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煌めきの災禍(後編)

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煌めきの災禍(後編)

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シナリオガイド

もう悲しいことは沢山だ! 護れ、護り切ってくれ!!!
シナリオ名:煌めきの災禍(後編) / 担当マスター: 黒留 翔

 封印の洞窟内部。
 銀髪の青年ソーン・レナンディは杖の先をカイ・バーテルセン(かい・ばーてるせん)に向けたまま、落ち着いた声で問いかけます。
「僕が『灰色の棘』の首謀者だと分かった今、君はどうします? 戦いますか?」
 ――『灰色の棘』。それは以前、族長であるハーヴィ・ローニを攫うことで、妖精の集落「フラワーリング」を危機にさらした集団でした。その彼らが頭として慕う研究者の正体は、集落の学校に赴任してきたソーンだったのです。
「……とりあえず外に出よう」
「良い選択ですね。戦うにしても逃げるにしても、お互い開けた場所の方がやり易いでしょう」
 ソーンは微笑を浮かべて頷くと、杖を下ろしてカイを先に行かせます。そして後ろから電動車椅子を押しつつ、その背中に付いて行くのでした。
 車椅子に乗っている黒髪の少女は、かつてある実験によって生み出された機晶精霊『煌めきの災禍』です。彼女は精霊の魂と機晶姫の身体を持っていましたが、暴走の末自我を失くし、何千年もの間この洞窟内に封印されていました。今も頭に制御装置をはめられて意識を失くしている上に、つい先ほどその過去の記憶までもがソーンによって消去されてしまったのでした。
「……! お前さんたち!」
 眩しさに目を細める暇もなくカイの目に飛び込んできたのは、洞窟の入り口に立ち尽くしているハーヴィと、その周囲を取り囲んでいる『灰色の棘』のならず者たちでした。そこに居たのは十人程度の男たちと、機晶兵がほぼ同数。機晶兵の中には他のものと明らかに異なる、かなり人に近い外見を持つ女性型の物が一体だけいるようです。
「お頭ぁ! さっさと飛空挺にそいつ積みこんで、ズラかりやしょうぜ」
 そうソーンに呼びかけた男のポンチョには、背中に『灰色の棘』の文様が描かれています。
「まだです。僕はまだ族長さんと話すことがあるんですよ」
「ソーン、お前さんが、本当に……」
 ハーヴィは未だ信じられない、という表情でソーンを見つめていました。
「単刀直入に訊きます。もう一つの方の機晶石の在り処を教えて下さい」
 ソーンは極めて淡々とそう尋ねましたが、それを聞いたハーヴィの方は目を見開いて顔に驚愕の色を濃くしたかと思うと、すぐに憤怒の形相を浮かべました。
「それを聞いてどうするつもりじゃ。その娘のことだって、好きにさせる気はないぞ」
 車椅子の上で身じろぎ一つしない『煌めきの災禍』の方を見やりながら、ハーヴィは込み上げてくる様々な感情を抑えられなくなっていました。
 一方のソーンは顔色一つ変えずにその様子を眺めていながら、やれやれといった感じで溜息を吐きます。
「僕が全く目星をつけていないとでもお思いですか。貴女が教えないと言うのなら、無理やり奪って行きますよ? 肉体を失ってなお、森と姉の両方を守り続けてきた、弟の機晶石をね――もっとも、その役目ももう終わったはずですが」
「――!!! じゃあ、つい先程から我の結界が不要になったのも……まさか……」
 ハーヴィの顔が血の気を失くして青褪めていきます。
「ええ。貴女の旧友は過去の呪縛から解かれ、まっさらな機晶精霊となりました。感謝して貰いたいですね。貴女方が愛した森もほら、『煌めきの災禍』の影響を受けなくなって平和そのものになりましたよ」
「お前が! リトを殺したのか!!!」
 ハーヴィの声は、もうほとんど叫び声に近くなっていました。
「嫌だな、記録を消去しただけですよ。僕は殺しは嫌いなんです」
 その言葉を聞くと、思わずハーヴィは拳を振り上げてソーンに向かって行こうとしました。
 しかしカイはそれよりも早く動くと、背負っていた槍をソーン目がけて薙ぎ払います。瞬間、間に入ってその攻撃を弾いたのは、銀色の髪を後ろで束ねた美しい女機晶兵でした。
「H−1、手加減して下さいよ。カイ君や族長さんを殺してしまったりしたら、寝覚めが悪いどころじゃありませんからね」
 ソーンの言葉にゆっくりと頷いてから、その女機晶兵は二刀流の構えを取ります。
「カイ、あの娘を連れて逃げてくれ! 頼む、我の足じゃどう頑張っても追いつかれるんじゃ!」
「そんなことしたら族長が攫われるでしょうが! どうせあいつら、族長のことだって研究材料としてしか見ていませんよ。モルモットになんかなりたくないでしょう!?」
 『煌めきの災禍』を逃がしてくれと泣いてすがるハーヴィに、カイも負けじと声を張り上げます。
(どっちも守ろうとして両方失うより、どちらか一方だけでも死守すべきなのか――? くそ、ここに来てどっちかを見捨てるなんてこと、出来るわけないだろうが……!)


