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第3次スーパーマスターNPC大戦!

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シナリオガイド

古代ローマはお風呂の中に。夢の狂宴、今再び!
シナリオ名:第3次スーパーマスターNPC大戦! / 担当マスター: 菊池五郎

 ――空京。リゾートスパ施設パラミアンは今日も老若男女沢山の客で大賑わいです。そんな賑やかさの隅で、魔法少女と軍人が壁に凭れていました。
 飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)と、アレクサンダル四世・ミロシェヴィッチ(あれくさんだるちぇとゔるてぃ・みろしぇゔぃっち)。空京の街でここ二回続けざまに起こった起きた白昼夢のような事件に巻き込まれた二人は、これから起きるかもしれない三回目に備え、それぞれが持つ機関で調査を進めていたのです。
「私の方は昔の魔法関係の文献を当たってみたんですが――」
 豊美ちゃんは自身が運営する魔法少女会社『豊浦宮』で進めていた調査結果を述べます。
「昔、『異世界から魔法使いがお風呂を媒介にし地球の古代ローマに現れ、ローマ人にあらゆる知識を与えた』。というものが一番先日の事件に関係が有りそうだと――」
「分かった。その魔法使いの特徴がどう見てもアッシュ・グロック(あっしゅ・ぐろっく)なんだろ」
 片眉を上げたアレクに、豊美ちゃんは困った笑顔で頷きました。二つの事件に関係していたのは、イルミンスールの灰を撒くものアッシュの存在だったからです。
「どっちも風呂には違いないが……」
 一方アレクの持つ私設軍隊『プラヴダ』の調査兵は、転移現象について調査した結果『パラミアンで、温泉水の中からローマ人のようなものが現れ、脱衣場から客のパンツやスパ内の客のビキニを盗んでゆく』という眉唾なものを隊長に寄越していたのです。
 という訳で、半信半疑でパラミアンにきていた豊美ちゃんとアレクでしたが、余りの話の奇抜さに二人で水辺を覗き込みながら首を振ってしまいます。そんな折、豊美ちゃんの目にふと止まるものがありました。それは楽しそうに遊ぶ子供達のグループで、プールサイドに座る引率らしき青年の元へ向かって行きます。
「ねえねえ! あっちに滑り台があるんだって! 行っていい?」
「ああ、だが走ったり単独で行動する事はしないように」
「はい、わかりました!」
 白髪に紫の瞳が印象的な青年――破名(はな)・クロフォードの答えを貰ってお湯の中をざぶざぶ進む子供達。微笑ましい光景に豊美ちゃんは小さな笑い声を漏らします。
「可愛いですね。遠足でしょうか?」
「孤児院『系譜』の子供達だ。引率はクロフォード一人だけのようだが……こんな場所にまで白衣で来るんだなあいつは」
 目を丸くし見上げてくる豊美ちゃんに、アレクは「ちょっとした知り合い」とだけ答えます。それにしても遊ぶ子供達を見ていると、パラミアンはこれ以上無いくらいに平和そのものと言える状態で、アレクは任務終了とでも言うように襟のホックを寛げてしまいました。
「――正直なところ『無い』な。
 豊美ちゃんすまない、帰ろう。余りにバカバカしい話だ」
「そうですね、古代ローマ人がぱんつを盗るなんて。ちょっとおかしいですよねー」
 ところが――、踵を返した二人の耳に、信じられない声が飛び込んできたのです。
きゃああッ! 私のビキニのぱんつが!!
脱衣場からぱんつが盗まれたぞ!!
 振り向いた瞬間、ビキニを盗まれた女性が叫ぶ姿が、そして脱衣場から大量のぱんつを両手に抱えた屈強なローマ戦士風の男が水の中へと飛び込んでいくのが見えます。
 ローマ戦士はついでとばかりに、破名の連れていた孤児院の子供のぱんつへと手をかけるのでした。
「クロフォード助けて! ぱんつが水の中に引っ張られるよお!!」
「今行く! 待っていろ!!」
 助けを呼ぶ子供の声に、破名は躊躇無く水の中へ飛び込んで行きました。それを目撃していた豊美ちゃんとアレクもまた、走り出します。
「行きましょう!」「Da.」
 豊美ちゃんに差し出された手をアレクが掴み、二人はこの先どうなるか何となく想像がついていながらも、意を決して床を蹴り上げるのでした。

