蒼空学園

ザンスカール北西の町。


その町の中心が、突如、めくれ、大地が吹き上がりました。

吹き上がった大地は、まるで土の森を形作るように膨らみ、留まることなく増殖し、
やがて、住民を囚え、飲み込もうとし始めました。

凄まじい速度で町を侵食していく土の森から逃げ惑う人々。

更に、町の東西南北に四体の巨大な“魔物”が現れ、
町から逃げようとした人々を襲いました。

町の中央からは魔の森が迫り、
巨大な魔物が町の外への道を断じる……最悪の事態でした。


現場に急行したアゾート・ワルプルギス（あぞーと・わるぷるぎす）は、その状況と己の知識を合わせ、気付きました。

「……この辺りは、遙か昔、大地の魔力バランスが著しく崩れた事があるんだ。
　その時――
　伝説の錬金術師ヘルメスが、守護を造り、結界を生み、大地の魔力バランスを保った。
　つまり、皆を襲っている魔物は、元々、この地を護るために造られたもの……。


　魔力のバランスは長い時の中で、問題の無いレベルに整えられたはずだけど、
　パラミタ大陸が崩壊を控え、極端に力を失い始めたために、守護たちが機能不全に陥ったみたいだね。

　だから、今はむしろ、大地の魔力バランスを狂わせてしまっているんだ」

「ヘルメスの造った守護？」

共に現場へ来ていたアッシュ・グロック（あっしゅ・ぐろっく）が問いかけます。

「……魔導生物みたいなものだよ。
　今、考え得ることができる……土の森の侵食を止める方法はただひとつ。

　かつて、この地を護るために造られた四体の守護を倒すこと」

曰く――

北に現れた巨大な亀、ドリー・タート。
南に現れた炎の大鳥、ドリー・バーン。
西に現れた白い大虎、ドリー・タイニー。
東に現れた蒼い龍、ドリー・ドラン。


「長い間、土地を守り続けた彼らを倒さなきゃいけないのは少し気が重いな」

「……早く倒さないと、彼らの影響で大地の魔力は暴走し続け、町が土の森に埋もれて死んでしまう。多くの人と共にね。

　それに、あのヘルメスが造り出したものが相手なんだよ。
　……そんな風に油断するのは、お勧めしない」

いつも無表情なアゾートの顔には、強い緊張の色があったのでした。

現在、町は人々を襲う土の森に飲み込まれつつあります。
森は中央から広がってきています。

また、町の四方には巨大な魔物が現れ、住民の避難を妨害しています。
更に、町のあちこちには土くれのモンスターも出現し始めています。


このシナリオでは、

・たまたま町の中に居て、事件に巻き込まれた。
・外から救援に駆けつけた。

などといった状況からスタート可能です。


■ドリー・タート
黒い甲羅を持ち、何本もの触手を振り回す巨大な亀です。

その甲羅は固く、動きは素早いです。
体当たりや触手、毒の霧などを用いて攻撃してきます。

●古い文献によると、歌や音楽によって能力を低下させることが出来るようです。


■ドリー・バーン
炎に包まれた巨大な鳥です。
尾より放たれる無数の炎の鞭や炎のブレスが強力です。

また、１～２ｍの小型の火鳥たちを生み出し、人々を襲います。

●古い文献によると、強い哀しみの感情に弱く、そういった感情に乗せて攻撃を行うことも有効なようです。


■ドリー・タイニー
白い流体魔金属で覆われたメタリックな大虎です。
動きは素早く、様々な形となる装甲が無数の刃となって伸び、人々を襲います。

また、タイニーが放つ咆哮をまともに受けると、一定時間身体が動かなくなってしまいます。


■ドリー・ドラン
長い体をした龍です。

強力な幻覚を用いるため、視覚はあてになりません。
その体躯を使った攻撃の他、風を操った攻撃なども行なってきます。

■土くれモンスター
できそこないの小型ゴーレムのような姿をしており、人々に襲いかかってきています。
強くはありませんが、それは契約者にとっての話です。
一般人ではとても敵いません。

また、数も多いです。


アゾートはドリー・ドラン、アッシュはドリー・タイニーの対処にあたります。

・ドリー・タートに歌を叩きつける！

・ドリー・バーンと戦う！

・ドリー・バーンと戦う！

・町の人たちを助ける！