 果たしてハーヴィと『煌めきの災禍』はどちらも攫われず、事なきを得るのでしょうか。この戦いの行方はまだ誰にも分かりません――。

担当マスターより

▼担当マスター

黒留 翔

▼マスターコメント

黒留 翔です。よろしくお願いいたします。
恐らく、今回は主にバトル回になると思われます。
なお(後編)と付いていますが、前編に参加されていなかった方でもお気軽に参加して頂ければと思います。


■敵について■

・ソーン・レナンディ……特別強いわけでもなく、自ら戦う意志は持っていません。しかし機晶兵たちを造った(正確には一から造ったわけではなく、パーツを繋ぎ合せたり改良したりした)のはソーンであり、携行している杖にも改造が施されています。杖の先からは炎が飛び出る他、単体の敵に対しては石化等の状態異常を起こす光を照射することが可能です。

・女機晶兵……ソーンには「H−1」と呼ばれている、妙に人っぽいアンドロイド。基本的にソーンを守ることを第一義としています。素早い身のこなしと二刀流が特徴で、かなりの戦闘能力を誇るようです。

・機晶兵たち……ソーンに改造された機晶兵です。防御と言うよりは攻撃用に特化されており、主な攻撃は銃で行います。うち2体は飛行可能なタイプ。

・ならず者……戦闘能力はさほど高くありませんが、元々チンピラだったこともあってか、割と何でもアリな戦闘スタイルです。


■その他登場人物■

・カイ・バーテルセン……戦闘能力は高くもなく、低くもなくと言ったところ。ですが、あまり積極的に戦おうとするタイプではありません。今回、基本的にはハーヴィの言葉に従って『煌めきの災禍』を守る役目に徹する予定ですが、逆に『災禍』を守る協力者が多くハーヴィの周りが手薄になっていた場合は、そちらを優先的に護衛します。

・ハーヴィ・ローニ……腕力が無いので戦いは苦手。おまけに逃げ足も遅いです。いくつか知っている魔法はありますが、洞窟入り口に結界を張っていたことで力を消耗し、余力が残っていません。背丈は小柄で体重も軽いので、担いでそのまま攫われる危険性も……。

・『煌めきの災禍』……現在、頭にはめられた制御装置により、一時的に身体機能を停止している機晶精霊。装置を外せば覚醒すると思われますが、それを敵に囲まれた状況下でむやみに行うのはかなりのリスクが伴います。意識はありませんが、背負ったり担いだりして連れて行くことは可能です。


■集落パート■

集落の発展を続けたり学校で活動したりといった、
フラワーリング内でのアクションを投稿して頂くこともできます。
ただし今回NPCのカイを含め、黒留シナリオに出てくる名前付きの登場人物は皆封印の洞窟付近に集合しているため、集落パートは「一方その頃……」的な扱いになると思われます。ご了承ください。。

なお、現在建設済みの建物に関しては以下の通りです。

学校/子ども園/倉庫、水車/宿泊施設/洋服店
(学校に図書室と職員室、保健室、子ども園に遊戯室は設置済み)

集落の妖精たちはツリーハウスやログハウスなどで生活していますので、普通の家や店舗サイズの建物なら特に問題なく建てることが出来ます。
ただし集落は森に囲まれているため、あまり広大な面積を要するものに関しては建設が困難となります。

集落周辺に関する地図はマスターページに載っていますので、気になる方はそちらをご覧頂いて、「何となくこんな感じ」というのを掴んで頂ければと幸いです。

▼サンプルアクション

・機晶兵と戦う

・ハーヴィを守る

・ソーンを狙う

・対話してみる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年12月17日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月18日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月22日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年01月03日


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