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オランピアと愛の迷宮都市

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オランピアと愛の迷宮都市

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シナリオガイド

狂乱の恋愛空間! 彼に、彼女に、アレにもコレにも一目惚れ!?
シナリオ名:オランピアと愛の迷宮都市 / 担当マスター: 寒月堂

「うーむ」
広場を行き交う恋人たちを眺めて、春日美夜(かずが・みや)が呟きました。
「リア充ばくは……」
「……美夜様」
エーリヒ・ヘッツェル(えーりひ・へっつぇる)に静かに遮られ、美夜はもごもご語尾をごまかしました。

ここはレヴィ=エーベルスト
古代の神殿の廃墟に作られた、シャンバラ大荒野の南の端に位置する小さな街です。
今、この街ゆかりの”恋人たちの守護聖人”聖ホフマン(さん・ほふまん)のお祭りが終わり、その後夜祭の真っ最中なのです。
美夜とエーリヒは、蒼空学園の弱小新聞部「ぱら☆みた」の部長と、その執事の幽霊部員です。
観光気分で取材に訪れ、広場に設えられたカフェで一服していました。

「これと言って、珍しいこともなかったわねぇ」

つまらなそうに頬杖をついて呟いた美夜の目の前を……制服を着た少女が「遅刻、遅刻」と言いながら駆け抜けて行きました。
見間違いでなければ、トーストをくわえて

「……今、登校時間じゃないじゃん」

一言突っ込んでから身を乗り出した美夜は、広場の噴水の前に、さらに信じがたい光景を目にしました。

「どうした、声も出ないか」
日本刀を手にした黒ずくめの男が、嘲るように笑います。
「泣いて許しを請うてみろ……考えてやらなくもないぞ。ククク」

顔はよく見えませんが、どうやら何か耽美な人の様です……が、彼が刃を突きつけているのは、どう見ても……ベンチです。
何の変哲もない、石のベンチ。
ベンチは……もちろん、黙っています

「フッ……面白いヤツだ。その強情さ、気に入ったぞ」

男はそう言って、ゆっくり刀を鞘に納めました。

面白いのはアンタだ!……と心の中でつぶやいて、ようやく美夜は周囲の様子がおかしいことに気づきました。
さっきまで後夜祭で賑わっていた広場は静まり返り、露店や屋台、イベントの装飾やライティングもありません。
慌てて周囲を見回すと、彼女たちの椅子とテーブルを残してカフェも消え失せています。

「ち、ちょっと、ヘッツェル……なんか変なことに……」

言いかけた言葉が、中途半端に途切れました。
傍らのエーリヒは、そんな美夜にも何の反応も見せず、じっと手元のティーポットをみつめています。
白い手袋をした両手で、そっと包み込むようにその白磁の肌を撫で……時折、ほっと小さくため息をつきます。
心なしか、目が潤んでいる、ような。
美夜は、おそるおそる声をかけます。
「……ヘッツェル?」
「これが、運命の出会い……これこそ運命の恋、なのですね」
エーリヒは、ティーポットに優しく囁きました。

「私は、この瞬間の為に生まれてきたのかもしれません、我が命の喜びである貴方」

美夜はおそろしく平坦な声で言いました。

「……うっそー」


+ + + + +


「……報告通り、人っ子一人いないわね」

街の広場の石畳に立ってつぶやいたのは、雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)
「でも、噴水は稼働中、と」
きらきらと光る飛沫を見上げ、高円寺 海(こうえんじ・かい)もため息をつきます。
「街の設備はすべて異常なし。戦闘の跡なし。化学兵器や攻撃魔法の痕跡もなし、か」

二人は、祭の翌日レヴィ=エーベルストから住人が消え失せたとの報告を受け、
先遣隊として調査にやって来たのです。

「それでも、何かが起こったのは確かだ」
広場から続く神殿への石畳を進みながら、海は言いました。
参道の両脇には、石造りの街並にそぐわない、カラフルでメタリックなハートのオブジェが並んでいます。
「まったく……恋人の守護聖人とか、街中で浮かれてるからだチクショウ」
毒づく海の横で、雅羅はその陰にひっそりと立つ聖人の像をみつめて、こっそり思っていました。

