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訪れた特殊な平行世界

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シナリオガイド

とうとう現れた名も無き旅団の目的地、近くて遠い場所
シナリオ名:訪れた特殊な平行世界 / 担当マスター: 夜月天音

 本日晴天、時々侵食。
 上空に現れた黒々とした空間が青空、雲、鳥などを貪りパラミタ全土に広がり、最後はこの世界の全てを食べ尽くすまで終わらない放浪する特殊な平行世界。

 イルミンスール魔法学校前。

「ロズと名も無き旅団から集めた情報から打ち出した期間内に訪れてくれるとはありがたい」
「ですねぇ。前に約束した通り名も無き旅団がこっちに到着したと連絡が来たですよ」
 アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は空を見上げながら状況とは裏腹に案外のんびりとしていました。
「後はあの特殊な平行世界の接近を勘付き、彼らに取り憑いた知的生命体が離れてこの世界の代わりに旅の記憶を向こうに渡して完了じゃ。侵食されたとしても新たに大量の記憶を食べさせて先に食べた物を吐き出させれば問題無い、と平行世界に存在した手記には記されておったし安心じゃな」
「たくさん必要になるかもしれないと思って念のために調薬探求会と調薬友愛会も呼んだですよ」
 のんびりしているのはすっかり対策を終えているからです。
 しかし、物事はそう簡単に進まないのが定石。それは今回の事にも言える事でありました。

 覚悟を決めた通り。

 名も無き旅団は以前この地を訪問した際にエリザベート達と結んだ約束を守っていました。
「ようやく私達から精神体が離れ近くて遠い場所に向かうようですね。これで自由に旅が出来ます」
 リリアンヌは自身や他の四人の体から命と繋がっていた糸が切れ、自由になると同時に青白い光が漏れ出し五つは一つになりました。
「……お疲れ様、ねぇ。本当にあたし達の長い長い旅もようやく終わりね手記もいつの間にか消えてる。旅をやめられる」
 ジナは精神体が離れる瞬間に感じた労いの言葉を口にしつつ飛翔する一筋の光を見上げ手にいつもの感覚が無い事に気付きました。
「頭にあったたくさんの旅の記憶が全部無くなって残ってるのは自分の記憶だけ。たくさんあった旅の記憶がなくなったのは悲しいけど今度は自分の旅をするんだ」
 ラールは欠落した記憶に戸惑いながらも慌てる様子はありませんでした。
「……ようやくじゃな。全て終えたら彼女を旅に誘い共に旅をしたいのう。儂の寿命がわずかだとしても」
 ガスタフは顔色悪く疲れ滲み出る様子で空を見上げつつ以前この地を訪問した際に再会した魔法中毒者ミモラとの旅を夢見ていました。
「メンバーに不安があるからしばらくは付き添ってやる。戦える奴がいた方がいいからな……って、おい、あの赤色の光は何だ。俺達に取り憑いてた奴から分裂したぞ。しかも俺達の記憶だけじゃ足りないみたいだぞ」
 考えあぐねていた今後を決めたムヒカが青白い光から分裂する形で一筋の赤い光が上空を飛び回る様子を発見すると同時に自分達の旅の記憶を食べても食事が終わらない事に気付きました。

 対立する通り。
 通りで状況を見守っていた名も無き旅団のファンユリス・カガツから連絡を受けたエリザベート達はすぐさま両調薬会に知らせを入れました。

「まずい事になったみたいだね。この改良した記憶素材化レシピで作製した魔法薬の出番かな。緊急時の協力条約の下、力を貸して貰うよ」
「……えぇ。分かっています。しかし、その魔法薬……」
 調薬探求会の会長シンリは調薬友愛会の会長ヨシノに指示を出します。以前に結んだ条約の名の下に。
「改良して素材化して回収しても記憶は消えない、時間経過で素材化した記憶が現れそして姿を消すため解除薬いらずに形状はここの校長達の希望通りふたを開けた途端、霧状になるタイプで町中に行き渡るようにした上にあの特殊な平行世界に反応し光となり昇華する。頼むよ、そちらも消えたくはないだろう。ふたを開けて気化する場所は後で指示を出す。足りなければ知らせを入れてくれたら作るよ。そちらが作るのは無理だろうから」
 シンリは魔法薬の説明をしながら液体の入った幾つかの瓶を取り出し、ヨシノに押しつけました。
「……良い気分ではありませんが、分かりました。しかし、あの赤色の光、知的生命体から分裂した物を何とかしなければ」
 対立する調薬探求会と協力するのは嫌ではあるが、今は仕方が無い状況のため言い争いはせず、上空を駆ける赤い光に注意を向けました。
「あれはこちらが担当するよ。捕縛は出来ても消すには何か特殊な魔法薬が要りそうだからね。それじゃ……」
 シンリは手間が掛かる物を自ら引き受け、記憶素材化魔法薬の散布場所をヨシノに伝えてから自分の役目を全うするべく行動を開始しました。
 調薬友愛会も記憶収集へと速やかに活動を始めました。

