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シャンバラ独立記念紅白歌合戦

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シャンバラ独立記念紅白歌合戦

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シナリオガイド

私の想いを、聞いてみてください。あなたの想いを、聞かせてください。
シナリオ名:シャンバラ独立記念紅白歌合戦 / 担当マスター: 猫宮烈

 
 様々な想いの交錯、そして、身を切り裂くような決断を経て、シャンバラは今、アイシャを国家神とする独立国家として、パラミタに成立を果たしました。
 
 最期までシャンバラのために尽くしたアムリアナの死を、人々は嘆き悲しみ、そして称えます。
 アムリアナの意思を継ぐと宣言したアイシャ、そして彼女のパートナーとして、彼女と共にシャンバラを支えると誓った高根沢 理子(たかねざわ・りこ)セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)に、人々はシャンバラの未来を託したのでした――。
 
 
「年越しといえば、紅白歌合戦よね!」
 
 それは、理子のそんな一言から始まりました。
 
「コウハクウタガッセン? リコ、それはなんなのだ?」
 セレスティアーナとアイシャが、首をかしげながら理子に問います。
 
「紅白歌合戦はね、その年を代表する歌手が赤組と白組に分かれて、歌で競い合いながら、今年一年こんなことがあったね、って振り返るお祭りなの。
 赤組が女性で、白組が男性ね。赤と白なのは、ほら、日本だから」
「はぁ……紅白歌合戦については分かりましたけど、それが一体――」
 
 アイシャの言葉を遮って、理子が宣言するように言い放ちます。
 
「ここパラミタでも、紅白歌合戦をやろうかなって。
 ほら、シャンバラが独立国家として成立したってことは、その中心にいるあたしたちは『その年を代表する人』なわけ。
 他にも各学校の校長、それにたくさんの人達が関わってるから、みんなその年を代表する人なんだけどね。
 で、その人達に歌ってもらったりしながら、今年一年こんなことがあったね、って振り返れる機会を設けられないかな、って」
 
 今年、2020年は、シャンバラが国家として成立した元年。
 そこには多くの人々が関わり、そして、多くの想いがぶつかり合い、弾け合いました。
 
 残り数日しかないけど、その中で何か一つでも、シャンバラの歴史に残るようなイベントをやれないか。
 セレスティアーナとアイシャの反応を伺う理子の胸中には、口にした言葉とはまた別に、色々な想いを抱えているであろう人達に、“解放”の機会を与えてあげることが、次の一歩を踏み出すのに必要なんじゃないか、という思いがありました。
 
「うむ、私は構わぬぞ!
 ステージで堂々と、私の声を響かせてくれるわ!」
「いや、あたしたちは歌わないけどね? あたしたちはほら、審査員で」
 理子の言葉に、セレスティアーナがむぅ、と残念そうな表情を浮かべます。
「……どうかな? アイシャ」
「そう、ですね。分かりました、各学校に打診してみましょう」
 
 微笑んで頷くアイシャ、その胸中には、まずはこの機会を始めとして、これからは自分がシャンバラの国家神として、この地に住む人々に生きる活力を与えることが出来るように、という思いがありました――。
 
 
 すぐさま、アイシャを通じて各学校に、『シャンバラ独立記念紅白歌合戦』の開催と協力をお願いする旨が通達されました。
 胸裏には様々な思惑を抱えつつも、この場で足並みを乱し、国民にいらぬ不安を与えることは利さないと判断した各学校は、協力を約束する旨をアイシャに伝え、生徒たちに紅白歌合戦への参加を呼びかけました。
 
 一方理子は、北条 真理香を通じて日本政府に、開催中の会場の護衛をお願いできないか打診します。
 想定外の事態が起きつつも、形式的には日本主導でシャンバラ独立が為されたこと、余談ながら地球での紅白歌合戦は他のお正月番組に押されてすっかり下火になっていたことから、日本政府は即座に国家プロジェクトとして予算を計上し、必要な人材や装備――そこには自衛隊のイーグリット『ヤマトタケル』も含まれていました――を送り届ける旨を伝えてきました。
 
 
 そして、『ろくりんピック』でも使用された空京スタジアムを会場に、審査員にアイシャ、理子、セレスティアーナを迎えて、史上最大の紅白歌合戦が幕を開ける……はずでした。
 
「おいおい、ちょっと待ってくれよ。
 ただでさえ白組の参加が少ないような気がする中、審査員まで女性だらけじゃ勝ち目がねぇだろ!
 つうわけで俺たちも審査員として加わらせてもらうぜ!」
 
