蒼空学園

　ここはイルミンスール魔法学校の大会議室。
　会議用の机がいくつも並べられ、先生や職員が新年や年末の行事について話し合っています。
「では、次の議題ですぅ。今年も大図書室の大整理を行うです」
　議長を務めていたエリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）の言葉に、皆は一斉に口を噤みます。その表情は「今年もあるんだよなぁ」という困った顔。それもそのはず。学校の他の部分とおなじく迷宮状態になっている大図書館の整理はとても大変で、先生や図書委員だけではとても大変だからです。
「今年はどうしますか。他の生徒たちにもやってもらいますか」
「それだけで足りますかな？」
「掃除や蔵書整理だけではありませんぞ。未返却の本もかなりの数になっているとか」
「忘れ物や落し物を回収するのも……」
「野生化した使い魔が……」
「人手が……」
「時間が……」
　先生たちはあーでもない、こーでもないと意見を交換していますが、なかなかまとまりません。
　その様子を見かねたアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）が立ち上がりました。
「なにを揉めておるのじゃ。簡単なことを見落としておるぞ？」
「簡単なこと、ですぅ？」
「うむ」
アーデルハイトはエリザベートや先生たちを見渡して言いました。
「大図書室はイルミンスールの生徒だけでなく全学校にも開放しておる。“ぼらんてぃあ”を募集して、みんなでやれば良いのじゃ！」
「ふむむ、言われてみれば確かにそうです。普段から図書室を使ってくれている人たちなら、集まってくれそうですぅ」
「みんなでやれば早く終わるし、きっと楽しいと思うのじゃ。どうじゃろう？」
先生たちは頷きます。学校外の人たちが手伝ってくれると、とても助かります。それに、ちょっとした年末イベントのようで楽しそうですからね。
「異存はないようじゃな。ではエリザベート校長、お手伝い募集の認可を下すのじゃ」
「もちろんですぅ。さっそくチラシを作って学内や街に貼りだすです。他の学校にも送って、お手伝いを募集するです！」
「よーし、では大図書室整理作戦、開始じゃ！」

　マスターより
　こんにちは。からすば晴です。
　年末が迫ってきたということで、イルミンスール魔法学校大図書室の大整理を行います。本文にもあったように、他の学校にもお手伝いを募集しているので学外の人も気軽に参加することができます。「大掃除」というお堅いものではなく、学外交流を兼ねた楽しいイベントにしたい、ということですね。もちろん、イルミンスールの学内にも手伝い募集の張り紙がたくさん貼られています。
　大整理の内容としては、蔵書の整理や図書室内の清掃、忘れ物や落し物を届ける、未返却図書の回収、などがあります。ちなみに蔵書の整理はエリザベートが、未返却図書の回収にはアーデルハイトが手伝ってくれます。
　さて図書室の内部ですが、ご存じのように迷宮化しているので迷子にならないよう注意が必要です。またゴーレムガーゴイルなどのモンスターや、生徒が放してしまったまま野生化（？）してしまった使い魔などが徘徊しているので、自衛用の装備はあった方が良いでしょう。
　迷子や怪我人が出てしまうと、探索が必要になったり整理が中止になってしまうかもしれません。その場合は期間内に整理が終わらず「作戦失敗！」となってしまいます。皆さんで上手に手分けして、大整理を成功させてください！

・蔵書整理とお掃除をするよ

・落しものを返したい

・未返却本を回収する