蒼空学園

　
「何時からだろうか。守るものを見失い、戦いだけに明け暮れていたのは。

　泣くことは許されず、叫ぶことすらままならない。
　苦しみや痛み、そして狂った思考から目覚めるには、戦いが必要なのだと理解をした。
　日々が過ぎ去る度に、隣に立つ者が死んでいく。また一人、また一人と。
　……こんな世界に、守れる物などあるのだろうか。

　目の前に仲間達が整列する。その姿は抜け殻、虚ろな目のまま武具を抱えて微動だにしない。
　それでも皆、戦いを求めているようだった。それはそうだ。我々は、戦う為に生き残った。
　一個小隊を引き連れて、赤に染まった武具を携え身に纏い、向かうは血の滾る戦場。

　ここが、死に場所になることを望む。
　我が魂は我が武具と共に。願わくは、この思いが誰かに届くように。
　何度も続くこの戦いの果てに、己が化け物になる前に。

　剣を携え、進行を命じる。
　戦いを。死を。
　魂すらも華々しく散れる、美しき戦場を。望む為に。

　――我らは『ネームレス戦隊』。
　戦場を望む者。名前も無く、守るものもない、罪人の小隊。
　語り継がれることのないであろう、七人のヴァルキリー。

　ネームレス戦隊、隊長。ネイト・レーヴァンテイル。
　戦いの前の手記より」

　蒼空学園の理事長室。
　語り終えた卜部　泪（うらべ・るい）が古びた本を閉じました。

「……それが、この事件の犯人か」

　重々しく山葉　涼司（やまは・りょうじ）は呟きました。
　近頃、シャンバラ大荒野の北東にある洞窟の付近で頻繁に旅人を襲う事件が多発していました。
　幸い、死人はまだ出ていませんが、それも時間の問題です。
　話を聞いた泪は何人の生徒と共に、斥候に行きました。
　そこで見たのは、この伝記に書かれた赤に染まった武器。ヴァルキリーで構成された七人の戦隊でした。

「はい、私は何らかの原因でネームレス戦隊がこの世に現れたものだと考えます」

　泪の力強い言葉を聞いた涼司は、しばし考えたあと口を開きました。

「……分かった、今すぐ各学校に救援要請を。
　――敵は亡国の英雄。最大の敬意を払い、自らの矜持を持って相手をしろッ！」

こんにちは。初めましての方は初めまして。
この度、シナリオを担当させて頂く小川大流です。
よろしくお願い致します。

今回のシナリオの目的は現世に現れた、シャンバラ古王国の兵士の退治です。
協力して、彼らの望みである死ぬことを叶えてあげて下さい。

■忘れられた英雄たち
遥か昔に死んだシャンバラ古王国の兵士です。
隊長は男、副隊長は女。他の隊員は男二人と女三人です。
シャンバラ大荒野にある、とある遺跡（彼らにとっては死地）の奥地で長年、棺に収まっていました。
かつて、恐るべきモンスターが出現した際、それを打ち倒した英雄たちです。
彼らはモンスターが今際の際で放った呪いによって、今の状態になってしまい、封じられていたのです。
ある冒険者が棺を開けたことにより、封印が解けられゾンビとして現世に蘇りました。
本体は保存状態のいい死体で、姿かたちは生前と変わりません。
武具も棺に収まっており生前使用していたものを身に纏っています。
知能はあり、話をすることも可能ですが、狂気に支配された彼らは戦いを望んでいます。
彼らは狂気からの解放と、魂すらも華々しく散れる 美しき戦場を願っています。
そして、彼らにかけられた呪いを解く術も、それしかありません。
また、とても強いため、おそらく一人では敵いません。協力して倒して下さい。

この呪いはスキルやアイテムでの解除は不可能です。

■装備している武具。
隊長　長剣と盾。ナイトのスキルを用いて戦います。
副隊長　大剣。フェイタルリーパーのスキルを用いて戦います。
隊員Ａ　槍。セイバーのスキルを用いて戦います。
隊員Ｂ　ハンマー。セイバーのスキルを用いて戦います。
隊員Ｃ　弓。セイバーのスキルを用いて戦います。
隊員Ｄ　片刃の細剣。セイバーのスキルを用いて戦います。
隊員Ｅ　両刃の重剣。セイバーのスキルを用いて戦います。

■アクションについて
アクション内に、誰と戦うか記載して頂ければその人物と戦うことを優先します。
隊長や副隊長は幾つもの修羅場を潜って来たため、隊員より強いです。

■ＮＰＣ
卜部　泪は討伐作戦に参加しますがオペレーションとしてであり、補佐が目的で実際の戦闘には参加しません。
山葉　涼司は増援として登場するかもしれませんが、間に合うかどうかは絶望的と言えます。

・最前線で戦う

・後列で戦う