 アイシャたちの前に、山葉 涼司(やまは・りょうじ)金 鋭峰(じん・るいふぉん)が姿を見せます。
 
「勝負事には厳正な判断を下せる審査員が必要である。私が適任であることに、異論はなかろう」
『……私も参加させてもらおう』
 二人だけかと思われていましたが、どうやらコリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)も審査員として加わるようです。
 なお、ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)は既に歌い手として出場する手続きを済ませており、アクリト・シーカー(あくりと・しーかー)は個人としては参加を辞退しているとのことでした。
 
「ふむ、学校の校長が出とるのに、私らが出ないのもおかしな話じゃ。というわけで、私らも審査員に加わらせてもらうぞ」
「わっちの心に響く唄を聞かせるでありんす!」
「あ、えっと、その……が、頑張りますっ」
 
 今度は、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)桜井 静香(さくらい・しずか)がアイシャたちの前に姿を見せます。
 
「ちょ、ちょっと待ってよ。男性3人女性3人で審査員、それはいいわ。
 じゃあ、あたしたちはどうするの?」
「……アイシャ様。『歌って踊れる国家神』を目指してみる気はございませんか?」
 
 理子の疑問に答えるように、『歌って踊れる魔法少女 TTS』のメンバーであるティセラ・リーブラ(てぃせら・りーぶら)パッフェル・シャウラ(ぱっふぇる・しゃうら)セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)リフル・シルヴェリア(りふる・しるう゛ぇりあ)、さらには『歌って踊れる国会議員(予定) 【M】シリウス』のメンバーであるミルザム・ツァンダ(みるざむ・つぁんだ)が進み出、アイシャに恭しく頭を垂れつつ誘いの言葉をかけます。
 
「……それは、人々に勇気を与えられるものですか?」
「ええ、もちろんですわ」
「……分かりました。私はよく分からないので、あなた達にお任せします」
「お任せいただき、ありがとうございます。では皆様、開場のご挨拶が終わりましたら、どうぞあちらへ」
 
 アイシャの言葉に頷いて、ティセラが一行に控え室を示した後、一旦その場を引き上げます。
「おぉ、私もステージで歌って踊れるのだな! 皆、私の美声に跪くがよい! はーっはっはっは!」
「え、も、もしかしてあたしも!? ……はは、ま、みんなが楽しんでくれるなら、いっかな……
 
 自信あり気に高笑いを見せるセレスティアーナの背後で、苦笑いを浮かべた理子が、心に呟きます。
(ジークリンデ……あなたならきっと、来てくれるわよね?
 パートナーでなくなっても、あたしたちはいつでも、いつまでも、友達だからねっ)

 理子は、東京で再会を果たしたジークリンデにも紅白歌合戦への招待状を送っていたのでした。
 
 
「ぶぅ〜、大ババ様は私をこんな所に座らせて、何させるつもりですかぁ」
 審査員席より少し離れた場所で、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)がぷぅ、と頬を膨らませて訝しげな表情を浮かべます。
 隣にはミーミル・ワルプルギス(みーみる・わるぷるぎす)が、初めて見る会場に呆然とした表情で見入っていました。
 
「……嫌ね、その声を聞いて安心した私がいたわ」
 
 そこに聞こえてきた声に、ミーミルがハッとして振り向き、エリザベートがびくっ、と身体を震わせます。
「環菜さん! しばらく見ませんでしたから、どうしたのかと思ってました。ほらお母さん、環菜さんですよっ」
「……ほ、ホントにカンナなんですかぁ? 大ババ様のイタズラとかじゃないですよねぇ?」
「失礼ね、幽霊じゃないわよ。……まあ、そう思うのも無理ないわね。私は一度死んでるから」
 環菜の言葉にえっ、と声をあげるミーミルの隣で、エリザベートが振り返り、そこにいた御神楽 環菜(みかぐら・かんな)の顔を見て、一瞬喜ぶような表情を見せた後、直ぐにぷい、とそっぽを向いて意地を張るような態度を見せます。
「ふ、ふんですぅ。別にあなたが生き返ったところで、嬉しくもなんともないですぅ」
「あ、あの、一体どういうことでしょう?」
 
