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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

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シナリオガイド

悪の怪人から子供の夢とデパートを守れ!!
シナリオ名:立ち上がれ、僕らのヒーロー!! / 担当マスター: 夜月天音

 
 空京デパートの屋上。

 最近、流行の五人組戦隊「大空戦隊スカイレンジャー」のヒーローショーの準備で賑わっています。ショーをするのは、パフォーマンス一座「ぐるりっと」です。

 ショーの舞台裏。

「トゥルス、司会のエラナちゃんが来られなくなったって。アイドルのオーディションで」

 先ほどまで話していた携帯電話を切って獣人の女性は、ヴァルキリーの青年に言いました。
 一座の座員は六人なのですが、今いるのはたったの二人です。

「本当か? 波穂(なみほ)。ヴァルハも戻って来ないし。あいつ、今日携帯を忘れたと言ってたぞ」

 トゥルスは準備をさぼって遊びに行ってしまったメンバーに悪態をつきました。

「あの子、のんびり屋の食いしん坊だから食べ過ぎで倒れてるかも。座長は急にぎっくり腰になってビィースさんの付き添いで病院だし」

 波穂は逼迫する状態にますます顔色を悪くします。舞台ではヒーローを待つ子供達のお喋りが聞こえます。ショーを始めるにしても人数が足りません。

 そんな時、さらなる災難が降りかかります。座長がイルミンスール魔法学校から貰った登録したものを実体化する小型のプロジェクターが唸っていたのです。

「波穂、プロジェクターから変な音がする。壊れてるかも」
「壊れてるかもって悪者の記録が入ってるのに……」

 プロジェクターの中には、スカイレンジャーに登場する悪者軍団「テンペストニウム」の記録がたっぷりと入っています。ショーの重要な道具です。

 そんな二人の声を聞きつけて現れたのは、

「そんなことは俺達に任せろ」
「何たってオレ達が製作者だからな。な、ヒスミ」

 イルミンスール魔法学校生徒で悪戯好きの双子ロズフェル兄弟です。
 プロジェクターを製作した本人達です。実は悪戯目的で作ったのですが、悪戯が過ぎて強制的に没収されたのです。

 この日は、ショーがこのデパートで催されるというのを聞きつけ、遊びにやって来たのです。

 二人はせっせとプロジェクターの様子を確認するも兄ヒスミが余計なことを提案します。

「修理だけじゃ、面白くないから改造しようぜ、キスミ」
「よぉし、まず手始めに……」

 すっかり調子に乗って修理だけではなく改造までしてしまいました。

 改造が完了し、プロジェクターを起動した途端、色彩豊かな火花が踊り始めました。

「熱っ!!」

 無防備に様子を窺っていた波穂の右手に火花が降りかかり火傷を負わせました。

 ――出て来たのは火花だけではなく、

「なんだよ、これ」
「ヒスミ、ヤバイぞ」

 暴走し、壊れたプロジェクターから登録していた悪者が全て実体化し、登録していた情報以上に喋り、動いて舞台裏を通り抜けて行きます。本当に生きているかのようです。

「ちょ、待て!!」

 座長がいない今騒ぎを起こすわけにいかないとトゥルスは、二足歩行の厳つい獣の悪者を止めようと殴りかかりますが、あっという間に吹っ飛ばされて気絶してしまいました。ただのパフォーマーが敵う相手ではありません。

『スカイレンジャーめ、どこにおる.。このレオング将軍が必ず見つけ出す!!』

 トゥルスを倒した悪者は、ぎょろりと辺りを見回してから舞台へと行ってしまいました。

「まずっ、改造し過ぎた。何か暴走で何倍も強くなってるぞ」
「プロジェクターは完全に壊れてるから実体化した奴を倒すしか止める方法が無い。ヒスミがやり過ぎるからだ。完全にお説教だぜ」

 調子に乗っていつも通り迷惑をかける双子。彼らのおかげでプロジェクターは暴走し、切っても意味がありません。

「ど、どうしよう。何かデパートに入って行く悪者もいるし」

 波穂は火傷でひりひりする右手を庇いながら悲痛な声を上げます。

 大騒ぎの舞台裏とは反対に何も知らない観客席では、現れた迫力満点の悪者達に大興奮です。子供達は楽しそうに悪者の名前を当てっこし、大人達は演出に驚いています。
 その様子は、舞台裏からでもよく分かります。

「倒すしかないって言われても出来る人がいない。スカイレンジャーを待ってる子供達の期待を裏切りたくないけど……」

 強くなった悪者を倒すことも子供達の期待に応えることもできず、波穂は涙を流します。ぎっくり腰にドタキャン、迷子、故障、気絶に火傷。パフォーマンス一座なのにパフォーマンスが出来ない有様。

「お客が変だと気付く前に俺達が助けを呼んで来る。行くぞ、キスミ!!」
「おう!!」

 壊れたプロジェクターの相手をするよりも観客から怪我人が出る前に騒ぎを見事に解決しなければなりません。何より自分達が蒔いた種です。

 ロズフェル兄弟は協力者を求め、走って屋内に入って行きました。


担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 シナリオ担当の夜月天音です。
 今回は、デパート屋上のヒーローショーが舞台です。パフォーマンス一座「ぐるりっと」が子供達に大人気の「大空戦隊スカイレンジャー」のショーをすることになったのですが、次々と災難に見舞われ、とどめは悪戯好きの双子です。彼らは、壊れたプロジェクターを修理だけではなく改造もして騒ぎを大きくし、一座はほぼ全滅となりました。
 ヒーロー司会または観客、としてこの騒ぎを派手なショーだと集まった観客に思わせつつ楽しませ、護り、ショーを成功させたいと思う「ぐるりっと」を救ってたっぷりと楽しんで下さい。

 スカイレンジャーの衣装は、予備があるので同色のヒーローが何人居ても大丈夫ですし、伸縮自在で様々な気候に対応した優れ物なのでサイズの心配はありません。魔法たっぷりの声変わり飴(ヒーロー用)で声もヒーロー色になれます。


【大空戦隊スカイレンジャーについて】

特徴:猪突猛進熱血リーダーのレッド、クールな分析家のブルー、のんびり屋のグリーン、ドジっ娘のイエロー、セクシーでみんなのお姉さん
    のピンク。

設定:彼らの世界、スカイワールドは悪者軍団「テンペストニウム」に力を奪われてしまい滅んでしまいました。力を奪い返し、スカイワールドを
   復興するのが彼らの使命です。もちろん、この世界を護るのも彼らの使命の一つでもあります。

【プロジェクターについて】
・登録したものを実体化させる小型の装置です。実体化は姿形だけではなく登録によっては、動きや声、台詞なども含みます。
 止めるには、スイッチを切って起動を停止するか実体化したものを倒すしかありません。 今回は、壊れてしまっているので確実に倒すしかなく、
 暴走のため強さも倍になり生きているかのように自由に動いて喋ります。

▼サンプルアクション

・スカイレンジャーとして悪者をやっつける

・司会でショーを盛り上げつつ悪者を警戒する

・観客として参加し、他の観客に騒ぎを悟らせないようにする

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年03月31日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年04月01日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年04月05日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年04月17日


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