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魂の器・第2章~終結 and 集結~

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シナリオガイド

再会した少女達の果て。その後に待つ未来への道とは
シナリオ名:魂の器・第2章~終結 and 集結~ / 担当マスター: 沢樹一海

 ――第1章23P続き・ライナスの研究所―― (環菜復活前)

「……今頃はもう、着いてるかな?」

 モーナ・グラフトンは、キマクに居るであろうファーシー・ラドレクト(ふぁーしー・らどれくと)の事を考えながら窓の外に目を遣りました。この位置からでは太陽が見えず、空には薄い雲がかかっています。
「…………」
 諦めたように息を吐き、モーナはライナスに目を戻しました。作業台には、例のバズーカの外装部分がばらして置かれています。
 バズーカのチェックをしているのは知っていたが――1人でそこまでするか……!!!!!
「ライナスさん! たんまたんまーーーーー!!! 折角なんですから1人で楽しんでないであたし達にも見せてください!」
 心からの叫びが届いたのか、ライナスは手を止めて振り返りました。彼の機晶姫研究ノートを回し見ていた生徒達もぎょっとして2人に注目します。
「そうだな、ポータラカの技術――そう触れられる機会も無いからな。もう少し広い所で大勢が見れるようにするか。中には手をつけていない」
 そうして、ライナスはモーナに1つ確認します。
「さっきの話から考えると、ファーシーがここに来るのは明日以降ということになるな」
「あ、はい。彼女にはまだ何も伝えていませんけど……護衛の皆から事情は聞いているでしょうから、こちらから現状を伝えて、それからになるかと……」
「ふむ……確か君は、長期間滞在は難しいのだったよな」
 モーナが頷き、ライナスはしばらく何かを思案していました。やがて顔を上げ、その場の全員に向けて言います。

「では、さっき話が出たパーツ開発……あれも平行して進めていくか。現状を伝えるついでに、募集をかければいい」

「え? ライナスさん、でも……」
「ファーシーが来なければ進められない部分も多い。それに、早く来たら来たで色々と経験を積ませた方が良いようでもある。彼女はアーティフィサーなんだろう? 足りないエネルギーは、なるべく自分の力で補った方が後々弊害も無い。私達だけで進めるのも何だし、やるとなれば人手ももう少し欲しいからな。それに……」
「それに?」

「実を言えば、今、機晶姫専用のイコンパーツを造っているんだ。助手達と別室で開発研究している最中なのだが……こちらも手伝ってもらえれば、私としてもありがたい」

「い、イコンですか!?」
「イコン……」
「イコン……って、あのイコン……!?」
 その言葉に、居候中のポーリアとスバル以外の皆がびっくりします。モーナはライナスの提案について、ファーシーが合流するまでに何が出来るかについて考えます。やがて、頷きました。
「分かりました。じゃあ、直ぐに各学園に伝えましょう。他に協力してもらいたい事もありますし……」
 そして、モーナは連絡手段を確認します。ライナスは、屋上に1箇所だけ携帯が繋がる所があると言いました。自分は使わないが、以前に来た商人が根性で探し当てたポイントだそうです。
「俺が連絡するよ。ついでに、ファーシー達の現状も確認してくる」
 ファーシー側に双子の兄がいる風祭 隼人(かざまつり・はやと)がそう言うと、モーナは彼に伝達事項について話しました。隼人はそれを確認し、外に出て行きました。

           ◇◇◇◇◇◇

「なんですかぁ〜?」
 その頃、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は蒼空学園にて頬を膨らませていました。学園の事務職――冒険管理課のコネタント・ピーから『御神楽 環菜(みかぐら・かんな)について話がある』と連絡を受けてやってきたのですが、そこで待っていたのが――
「よお、パラミタのど○でもドア」
 と、出会い頭に失礼な、意味不明の言葉を投げかけてきたラス・リージュン(らす・りーじゅん)だったからです。彼はファーシーに、大荒野まで行ってライナス達に危険を伝えてほしいと言われていました。しかし、果てしなくめんど……もとい、果てしなく長距離であるが故に伝言が間に合わないという可能性もあります。何か短縮方法をと考えた末に思いついたのがエリザベートでした。