 かくかくしかじか、と環菜から説明を受けたミーミルが、納得したように頷きます。
「そうでしたか……あの、それでルミーナさんは?」
「ルミーナはまだナラカにいるわ。……ルミーナは必ず、私が連れ戻してみせる」
 強い表情のまま、環菜が言葉を続けます。
「今日ここに来たのだって、シャンバラ独立を祝うためもあるけど、今日という日を契機に、自分を見つめ直してやるべき事を明確にする意味もある。
 涼司君から聞いた程度だけど、シャンバラ独立の時だって、色々あったそうじゃない。
 だから、ここにいる人達も少なからず、迷っている部分があるのかもしれない」
 実際どうかは分からないけどね、と呟いて、環菜が思い出したように言います。
「そういえば、いつの間にかイルミンスールが浮いてたわね。元蛇だった竜が住み着いてるって話も聞いたけど?」
「そうですよぅ。ユグドラシルに帰れなくて困ってたから、私が契約してやったんですぅ!」
 えっへん、と胸を張ったエリザベートが、次には彼女にしては珍しく、表情を翳らせて口を開きます。
「……私の力不足で、生徒を危険な目に遭わせてしまいましたぁ。
 私はイルミンスールの校長として、生徒の皆さんを守らなくちゃいけないって思うですぅ」
「お母さん……」
 エリザベートの言葉を聞いて、環菜がフッ、と笑みをこぼします。
「あら、あなたもようやく、校長としての自覚が出てきたのね」
「当たり前ですぅ! ナラカでサボってたあなたとは違うんですよぅ!」
「あんなのサボりの内に入らないわ」
 ミーミルを間に挟んで言葉を交わし合う二人は、どこか生き生きとしているようでした。
「では私は、お母さんと環菜さんがこうして仲良く出来るよう、二人をお守りします」
「……そうですねぇ。また死なれたら困りますからぁ、ちび、そうしてやりなさぁい」
「あなたには言われたくないけど……そうね、今だけは、そうさせてもらうわ」
「はい!」
 ミーミルが頷いたところで、会場がにわかに騒ぎ出します。
 用意されたステージには、アイシャ、理子、セレスティアーナの姿がありました。
 
「突然のことにも関わらず、これほど多くの方々にお集まりいただき、嬉しく思います。
 知っての通り、シャンバラは一国家として、独立を果たしました。
 しかしそれまでには、多くの苦難があり、そして、多くの想いがあったと思います」
 
 開催に向けての挨拶をしながら、アイシャはアムリアナのことを思い浮かべます。
(アムリアナ様……ぜひ、私たちの想いを、聞いてください)
 
「これより、『シャンバラ独立記念紅白歌合戦』の開催を宣言します!」
 
 歓喜に湧く空京スタジアムを舞台に、紅白歌合戦が幕を開けるのでした――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

猫宮・烈です。

今回のシナリオは、『戦乱の絆 第3回』で説明のあったように、シャンバラが独立国家として成立した流れを汲んでいます。

表向きは『サマーシーバケーション』の『メトロック』、『東西シャンバラ修学旅行』の『AKIHABARAM@STER』の流れを汲むコメディシナリオでもあるので、そのように楽しんでいただくのももちろん歓迎です。
歌合戦、とある以上は採点が存在します。今回の採点方法は、6人の審査員がそれぞれ10点の持ち点で判定します。

涼司・アーデルハイト・鋭峰・静香・ハイナ・コリマ
の順で、例えば、
8・7・6・5・4・3
のように記載します。

そして、赤組と白組の平均点をそれぞれ出して、どちらの組が勝利か、また、最高得点を出したのは誰かを決めたいと思います。


しかし、シャンバラ統一という結果にはなったものの、そこには数々の「これで本当によかったのか?」という想いがあることかと思います。
そうでなかったとしても、色々と思うことはあるでしょう。

今回の『シャンバラ独立記念紅白歌合戦』は、そういった想いの解放の場でもあります。
自身の想いを伝え、また、相手の想いに触れてみてください。
(サンプルアクションには、『歌う』以外の手段をあえて記載しません。
想いを伝える手段は、それだけで括れるものではないからです)


※当シナリオでは、外部勢力による武力の介入は想定していません。
(そのための日本政府の存在です。彼らは大和根性を見せてくれるはずです)
ただし、各学校に所属する契約者による武力の行使を防ぐ手立ては用意していません。
そのための対策を用意するということは、シャンバラ統一が本当は為されていないんじゃないかと思われかねないからです。

※紅白歌合戦のことは各学校から広く知れ渡っているので、シナリガイドに登場していないNPCも、
特別な状況下にある(封印されている、石になっているなど)、
国外に出てしまっている(瀬蓮とアイリスなど)、
もしくは判定の結果(環菜殺害に関わっているパルメーラとそのマスターであるアクリトは、出て来られないと判定されるでしょう)、
登場させられない場合がありますが、基本登場させることが出来ます。

審査員を担当している校長にも、一緒に歌いませんかと誘うことは出来ます。
ちゃんと審査員の代わりを立ててくださいね。


それでは、よろしくお願いいたします。

▼サンプルアクション

・歌う

・歌う!

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年12月30日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年12月31日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月04日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年02月08日


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