 犯人達の通り。

「……あの時と同じだ」
 双子の保護者ホムンクルスのロズは特殊な平行世界をこわごわと見ていました。服装は以前とは違い姿明らかな物だが自分が生まれると同時に製作者と別れた時の事は忘れてはいないようでした。
「ロズ、ここはお前のいた所と違う。何も心配ねぇよ」
「そうだぞ。さっさとオレ達も協力するぞ。旅団に関わった者として放って置く訳にはいかないしな」
 ロズの事情と名も無き旅団結成も知る双子の兄ヒスミ・ロズフェル(ひすみ・ろずふぇる)と弟キスミ・ロズフェル(きすみ・ろずふぇる)はロズを励まし真面目な顔をしていました。
 その時、
「キスミ、ロズ。あれを見ろよ。知的生命体から分裂した赤い奴が記憶を食べてるみたいだぜ」
 ヒスミが空を指さしました。調薬友愛会の活動で記憶提供をした者達のカラフルな記憶が空を駆けるが赤光に貪られ侵食する特殊な平行世界に届いていません。
「うわぁ、記憶食いかぁ。すげぇ」
 キスミがとんでもない状況に声を上げました。記憶を一つ食べた赤光は分裂し、二つになってしまいました。
「……もしや(以前廃棄した物に予想外にまずい物が入っていたのか、それとも廃棄者不明の廃棄物に何かあったのか……)」
 ロズは空を見つめながら原因に考えを巡らしていました。ロズの考えはまさに的中。エリザベート達が明らかに出来なかったが、知的生命体の一部である廃棄者不明の廃棄物の生まれが魔法中毒者ミモラと調薬探求会が出した記憶素材化レシピの廃棄物の合体物である事が原因です。
「食べた記憶の分だけ、増えるって感じだな」
「やばいぞ」
 双子は知的生命体から別れた赤光を見上げ大騒ぎしていました。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 今回は前回に続き名も無き旅団シナリオとなります。そして、特殊な平行世界の訪問と名も無き旅団最後の時となります。皆様のお力で何とか危機を退けて頂き、名も無き旅団に新たな始まりを与えてあげて下さい。
 ユリスや名も無き旅団や特殊な平行世界についてはマスターページ前シナリオの『現れた名も無き旅団』の【名も無き旅団についての情報収集の結果報告】を参照下さい。

【対特殊な平行世界用に改良した記憶素材化レシピについて】
・改良して素材化して回収しても記憶は消えない。
・時間経過で素材化した記憶が現れては姿を消すため解除薬いらず。
・外見は改良前と同じく幸せな記憶ほど明るいカラフルな植物。
・素材を抜くと同時に特殊な平行世界に反応して光になり自動的に目的地に向かう。
・前回同様素材に触れると同時に素材化した記憶を読み取る事が可能。
・魔法薬の形状はエリザベート達の希望もあり液体で空気に触れた途端霧状になるタイプのため吸引すると素材化が始まる。

【特殊な平行世界の対処について】
対処方法はこの世界と同等量の記憶を食べさせて退いて貰うという至って簡単なものです。
侵食された場所はアーデルハイトの言葉通り食べ過ぎを起こさせて吐き出させれば問題ありません。

【青い光と赤い光(記憶食い)について】
・青い光
名も無き旅団の結成からこれまでの記憶を有していたものですが、特殊な平行世界の食事に無事になりました。

・赤い光(記憶食い)
見た目は赤色の光で素材化した記憶に反応して貪りに行きます。記憶一つ食べる事に新たに一つ記憶食いが増え、皆様の記憶が特殊な平行世界の食事になるのを邪魔します。捕らえて何とか消滅して下さい。
生まれた原因はロズの言葉通り知的生命体を形成する一部の廃棄物であり黒表紙の手記には記載は無く発生しなかった模様です。

【活動場所について】
特殊な平行世界はパラミタのどこにいてもその姿を見る事が出来ますので活動場所はパラミタのどこでも構いませんし、必要であれば夜月NPCを協力者として登場させても構いませんが、アクションに記載をお願いします。

【活動について】
・記憶提供
記憶を提供して特殊な世界を退けるお手伝いをして下さい。抜くために素材に触れる際は素材化した記憶を読み取る感じになりますので少しだけ感慨に耽っても構いません。

・雑務
記憶食いの捕縛、両調薬会の手伝いや避難誘導、名も無き旅団と関わったり成り行きを見学など記憶提供以外でのサポートもよろしくお願いします。

【両調薬会の動向について】
会長二人はイルミンスールですが、残りの会員は他の地に散っています。

・調薬友愛会(これまで登場した者達と未登場の者達)
記憶素材化魔法薬の散布活動や避難誘導など人優先の行動を取ります。

・調薬探求会(これまで登場した者達と未登場の者達)
記憶素材化魔法薬の不足分と記憶食い消滅の魔法薬の製作など調薬優先の行動を取ります。

※同行希望者がいれば一緒に行動します。

【エリザベート達とユリスと双子達の動向について】
・六人ともイルミンスールにて記憶提供をします。分量としては魔女のアーデルハイトと数多の平行世界を渡り歩いたロズが多いと思われます。

※記憶提供以外は、それぞれ状況を見て活動する予定ですので同行希望者がいれば一緒に行動します。

▼サンプルアクション

・記憶提供

・雑務

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年06月05日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年06月06日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年06月10日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年06月20日


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