蒼空学園

「ハロウィン・カーニバル？」

「ああ。アガルタでそんなお祭りをやっているんだ。来週は会社お休みだろう？
　私も出店準備で向こうに行くのでな。一緒に行かないか？」

　父、イキモ・ノスキーダの唐突な誘いに、ジヴォート・ノスキーダ（じぼーと・のすきーだ）は数度目をぱちぱちとさせました。

　何事にも計画をきっちりと作って実行する養父とは真逆な実父の言動に、多少は慣れたつもりであった彼ですが、どうやらまだまだだったようです。
　ジヴォートは、隣で静かに佇むプレジ・クオーレ（ぷれじ・くおーれ）へと目をやります。プレジは予想していたのか、迷うことなく予定について教えてくれました。

「連休の初日は午前に視察が入っておりますが、他にはございません。問題ないかと」
「そうか！」

　ジヴォートがするよりも早く返事をしたイキモに、（なんでそっちが返事するんだよ）と内心呆れつつ、ジヴォートは首を縦に振りました。唐突な誘いではありましたが、なぜこのタイミングで言い出したのかが分かったからです。

「楽しみだな！
　おっそうだ。忘れてた。カーニバルでは仮装して回ると良いことがあるらしい。できれば作りたいが、この短時間ではさすがにきびしいか」
「そうですね。しかし貸衣装屋があるとのことなので、予約を取っておけば大丈夫かと思います」

　イキモは自分の秘書と何やら盛り上がっている。

（まるで子供みてーだな）

　父親の様子に、今度は表に出して呆れながら、ジヴォートは少し笑いました。

　それは、最近ずっと沈んでいた彼の、久しぶりの笑顔でした。



＊　＊　＊



『今から行ってみようぜ』

　そう言い出したのは、たしかにジヴォート・ノスキーダの方でした。
　ドブーツ・ライキはソレに対して、やめとこうよ、と声をかけましたがジヴォートの輝いた目を見て諦めたのでした。

（いや、違う。僕は嬉しかったんだ。あいつが知らないことを知っているということが）

　引っ込み思案な自分よりも快活で誰とでも仲良くなり、運動も勉強も出来るジヴォートに、ドブーツは憧れながらも嫉妬を覚えていました。
　ドブーツが勝てたのは、外の世界を知っているというただ一点のみ。

『分かった。じゃあ、僕が案内してあげるよ』

　だからドブーツは……胸を張ってそう答えてしまったのです。



＊　＊　＊



「ドブーツ様、お電話が来ております」
「電話？　誰からだ」

　書類に向き直っていたドブーツは、秘書の言葉に眉を寄せました。わざわざ自分に取り次ぐということは、秘書という立場では断れない相手（おおもの）ということ。
　一体誰からの電話であるのか。そして用事はなんなのか。
　警戒するのも無理はありません。

「イキモ・ノスキーダ様からです」

　予想もつかぬ相手からの電話に、ドブーツは

「……はあ？」

　思わず間抜けな返事をしたのでした。

　そして何事かと構えた先で、イキモから伝えられたのは「アガルタの祭りに一緒に行かないか」という暢気なお誘いでした。あっけにとられるとはこのことです。

「……申し訳ありませんが、仕事がありますので」

　素直じゃないドブーツが誘いを断っているのを見た秘書は、

（ああ、また後ろからついて行くんだな）

　と護衛や荷物、宿泊の手続きをとるための段取りを頭に浮かべたのでした。

　皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんわ。もしくははじめまして、舞傘（まいかさ）です。
　今回は１０月ということなので、ハロウィンです！　開催場所はニルヴァーナにある巨大地下街【アガルタ】！　今までアガルタに来たことがない、ジヴォートたちと関わったことがないという方も気軽にご参加ください。

　アガルタの詳細や出店者一覧はコチラからどうぞ。

【ハロウィン・カーニバル概要】
　街全体がハロウィンの装飾が施され、人工的な夜空にもハロウィンらしい光の影（カボチャや魔女など）が映るとか？　街全体をカボチャ型の提灯やランプが照らします。
　仮装した状態でカーニバル実行委員や店員に「トリック・オア・トリート」と言うとお菓子か粗品（ハンドタオルなど）がもらえる。

