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影を生む妖刀

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シナリオガイド

妖刀、実喰(さねくい)に囚われた少女を救え!
シナリオ名:影を生む妖刀 / 担当マスター: 宇賀野美也

「私、出来損ないなのかな……」
 夕暮れ、村外れの倉庫に一人の少女が座り込んでいました。シボラに住まう封印の一族、その要たる結界師の家系に生まれておきながら、何の能力も身に着けられなかった少女……以前、アクリトに助けられた少女でした。
 村の危機にありながら何ら助けにもなれず、ショックを受けていた少女は、修練に修練を重ね、それでいて自慢の足以外何も誇れるものは身に付きませんでした。
「役に立ちたいよ……」
 その呟きに応じるように、かたん、と倉庫の奥で音がしました。少女が驚き、闇に眼を凝らすと、そこには一振りの小太刀。厳重に封印されたそれに、少女は吸い寄せられるように歩み寄り、そして――。



 夜。イルミンスール、地下宝物庫。厳重に封印された呪物を集積しているそこに、幾人もの手練れの魔導師が集い、必死の再封印を施している呪具がありました。
 名は妖刀「影断(かげたち)」。斬られた者の精神体を傷つけ、封じるという小太刀です。何らかの要因により力を増し、結界を破らんとするそれを、今もアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)アクリト・シーカー(あくりと・しーかー)の目の前で封じ続けているものの、この原因を突き止めなければいずれ封印は破れ、影断の能力が発動し、大きな被害が出てしまうでしょう。
「長くは持ちそうにないな」
「うむ、そこでお前を呼んだのじゃ、シボラで『封印の一族』に会ったそうじゃな?」
 アーデルハイトの問いにアクリトが頷きます。
「この呪具には片割れがあってな、名を『実喰』という。こちらは実体を封じ、影のみを残す小太刀じゃ。もともと二つ同時に封印していたのじゃが、一緒にすると力を増してな。手が付けられんので一方をシボラに封じた。なあに私の生きているうちの出来事じゃ。アレと似た形をしておる。見なかったか?」
「いや」
 首を振るアクリトにがっくりとアーデルハイトが肩を落とします。ですがすぐに首を振って気を取り直し、胸を張って言いました。
「まあよい。私の見立てが正しければ、シボラとここは魔力的なリンクが生まれているはずじゃ。異変が起きているのならば、一族の方から――」
 突然、地下宝物庫にいるすべての人に、少女の声が響き渡りました。
『聞こえますか!? どなたか、どなたか!』
 その声にアクリトは目を見開きます。それは封印の一族が擁する、結界師の少女の声でした。にんまりとアーデルハイトは笑い、魔力の籠った声を放ちました。
「おお、聞こえておるぞ。私はアーデルハイト・ワルプルギス。封印の一族じゃな?」
『はっ、はい! 結界師リィ・スールと申します! が、影が村を覆って!』
 その言葉を聞き、アーデルハイトの顔が引き締まります。
「実喰の封印が破れたか」
『お恥ずかしながら。ですが、まだ完全ではありません。恐らく、私の妹、エイラが封印を。妹を、妹をどうか!』
 アーデルハイトが強く頷きます。
「相解った。これよりアクリト殿と、助っ人を連れてそちらへ向かう。リンクが繋がる今なら、転送陣を張ることが出来よう。心易く待て」
『アクリト様が――! どうか、よろしくお願い致します!』
 少女の声が途絶えます。アクリトは髭をひと撫ですると、アーデルハイトに問いました。
「時間がないが、助っ人とは?」
「ふふふ、こんなこともあろうかと、既に声はかけてあるのじゃ。もちろん、お前の生徒や知り合いにもじゃ。当然、転送陣もこの封印結界を転用すれば容易い事よ」
「準備のいいことだ……」
 呆れ半分、感心半分でアクリトが呟き、背後から姿を現した「助っ人」達、そしてアーデルハイトと共に、輝き出した転送陣に身を委ねました。

担当マスターより

▼担当マスター

宇賀野美也

▼マスターコメント

 初めまして、あるいはお久しぶりです。宇賀野です。
 私のシナリオ「瘴気の霧の向こうから」の続編的立ち位置のシナリオですが、もちろんこの話から参加したということで何かのペナルティを得るということはありません。奮ってご参加ください。

 妖刀「実喰」の能力により影に覆われてしまった村から救援要請が届きました。
 現地には夜に到着することになります。夜の森での探索になるでしょう。

 結界師、リィによれば、実喰と同時にエイラの姿も消え、突如としてシボラの森や、村の一部が「影」に変化してしまったようです。彼女に原因は分からず、ただ、妹の安否が心配で、必死に声を上げたようです。

 アーデルハイトによれば、影とは実喰により実態を奪われた精神体で、強い光を浴びせて実体化させるか、影から攻撃を仕掛けてこない限り攻撃は当たらず、退けても実喰に囚われた実体がある限り何度でも復活するとのことです。もし、シボラにて、ナラカの瘴気の影響で発生した、異常な再生力を備える変異種と呼ばれる強力な生物が影と化していたなら、厄介な敵となるでしょう。

 また、実喰がひとりでに封印を破ることは考え辛く、ただ一人行方が分からないエイラが封印を破ったとみて間違いないとのこと。実喰は単純な意思を備えており、それに支配された可能性があるとのことです。支配は自力で脱するか、行動不能にした後解除するのが確実だそうです。

 さらに、実喰の破壊はよした方がいいとの事。その理由は、封印された呪具は、封印そのものでもある、と、わかりにくいことを言ってはぐらかしています。

 どうか彼女たちを救ってください。

▼サンプルアクション

・少女捜索

・少女説得

・拠点防衛

・情報収集

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年08月15日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月16日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月20日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年08月30日


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