 そう、必殺・テレポートです。

 この素晴らしきかな能力を利用するために彼女をコネタントに呼び出させたわけですが、環菜をダシに使われた上に失礼な態度を取られてエリザベートは怒っていました。
「私を誰だと思ってるんですぅ〜。どこかの便利アイテムのように言わないでください〜。環菜と関わりが無いなら帰りますぅ〜」
「……環菜について、つーのもあながち嘘じゃないんだけどな」
 ラスは、環菜がファーシーの復活を色々とサポートしていた事、現在の生活の支援をしている事を説明した上で、ファーシーの脚を直そうと研究している技師達が殺されるかもしれないと言いました。コネタントが彼女に補足します。
「モーナさんは、護衛の生徒達と一緒に大荒野へ向かった筈です。だから大丈夫だとは思いますが……、狙われていると知っているかいないかでは結果が変わるかもしれません。協力してもらえませんか?」
「協力って、つまり、あなた達をテレポートで大荒野に連れて行くということですかぁ〜?」
「達……じゃないな。俺だけで……」
「コネタントさん、何か、調査依頼の電話が来たんですけど。ツァンダ近郊の」
 その時、コネタントが事務所の奥から呼ばれました。彼が引っ込み、1人減った中でピノ・リージュン(ぴの・りーじゅん)がラスに抗議します。
「また置いていこうとしてるー! あたしも行くよ!」
「今回ばかりは絶対駄目だ!」
 まあいつもの光景です。もう儀式みたいなものです。気にしないでください。さて、そこにコネタントが戻ってきました。何か難しい顔をしています。
「風祭隼人君からだったよ。また、モーナさんから依頼だね。イコン? と、ファーシー君関連なのかな」
 電話で聞いた内容をメモに取ったので若干雑ですが、コネタントはメモをその場の皆に見せました。


 ・機晶姫強化パーツ製造者募集(通常パーツ他、イコン用も)←ライナスさん家に集合。

 ・大荒野の廃研究所探索者募集←これもライナスさん家に集合。

 ・元ゴーレムの機晶姫製造所から壊れた機晶石(ファーシーの元の石)を回収してほしい。その為の人員を募ってほしい。←こっちはツァンダの森近く。



「さっぱり意味がわからないですぅ〜」
 エリザベートが言う。シリーズ5回目にして初登場なのだから致し方ない。
「あの石か……かなり細かく砕けた筈だけど……つーかあの製造所って原型留めてたか?」
「行ってみれば分かると思うよ!」
「…………」
 ピノはもう、行く気満々のようです。ラスは考えました。元ゴーレムの方なら近いし、妙な殺し屋も来なさそうです。
「分かった。とりあえず、俺はモーナの所に行ってくるから。伝言だけ伝えて、この依頼の真意を確かめて直ぐに戻ってくる。そうしたら、人が集まった時点で一緒に行こう。それまで待てるか?」
「……うー、うん、それなら……」
 まだ少し納得がいかない様子でしたが、ピノはしぶしぶ了承しました。
「ちょっと待ってください〜、私が行くのは確定なんですかぁ〜?」
「環菜に恩を売っておけば、後で色々便利じゃねーのか?」
 エリザベートは不貞腐れたようにラスを上目遣いで見ていましたが、やがて諦めて頷きます。
「行きますぅ〜、でも、もしまた嘘を吐いたり、さっきの話に嘘が混じっていたらファイアストームですよぉ〜」
「それだけは止めろ。頼むから止めろ」
 割と嘘つきな彼は若干冷や汗を浮かべつつ考えます。
(ファーシーは、この暗殺情報をパラミタキバタンが持ってきたって言ってたよな……。キバタンってことは……情報元は、チェリーか?)