* * *

 ――古代ローマ、に見える世界『ロミスカ』。
そこで豊美ちゃんとアレク、事件に巻き込まれたらしい契約者達、そして破名と『系譜』の子供達は怪しい人物として疑われ瞬く間に屈強な戦士達に囲まてしまいました。
「……うぅ、ぱんつを頭に被るなんて……」
 どういう訳かすっかり戦意を喪失しうわ言を言っている豊美ちゃんは両手で顔を覆っています。
何故ならこの世界の戦士達は、皆等しく裸にマント、そして頭には甲冑の如くぱんつを被っているのです。それは永遠の少女である豊美ちゃんにとって、何よりも大事件です。
「一体全体……何なんだここは」
 破名の戸惑いは別世界に飛ばされた事だけでは有りません。彼の持つ『転移魔法』もまた、ロミスカでは自由に行使する事が出来なかったのです。
(場所がもたらす秩序との相性が合わず上手く制御出来ないのだろうか……。もっと対象が近く、そして軽いもの程度ならば可能だろうが)
 眉を顰める破名を一瞥して、アレクは言います。
「余り深く考えるなクロフォード。俺達は妙な世界に飛ばされた。だが、何らかの事件を解決すればパラミタへ帰れる。――大体そういう習癖なんだ。
 しかし、女性用のぱんつが戦士の証。その上契約者のぱんつを被ると戦士としての能力が増強されるだなんてどんだけ阿呆な世界なんだ」
 萎れた花のように元気が無くなってしまった豊美ちゃんの可愛いあほ毛だけでもせめて立ててやりながら、アレクは思い出します。
 それは少し前の事。ロミスカに辿り着き戦士達に囲まれた時、豊美ちゃんは正面から絶妙に目を反らしつつも、子供達だけでも逃がそうと敵に挑んでいきました。しかし彼女の魔法力を以てしても、パンツを装備した戦士達に敵う事は無かったのです。
「単純に女性用ぱんつを装着していればパワーアップ――では無いだろう。先程の状況から鑑みるに、他人の女性用ぱんつという条件も追加されるな」
 破名の分析に、全員が息を吐き頭を抱えました。

 そうしている間にもあれよあれよと事態は悪化していきます。訳も分からずにコロッセオのような建物の内部へと連れ込まれた契約者達は、無数の屈強な戦士達が待ち構える戦場へと弾き出されたのです。
 すると戦いを待ち構える観客達から歓声が上がり、一際高い場所の豪奢な椅子の前に、全裸にマント――そして顔面にぱんつを被っている男が登場します。その男は左右の穴から銀色の髪を覗かせ、燃える様な赤い目で契約者達を見下ろしていました。
『我こそは『ロミスカ』の皇帝 アッシュ!!
 遠き異世界よりきたもの共よ。此処ロミスカではぱんつこそが強者(つわもの)の証。
 貴様達がそのぱんつを奪われたく無いのであれば、このコロッセオで勝ち抜き、真の戦士であると証明してみせよ!』
「俺達は戦士ではない。ぱんつを履いてはいるが――、勘違いだ。子供も居る。ただ穏便に済ませて家へ帰りたいだけだ」
 一息に言う破名を見下ろして、アッシュは何かを高らかに掲げます。
『これを見るが良い』
 アッシュが持っているのは、太陽の光りに黄金色に輝くぱんつでした。
ゴールデンパンティ。我が先祖の魔術師が残した至高のぱんつ。
 水辺にてこれを被ればお前達の故郷である遠き異世界へも旅立つ事が出来る――』
「あれで彼等はパラミアンに……。つまりあれを手に入れればパラミタへ帰れるんですね!?」
『優勝者にはこのぱんつを被る栄誉を与えよう!』
 アッシュの宣言に、コロッセオの中に雷鳴のような響き(どよめき)が起こりました。



