蒼空学園

　夏。
　毎日うだるような暑さが続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
　パラミタの各地でも、熱中症や夏バテによる体調不良が出ております。

　というわけで皆さん！　冷房が効いた部屋に籠ってないで、外に出ませんか？

　イルミンスール魔法学校近郊の森の中で、肝試し大会の計画が持ち上がっています。主催者はイルミンスール魔法学校の生徒で、仕掛けもメイクも彼らが担当します。参加したい方はふるって参加いただければと思います。あなたに背筋が凍る体験をお贈り致します。
　……と、いいたいところですが、問題が発生しました。
「や、辞める？　なぜだ！　昨日まであんなに乗り気だったじゃないか！　マスクやあんな衣装まで買って！」
「あ、ああ。そうなんだが……気が変わったんだ」
「そんな理由でせっかくのイベントを抜けるのか？　お前はそんな腑抜けじゃないだろう！」
「そう言ってくれるのは嬉しいんだが……」
「何があった！　誰かに何か言われたのか？」
「いや、そうじゃないんだ。説明したいんだが、きっと信じてくれない」
「？？？」
「とにかく、すまねえ。俺は抜ける。見ちまったんだ。続けるなら止めないが、気をつけろよ」
　なんと、仕掛け人たちが続々とイベントへの参加を辞退。それどころか、イベントそのものを中止すべきという意見も出ています。
　しかし、今更後には引けません。すでに告知は簡単に止められないまでに広がっており、各校、各市町村でもその話題で盛り上がっています。もちろん魔法学校内でも、
「俺、絶対行くからな！　とびきりすっげえの期待してるぜ！」
なんて言って肩を叩かれます。

　そこで急きょ、オバケ役を募集します。

　あなたの持つスキル、道具を駆使して、参加者を怖がらせてみませんか？　簡単な道具やメイクは魔法学校側でも大体用意できますので、突然怖気づいたコシヌケどもに代わって、この肝試し大会をぜひ成功に導いてください！
　急な依頼ですのでいろいろなアクシデントもあるかと思いますが、主催側も全力でサポート致しますので、なにとぞお願い申し上げます。

　なお、会場付近の森には、昔からそのテの都市伝説レベルな噂があります。
　気が付くと人が一人増えているとか。すぐ耳元でクスクス笑い声が聞こえたりとか。闇の中で突然腕を掴まれるとか。
　そこでは昔、仲良しの女の子たちが魔物に襲われて命を落としてしまい、その霊がいろいろな霊を呼び寄せているとか。

　今回、抜けていった実行メンバーたちも、そんなことを言っていました。

　くすくす、おかしいですねえ。そんなこと、あるわけないのにねえ？　くすくす、くすくすくす……

　シンプルなガイドでしたが、内容としては参加者を色々なスキルやギミックを駆使してアッと驚かせてあげましょう、という企画です。
　オバケ側としての参加を求めておりますが、もちろん肝試しをしたいという方も大歓迎です。
　舞台は肝試し大会当日。時間は夜。場所はイルミンスール魔法学校近郊の森、学校南側の森の入口がスタート地点で、学校の周りを周るように半周し、北側の森の入口がゴールです。なお学校側もイベントの協力していただき、事前に森の中で魔物たちを追い払っているため、魔物は出現しません。
　今回のイベントの特殊ルールは、以下の通りです。

１、肝試し参加者に対してはダメージを伴う攻撃を仕掛けないこと。ただし威嚇は、度を過ぎなければ可。幻惑、催眠等の精神攻撃は不可です。
２、動物や魔物を殺して成り立つ演出は不可です。人形や模型は用意してありますので、やるならそれを使ってください。
３、肝試し参加者の皆様へ。エライことになりますので仕掛け及び森への無差別攻撃はしないでください、

　以上になります。
　なお、今回は主催者側が準備の途中で激減したため、以下のアクシデントが予想されます。（確実に発生しますが、予想されるという体でお願いします。対応する、しないはプレイヤーの皆様にお任せします）

ケース１　魔法系スキルの暴発。ヒトダマを作ろうと火術を使った生徒の術が突然爆発して周囲の仕掛けや小道具を破壊してしまいます。
ケース２　イベントを知らない契約者二人組の乱入。おどかしたらガチで攻撃されます。（二人とも少女です。装備は攻撃力の低い銃）
ケース３　参加者のコースアウトによる行方不明。出来る限り期日には間に合わせたつもりですが、やはり役員が少ない以上、作りが甘い部分があります。矢印や壁などを作って誘導してはいますが、それに気付かずに明後日の方向へと行ってしまいます。それはそれで怖い思いをさせてしまいますので、発見したらやさしくコースに戻してあげましょう。

　以上になります。少々ややこしい設定で申し訳ありませんが、参加していただければと思います。

　……え？　本物の幽霊？
　やだなあ。そんなものいるわけな……あれ？　今、何か聞こえた様な……。

・バッチリメイクしてもらって、物陰に潜んで待機。

・色んな物が壊れたのでサポート。

・コースから外れていく参加者を発見。