           ◇◇◇◇◇◇

 その数時間前、チェリー・メーヴィス如月 正悟(きさらぎ・しょうご)の家にてアクアから聞いた事を話していました。
「アクアが、私が逆らう事を想定していなければ……2人に危険は無いだろう。でも、そうではなく何かしらの対策を取っていたとしたら、他の誰かに同じ話を持ちかけていたとしたら……。私は、どうすればいい……? ガーマル(キバタンの事)を飛ばしただけで、防げるのか……?」
 彼女は、先日自分を看病してくれた友人達の顔を思い浮かべました。
「私が誰かに協力を請おうなんて、おこがましいのかもしれない。だけど……」

           ◇◇◇◇◇◇

 ――第1章33P続き・キマク――

 ファーシーは脚を引き摺るように前に出しつつ、アクア・ベリルに近付いていきます。
「アクアさん……わたしはこの身体を得てから、皆の役に立ちたいって……皆に幸せになってもらいたいって思って過ごしてきたの。だから、いくらアクアさんの頼みでも皆を傷つけることは出来ないわ。……ねえ、折角会えたんだから、こうして話が出来たんだから、一緒に先に進んでは行けないのかな。わたし達、きっと……」
「…………」
 仰向けになったまま、長い髪に電撃を滾らせてアクアはファーシーを睨みつけます。
「貴女は……頭に花でも咲いているのですか? 天然なんですか? 私が貴女と相容れることはありません。この5000年、天と地ほど違う生活を送っていた私達が……!」
「何よ……」
 ファーシーの中に初めて怒りのようなものが生まれました。言うなれば、「このわからずや!」という感じでしょうか。膝をついてアクアに被さるようにして1発、彼女に平手打ちをします。
「わたしだって……ずっと独りだった! ずっとずっと独りだったわ……! ルヴィを殺したのだって……きゃあ!」
 その時、ファーシーは強い電撃に襲われて悲鳴を上げました。アクアの攻撃です。回路のどこかがショートしたのか、静かに目を閉じていきます。アクアは、僅かに眉を顰めました。
「『殺した』……ですか? 彼を?」


「……ねえ、誰かの言葉で、わたし達は変わっていくの。そういう存在なの。たった一言でも、変われるのよ。誰かと一緒に生きていくことで、わたし達は……」


 そこで、ファーシーは意識を失いました。

 

担当マスターより

▼担当マスター

沢樹一海

▼マスターコメント

今度こそ全同日スタート! ほぼ同時進行で行きますよ! ということで第2章です。(今回のみ、スペシャルシナリオとなります)
研究所を取り巻く環境は色々と複雑になってまいりました。

途中参加の方も勿論歓迎いたします。出来ることは色々あると思いますです。

今回、移動助っ人としてエリザベートに来てもらいました。どこ○もド……げふんげふん。なので、前回のガイド時点ではライナスコースは行動制限が起きるかもと書いていましたがそれなりに別コースにも移動できます(むしろ行動制限されたのはファーシーコースでしたね……><)。ラスとエリザベートが研究所に行きますので、その時に同行すればツァンダ発掘参加も可能です。
ファーシー達についての情報は、ラス達テレポート後に隼人から聞くことが出来ます。その情報を、2人はツァンダに戻ってから集合した皆に説明します(内容が内容ですので、奴は希望者だけに話します。でも、エリザベートがころっと他の皆に話すかもしれません)。

これで、ほぼ全員が情報を共有できる筈ですが……何か抜けてたらすみませんです。

以下、シナリオガイド補足です。

<ライナス研究所で出来ること>
上記でライナスが言っている通り、こちらでは、前回に引き続いての

・ファーシーの脚を直すためのバズーカ研究
・ファーシーの機体現状に関する考察

 以外に、

・機晶姫の強化パーツ開発
・機晶姫専用のイコンパーツ開発

 が出来ます。【ライナスの助手】称号を付けるのは強制ではありませんが、クラスはアーティフィサー、テクノクラート限定になります。

シナリオ内で開発されたパーツは、後日発表予定の各種クエストのドロップアイテムとして配布予定になっています。
※パーツ案は、1アクションにつき1件までとしてください。(アクション内の全ての案が採用されるとは限りません)
※各種パーツなどについて具体的数値もご提案いただくことも可能です。ただし、数値についてはデータ化される場合に調整される場合もございます。 ご了承ください。

★「機晶姫専用のイコンパーツ」について★
 イコンページの武器・道具にある制限項目「種族」の欄が「機晶姫」になるイコンパーツになります。LCに機晶姫がいないと装備出来ない専用パーツです。


<ツァンダ発掘について>
機晶石発掘は、魔物化しかけたあの時の魂がまだ残っているか。残っていたとして、現在のファーシーと融合させて問題は無いのかという調査をする為に行われます。(器第1章・19Pより)