 不安で集まる子供達を眺め、破名はアレクを盗み見ます。気づかれた上、嗤われた気がしたものの破名は決意したように喋り出しました。
「一つ……当てが有る。あのアッシュの近くへ行けば、俺は奴の手元からゴールデンパンティを手に入れる事が出来る」
 強奪。その単語に相応しい距離まで近づけるのなら、いくら不安定で御しにくいといえど、それは不可能ではありません。ただ、それを決行するには破名は誰かに協力を願い出るしかなかったのです。ただでさえ行動制限がある上に、子供達のぱんつまで狙われているのはあまり良い状況とは言えません。
(強奪するのは俺じゃなくてもいいんだが、飛ばすには距離がな)
 理由を説明しないという無責任な対応の破名でしたが、誰かがそれを聞く前にアレクが続けるよう促してしまいます。
「あの場所にたどり着くには時間が掛かる。だから時間稼ぎを頼みたい。
 それには強制的に戦いを受け入れる事になるだろう。優勝する必要は無いが、リスクは伴う」
「しかしクロフォード、それよりも重要な事が――。
 此処で戦うには誰かのぱんつを犠牲にする必要がある」アレクの言葉に、破名は苦々しげに頷きます。
「――その通りだ。問題は自らぱんつを差し出す勇気のあるものが此処に居るかどうかだだろう」
 戦いへは複数人で参加する事が認められているようなのですが、ロミスカの戦士達がぱんつを被らずに戦って勝てる相手でない事は、皆理解していました。ぱんつを被った戦士という外見は……非常にコメントし辛いのですが、その力は並の契約者では敵わないほど『本物』、そう直感が囁くのです。
「……アレクさん、聞いてください」
 沈黙が支配する中、豊美ちゃんが真剣な眼差しでアレクを見、言います。
「今の私では、満足に戦うことは出来ないでしょう。アレクさんの足手まといにはなりたくありません。だから……」
 言った豊美ちゃんの、身体が内部から発する光に包まれます。それは一瞬のことで、光が収まった後豊美ちゃんの両の手には、バックレースのついたピンク色のぱんつが握られています。
「豊美ちゃん、それは……!」
 アレクは即座に気付きました。これは豊美ちゃんのぱんつであると。豊美ちゃんに似合う愛らしいぱんつだという感想を珍しく空気を読んで胸に秘め、アレクは豊美ちゃんを見ます。ぱんつを握り締める豊美ちゃんの手は密かに震え、頬は紅く染まっていました。
「私の大事なものを、アレクさんに託します。
 アレクさん。どうか、ご無事で」
 意を決した言葉に、誰もが息を呑みます。アレクは豊美ちゃんへ歩み寄り、彼女の小さな手を両手で包み込んで言いました。
「……必ず、洗って返す!」
「アレクさん!!」
 どちらとも無く腕を伸ばし感極まった様に熱く抱きしめ合う二人に、子供達は歓声を上げています。
「クロフォード、豊美ちゃんエライね!」
「アレクお兄ちゃんカッコイイ!」
 純粋無垢なその笑顔達に、破名は引きつった笑みを浮かべて言葉を引っ込めました。
(しかしこの展開だと……豊美のあのピンクのぱんつは、アレクが被るんだよな?)