(……聖ホフマン様、意外とイケメンかも)

+ + + + + 

担当マスターより

▼担当マスター

寒月堂

▼マスターコメント

こんにちは、または初めまして。寒月堂です。
今回は、恋煩いの機晶姫が作り出した「愛の迷宮都市」のお話です。

+ + + + +

「……私はオランピア。この神殿で愛と夢を司る者。貴方の願いは?」
「私には、願いなど、何も。
……ただ……こんなふうに、皆がいつまでも愛に満ちて生きていられたら……と、思うだけです」

彼女は「彼」の願いを叶えようと、街にいたすべての人々を、愛「だけ」に満ちた異空間「愛の都市」へと招待しました。
しかし……その異界の街に「彼」の姿はありません。
オランピアは混乱し、「愛の都市」は次第に「愛の迷宮都市」へと姿を変えたのです。

+ + + + +

「愛の迷宮都市」
恋煩いの機晶姫オランピアによって作られた、愛「だけ」に満ちた空間です。
後夜祭の夜にレヴィ=エーベルストにいた人々は全員ここに閉じ込められ、迷宮の作用で「恋愛脳」になっています。
我に返って正常に戻るには、この空間から脱出するしかありません。

「恋愛脳」
思考が過剰に恋愛方向に向き、目の前の異性や同性や物を相手に、無節操に一目惚れ運命の出会いが頻発します。
その影響は、冷静さを保って自分の思考の異常を把握できる人、完全に我を失って愛のみに走る人、性格まで変わってしまう人まで様々ですが、まったく影響を受けない人はいないようです。
恋愛脳の影響の度合いは、アクションで自由に設定できます。

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【アクションについて】

シナリオ開始時、キャラクターは「迷宮」の内と外に分断されています。
まず「迷宮」の内と外、どちらから開始するかを選択してください。

・迷宮外からの開始
住民消失の連絡を受け、調査に駆けつけた状態です。
街の各所を調査し、記録やハード面から事件の原因と解決方法を探ることができます。

・迷宮内からの開始
街にいたことで巻き込まれ「迷宮」に閉じ込められた状態です。
街のお祭りは本来カップル向けですが、ぼっち参加の人も多いようです。
「恋愛脳」の人々で内部は混乱していますが、状況を把握して脱出方法を探ることもできます。

迷宮では通信も途絶しており、ネットや携帯等も繋がりません。
ですので、内と外のキャラクター同士が連携して事に当たることはできません。

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機晶姫オランピア
名前の通り「壊れた機械人形」で、ひと目惚れをした「彼」を探しているようです。
かつては街の機能を維持し、神殿に来る人々に愛と夢を与えることを目的として存在していました。
「迷宮」をコントロールしているので、内部では自在にどこにでも現われますが、外部からの直接のコンタクトは、現状では不可能でしょう。

聖ホフマン
古代パラミタで”恋人たちの守護聖人”と呼ばれていた人物です。
たいへん美形だったとも、恋愛に関する奇蹟を起こしたとも言われますが、具体的なエピソードは伝わっていません。
レヴィ=エーベルストの神殿も、当時は聖地というよりデートスポット、テーマパーク的な意味合いの場所だったと考えられています。

レヴィ=エーベルスト
辺境の小さな街で、気軽に古代の雰囲気を楽しめる街として観光客を呼んでいます。
かつては”恋人たちの守護聖人”聖ホフマンの神殿を中心にした神殿都市でした。
しかし、地下の遺跡の調査はほとんど行われておらず、見える部分をそれらしく復元してあるだけです。

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それでは、皆様のご参加をお待ちしております!


▼サンプルアクション

・街を調査して、消えた人たちの行方を探す

・愛の迷宮でモテキを体験する!

・迷宮内を探索して、原因を解明する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年03月03日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年03月04日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年03月08日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年03月22日


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