蒼空学園

「キロス・コンモドゥスだ。３日で蒼空学園をシメる！」

　新入生が入学するこの時期、各校では新入生の自己紹介が行われています。
　蒼空学園では、今年の新入生キロス・コンモドゥス（きろす・こんもどぅす）の自己紹介が波紋を呼んでいました。

「ちょっとあなた、今の発言は何？　何を考えているの！」
「言った通りだ。３日以内にこの蒼空学園を手中に収める」

　ホームルームが終わった後、夏來　香菜（なつき・かな）は机の上に足を投げ出し、椅子に寄り掛かってふんぞり返っているパートナーに詰め寄りました。
　他のクラスメイトは遠巻きにその様子を伺っています。
　キロスはニヒルな笑みを浮かべながらしれっと応えました。

「あなたねぇ、ここは波羅蜜多実業高等学校やキマクじゃないの。何でも武力で解決できると思ったら大間違いよ！　それにパートナーである私の立場も考えて！」
「よぉく考えているさ。さっき廊下を歩いてきたが、強ぇ奴がごろごろいやがるじゃねぇか。キマクでも早々お目に掛かれねぇ奴だ。そいつらを倒していけば、俺が校長になっても文句を言う奴はいなくなるよな？　俺が校長になったら、香菜、お前を生徒会長にしてやる。蒼空学園の規律はお前が仕切れ」
「校長に生徒会長って……本気で言ってるの……」

　香菜は思わず額を押さえました。
　キロスは故郷のエリュシオンでは龍騎士と渡り合えるだけの実力の持ち主ですし、兄によって帝国を追放された後力を貸していた恐竜騎士団ですら扱いに困るほどの粗暴さです。
　本気で蒼空学園を３日で手中に収めようとしている事が伺えます。

「確かに君なら３日で蒼空学園を支配しちゃうかもね」

　そこへみたらし団子の串を口にくわえた女子生徒がやってきました。
　旧制服を着ていることから上級生のようです。

「高ね……」
「でも、それじゃぁ真の支配とは言えないわよ？　君の可愛いパートナーが言うように、武力による支配は表面的、一時的なものだもの。金メッキと同じね。君は金メッキで満足できる？　純金の方が欲しいでしょ、普通」
「言ってくれるじゃねぇか」
「ふふっ、蒼空学園のいち女子生徒・遊び人のリコっちは何でもお見通しよ」

　高根沢　理子（たかねざわ・りこ）は自分の名前を呼ぼうとした香菜を「任せておいて」とばかりに手で征すると、キロスを挑発しました。

「武力以外の方法で認めさせろってことだろ？　面白れぇ。面白れぇよリコっち。敢えてあんたの挑発に乗ってやるよ」
（武力に訴えるからもっと直情的かと思ってたけど、頭の回転早いし、考えが柔軟ね）
「で、何で勝負するんだ？」
「これよ」

　理子が取り出したのは水鉄砲でした。

「例年、蒼空学園では新入生の連帯感を高めるために新歓騎馬戦が行われているんだけど、今年は趣向をちょっと変えたいと思ってるの」

　理子が言うには、紙で作った的を小型飛空艇や空飛ぶ箒の見える位置に付け、最低２人一組でそれらの乗り物に乗って、一人は騎手として操縦に専念し、相方が水鉄砲で相手の的を攻撃するというルールです。

「チーム戦で、制限時間内に相手のチームの的をより多く穴を開けた方が勝ち。４人まで乗れる乗り物なら砲撃手をその分増やしても良いわ。どうかしら？」
「良いも悪いもねぇよ。受けて立とうじゃねぇか。チーム編成とかは香菜とリコっちに任せるぜ」
「ちょ！？　私も巻き込むの！？」
「俺ら、パートナーなんだぜ？　俺の強さは戦場で見せてやるさ」


　しばらくして、各校の掲示板に『水鉄砲騎馬戦』の参加者募集の依頼が貼り出されました。

　本シナリオは蒼空学園を始め、各学校の新入生と在校生を対象とした新歓シナリオです。
　舞台は蒼空学園ですが、各校にお知らせを掲示していますので、他校生も気軽に参加して下さい。
　また、先輩もご参加いただけます。

　参加者はキロスチーム（＝新入生チーム）かリコっちチーム（＝在校生チーム）のどちらに就くか決めて下さい。
　チームはあくまで呼称ですので、新入生がリコっちチームに入ったり、在校生がキロスチームに参加するのは構いません。
　アクションにチームの指定が書かれていない場合、こちらで割り振らせていただきます。


　ルールは

・紙で作った的を小型飛空艇や空飛ぶ箒などの乗り物に付け、最低２人一組で乗る。
・一人は運転手として操縦に専念し、相方が砲撃手として水鉄砲で相手の的を攻撃する。
・定員が２人以上の乗り物の場合、砲撃手を増やすことが出来る。
・的には強度があり、一撃で破れない場合がある。
・的を破られた騎馬はその場で停止し、速やかにグラウンドの外へ出る。
・制限時間内に多くの騎馬を倒した方のチームが勝ち。

　といった内容になります。


　ペア編成は、アクションで組みたいキャラクター名を書いていただければ、そのキャラクターと組めます。
　特に組む相手がいない場合、相談掲示板で呼びかけてみるのも１つの手です。
　組みたいキャラクターがいない場合、こちらで同じ学校の生徒や協力している他校生と組まさせていただきます。

　乗り物は定員の説明が書かれていない場合、基本的に２人乗りとします。
　定員の説明が書かれてある場合、今回は定員以上の人員は乗れません。

　なお、それぞれのチームのリーダーは

・リコっち：小型飛空艇オイレ
・キロス＆香菜：レッサーワイバーン

　に乗っています。リコっちはパートナーが不在なので、ペアを組みたい方がいれば掲示板に報告してからアクションを掛けて下さい。


　特別ルールとして、「スキル１」に装備しているスキルを使用することが出来ます。
　ただし、スキルが使用できるのは砲撃手のキャラクターのみで、騎手は使用できません。
　それ以外のスキル・武装は一切使用できません。

　なお、騎馬の数に偏りがある場合、組む人数が足りない場合はNPCが入り、数を調整します。

　キロスチームが勝った場合、彼が蒼空学園の新校長になってしまうかも知れません！？
　出張で３日間留守にしている山葉のためにも頑張って下さい！

・砲撃手になって相手の的を破る！

・騎手になって、敵騎手を翻弄する！