺跡はトラップや魔物など危険がいっぱいです。周囲に止められた彼は、そこで契約者の力を借りようと蒼空学園にやってきたのでした。

「お願いです！　あの子たちを助けてください。お礼はさせていただきますので」

　ここまでされて断ることなど、涼司にはできません。任せてください、と力強く答えたのでした。

＊＊＊　　＊＊＊

　とある洞窟。

「おい、聞いたか？　珍しい動物たちが遺跡に逃げたってよ。なんでも金持ちのペットらしいぜ」

　こそこそっとは言いがたい大声で話しているのは、ご存知、盗賊の皆さんです。１人の盗賊が手に入れた情報に、誰もが歓声を上げました。

「高級珍味に毛皮に愛玩動物か。またレアなやつばかりだな」
「ひゃっほー！　これでまた酒がのめるぜ」
「剥製にすんのもいいな！」

　そうして、やる気満々の盗賊たちは遺跡へ行くための準備を始めたのでした。

　おはようございます、こんにちは、こんばんは、舞傘です。
　今回はイキモ・ノスキーダさんからの依頼で、逃げ出してしまった動物たちを保護して欲しい、とのことです。
　依頼は蒼空学園を通じて他の学校にも出されているので『学校関係なく』参加してください。

【遺跡について】
　遺跡の最奥には、動物が飲むと『人語を話せるようになる水』、があります。動物たちの目的はこの水です。
　この水が遺跡にあることは、イキモから聞いたとしてＰＣが知っていてもかまいません。
※注意！
　この人語を話せるようになる水は当シナリオ内でのみ使用可能なアイテムで、持ち帰ることは不可です。
効果：動物に飲ませると数分間だけ人間の言葉が話せるようになります。

【アクションについて】
　アクションを書く際は、どこに焦点を置く（トラップの解除を中心、動物たちの保護を優先、盗賊の退治、など）のかを明記してください。

　ペット（乗り物含む）がおられる方は水を飲ませて会話をする、のも可能です。その際はどんな会話をしたいのか。動物の性格などお願いします。会話文をそのまま書くのもＯＫです。

　動物関係なく、遺跡を探検するのも楽しそうですね。

【ＮＰＣについて】
　涼司は絡む人が居なければ出てきません。絡みたい方はそこに重点を置いたアクションをおかけください。

【動物たちについて】
　動物たちは基本、イキモさん以外の人間には警戒します。

・ユニコーン　高級珍味
　イキモ以外の男性には触れることすら許さない。女性が大好き。ゴリラ・リスと一緒に遺跡の最奥を目指している。

・ジャタゴリラ　高級毛皮
　自分より強い花婿を大募集している婚活中の乙女。男を見かけるとひとまず勝負を挑む。ユニコーン・リスと一緒に遺跡の最奥を目指している。

・ミツオ蛇　高級蛇皮
　尻尾が３つに分かれている珍しい大蛇。方向音痴。愛情表現は相手を締め付ける（イキモを数回殺しかけている）。ニセツチノコを頭に乗せて迷子中。

・ニセツチノコ　剥製候補
　伝説のツチノコではないか、と学会を一時期騒がせたぽっちゃりしたトカゲ。呆けている。蛇の頭に乗っており、一緒に迷子中。

・パラミタ白カラス　愛玩動物　ふらふら別行動中
　白色の珍しいカラス。頭がよく、知的好奇心が旺盛。人間への警戒心が一番高い。単独行動をとっている。

・マリモリス　愛玩動物
　その名のとおり、マリモのようにもこもこした愛らしいリス。この中では一番、人懐っこい方。ユニコーン・ゴリラと一緒に遺跡の最奥を目指している。

・動物たちを保護する！

・盗賊を退治する！

・探検します！

・動物たちと仲良くなる！

・ペットと会話する！