　他にも店独自の仮装特典がある……かも？　掲示板を要チェック！

　仮装はお手製でもよいですが、貸衣装屋がありますのでお気軽にご利用ください。

●貸衣装屋――東西南北、それぞれにある入口や街の各所に設置。手数料（格安）を支払うと祭り開催中は何度も利用可能。どれにしようか迷っている方には店員からのアドバイスも。

【ジヴォートたちと観光！】
　ジヴォートの滞在予定は３日間（初日のみ午後から）。イキモさんは仕事もありますので、ちょこちょこ姿を消します。
　街の入口に設置された貸衣装屋で仮装してから街を散策します。スタートは北門です。特にどこへ行くかは決まってない模様。
　なぜか元気のないジヴォートを元気付けてあげてください。
　プレジさんはほぼ黙って傍に控えてますが、怒っているわけではないのでよければ彼もかまってあげてください。

　ＰＣさんたちのお店を巡ったり、ＮＰＣの店（街詳細に載っている施設。他にもアクション内に記載いただければ有り得ないものでないかぎり描写します）を冷やかしたり、街の景色を眺めたり、喧嘩に巻き込まれてみたり、ただひたすらにＮＰＣをからかうのも有です。

　また、ドブーツ君がアガルタにやってきます。電話では断ったもののジヴォートを見守るべく後方からついてきます。あくまで見守るだけで、無理やりに引きずるとかしない限り、自分の意思でジヴォートと合流することはないでしょう。

【カーニバル運営を手伝う！】
　楽しいお祭りですが、そのぶん普段より大勢の人間が集まり、そして人が集まれば楽しすぎて羽目を外しすぎたり、犯罪に巻き込まれたりする可能性も高まります。
　街の指令部（役所）では、例のごとく運営のお手伝いを募集。
　お手伝い希望の方も仮装ＯＫ！ 分かりやすいところに運営委員の名札をつけてください。
　また『トリック・オア・トリート』と声をかけられたらお菓子を上げてください。何をあげるかは自由ですが、いたずらされるという選択肢はいけません……いけませんぞ！

　主な役割は警備や道案内です。道に関してはあらかじめ講習などもありますので、街に初めて来た・不慣れだという方でも道案内していただけます。
　貸衣装屋でも人材募集。貸衣装屋では接客や手続き、または悩んでいる人にはコーディーネートしたりして、お客さんを楽しませてあげてください。

※他にもいろいろな形でのお手伝いさんを募集！
●お手伝いの例→着ぐるみを着てお客さんを楽しませる、アナウンスをするなど

【お店を経営・出店する！】
　新たに店を出店される方はまだまだ募集中です。すでに出されている方はそちらでアクションかけていただいてかまいません。
　増改築も可能です。お祭りですので、一時的な開店（露店）もＯＫ！
　今回はハロウィン・カーニバル開催ということで、仮装特典サービスをしてくれる店も募集（強制ではありません）。
　仮装特典を出していただける場合、掲示板などで書き込むと他の方がアクションをかけやすいと思いますので、よければぜひご利用ください。
●仮装特典の例→仮装していたら値引き、粗品がもらえるなど

※出店について
　常に店にいる必要はありません。雇った名無ＮＰＣに任せてもいいですし、気が向いたときだけ開く、と言う形でもかまいません。店を休んで観光してみたり、他のお店と協力してイベントを企画してみたり……お気の向くままにどうぞ。
　掲示板で店にいるかどうか書き込むと、他の方が行きやすいかもしれません。
　出店地区や説明はこちらで考えていますが、どうしてもこの場所がいい。どうしてもこの説明は書いてほしい、などがありましたらアクション内にご記入ください。
（アクションの書き方はサンプル４『アガルタに出店する！』を参考にしてください。あくまで一例ですので、必須の箇所が明記されていれば問題はありません）

　また出店者には店名の入った称号を送らせていただいております。
※称号は基本『キャッチコピー＋店名＋役職』でつけさせていただいてますが、キャッチや店名などが長く入りきらない場合は一部省略か店名のみとなります。

【その他】
　上記とは違うアクションももちろん可能です。
　ただ当然ながら場所はアガルタ内に限ります。

　ジヴォートたちとは別で街を散策したり、ハプニングに巻き起こしたり巻き込まれたり、コウモリ男に仮装して気分が高まって「あいきゃんふらい！」したり、ご自由にどうぞ。

　皆様の楽しいアクションをお待ちしております。

・ジヴォートを励ます！

・ドブーツにかまう！

・運営委員会のお手伝い！

・アガルタに出店する！