担当マスターより

▼担当マスター

菊池五郎

▼マスターコメント

 皆さんこんにちは。猫宮 烈、東 安曇、保坂 紫子です。今回のシナリオはこちらの三人で執筆致します。
 各ゲームマスターが担当マスターNPCに関わるシーンを執筆予定ですが、通常の合同シナリオとは違い細かくパート分担をしておりません。予めご了承の上ご参加下さい。

* * *

・今回豊美ちゃんとアレク、破名達は、昔のローマを思わせる『ロミスカ』へ飛ばされてしまいました。契約者の皆さんもまた彼等と同じ様に、パラミアンや自宅のお風呂などで寛いでいた時に水の中に落ちたり、引きづり込まれ迷い込んだようです。

 パラミタに帰るには『皇帝アッシュ』から『ゴールデンパンティ』を手に入れなければいけません。破名と協力し隙をついて強奪する、アレクと協力しコロッセオで戦う(優勝する?)、そんな彼等を豊美ちゃんと一緒にサポートする等色々なアクションでお楽しみ下さい。

・サンプルアクションを参考に、必ずどのNPCと登場するかアクション欄にご記入下さい。
 MCとLCが分かれて、二つのシーンに参加する事は出来ません。

『破名の空間転移魔法・ロミスカでの制限について』
・空間転移を使用して飛ばせるのは破名自身だったり、他人だったり、物体だったりとかなり応用はききますが、どれも標的とかなり近づいてないと届かないです。また、移動させる者(物)の比重が重ければ重いほど集中に時間がかかります。
・負荷の度合いが強すぎて発動は一度きり、精度も本人が思っている以上に落ちている為、十分な距離が詰められていても、目標地点に確実に移動させることができる成功率は多く見ても五割くらいとなっております。
・それと、破名は子供達が狙われていることに気が向いていて少々注意散漫になっています。

* * *

NPC

【飛鳥 豊美(あすかの とよみ)】担当:猫宮
 みんなの憧れの魔法少女……だが、今回は屈強な男たちの衝撃的な姿を目の当たりにして、早々に戦線離脱。アレクに自らの大切なもの(ぱんつ)を託し、アレクや破名、契約者や魔法少女たちのサポートに回る格好になっている。
破名とは面識が無いが、アレクが敵視しておらず親しげに話しているから良い人なんだろうな、と思っている。
 孤児院の子供たちの事は(本人が組織する『豊浦宮』でも何度か孤児院を慰問した経緯があるため)気にかけており、子供たちが危機に瀕した時は豊美ちゃんも“怒る”かもしれない。

【アレクサンダル四世・ミロシェヴィッチ】担当:東
 毎度お馴染み変態シスコン軍人お兄ちゃん。今回は大好きな豊美ちゃんのピンクのぱんつを頭に装備にして戦地へ赴く。そりゃあ当然漲るやる気滾る脳内。やっぱりロリコンじゃね?とか突っ込んでいけない。
 ノブレス・オブリージュの精神で『系譜』に個人的に寄付をしているらしく、孤児院の子供達に「お兄ちゃん」と慕われているらしいが、果せる哉軍事機密が関わっている模様。突っ込んだら本気で暗×されるので、何かに気がついても見なかった事にしておくのが得策。

【破名(はな)・クロフォード】担当:保坂
 夏。そして懐に余裕が出てきた事も有り、孤児院『系譜』の運営者として年長の子供達はマザーに預け、小さな子供達を引き連れてパラミアンに遊びに来ていた。
その最中に事件に巻き込まれ、正直戸惑いを隠せない様子。しかし保護者として不安になる子供達を抱え、囁くように何度も同じ言葉を繰り返し宥めている。
 アレクとは孤児院への援助を受けている関係上、面識と『多少の交流』があるものの、ちょっとした経緯から転移魔法の能力があることを知られてしまった事も有り、苦手。

▼サンプルアクション

・破名・クロフォードと行動する。

・コロッセオで戦う!

・コロッセオで戦うみんなをサポートする!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年08月17日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月18日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年08月22日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年09月03日


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