ただ、ここには機晶石以外のものも勿論あります。例えば、壊れた機晶姫の機体であるとか。
この「壊れた機晶姫の機体」を見つけてライナスの研究所まで持ち込めば、ライナス及びモーナが修理して希望通りの外見にしてお渡しいたします(その後、LC契約して下さい)。

発掘→見つけたものを研究所にテレポートを使って持っていく

という流れになると思います。新機晶姫希望の方は、行動予定以外に詳細なデザイン等をアクション欄に記入してください(こちらは、ダブルアクションにはなりません)。

・元ゴーレム型巨大機晶姫の機晶姫製造所内部について
『魂の欠片の行方1』の主な舞台です。元は、10階建てのビルくらいの大きさがありました。
事務所やら休憩所やら作業場やら大きい機晶石の安置所やらがある普通の工場が人型に組み替えられ、それが崩壊した状態です。崩壊する前に仰向けに転ばされ、その後、脚の部分は破壊されています。
まあ、10階建てのビルが横倒しになって先の方が完全に崩れ、さらに原型留めなくなっているという状態でしょうか。
ただ、その内部がどうなっているかというのは殆ど決めていないので、ご自由に冒険してみて下さい。モンスターでも自衛用の罠でも、何でもござれです(自爆装置だけは、行方1にて『無い』宣言をしてしまったので現在は在りません)。
エネルギー供給をしていた熱を発するコードはただのコードになっています。そこら中にありますが危険はありません。


<大荒野の廃研究所、ファーシーの修理の方法について>
前回、さりげなく提示しようとしたらすっかり忘れたのでここでごろりとそのまま書いちゃいますが、ライナスが協力していたという研究者と、アクアが殺した研究者は同一人物です。ライナスは、研究者が寺院の人間だとは知りませんでした。
この廃研究所には、機晶姫のエネルギーに関する何かが残っています。
しかし、その「何か」は皆様が作り出すものです。
アクションに書かれた内容を「情報」として処理し、持って帰るという感じです。その際、誰がどの部分を提案したかは判るように記述させて頂きます。(名前を伏せておいてほしい方はその旨、お書きください)。
こちらにもモンスターとかちらちらと出るかもしれません。基本雑魚です。
※パーツ開発同様、全てのご提案が採用されるとは限りません。


<アクア、ファーシー関連>
ファーシーが何と言ってようと、アクアに関するその後は皆様のアクションに委ねられます。
ぶっちゃけると丸投げです。
ガイドでのファーシーの台詞は、あくまでも彼女の考えを提示しただけで、「2人を仲直りさせてください」という意味ではありません。どういう展開に転ぼうが、それは彼女の中で新たな経験となるでしょう。

こちら、主な舞台が何処になるのかも決めてはおりません。キマクになるのかツァンダになるのかはたまた大荒野かそのまま延長か。
何れはファーシーも研究所に行くことになるとは思いますが、そのタイミングがシナリオ内の序盤、中盤、後半のどこに入るのかも未定です。となると、他のコースでファーシーに絡みにくくなってしまうのですが……。他コース時期ずれで「第2章」で採用出来なかった場合は、「第3章」にて絡みを入れさせていただこうと思っています(その場合は招待を発行いたします)。

最初に説明したルートで情報共有は出来ますが、どシリアス突っ走り中につき、途中合流の難易度は高いです。情報を手に入れてからの行動になりますので、スタートも前回継続組よりは遅れることになります。
しかし、うまくすればどシリアスに突っ込むことも出来るやもしれません。
どうしてもぐちゃぐちゃになりそうだったら、掲示板を使うのも手ですよ〜。


<最後に全体補足>

・※前回参加者様へ→それぞれの場所での各PCの役割は、基本的に前回から引き継いだものになります)

・時系列の都合で、まだこのガイドの時点で環菜は復活していません。リアクション内にて、復活時まで追いつかせる予定でいます。登場するとしたら次回になると思います。

・エリザベートのテレポートは、基本ツァンダ⇔研究所間になります。他コースで使いたい場合は、彼女を説得してみてください。前回メンバーは自力移動しているので、説得に失敗した場合は自力移動も有り得ます。

長くなってしまいましたが――それでは、よろしくお願いいたします。


▼サンプルアクション

・強化パーツを開発する

・チェリーに協力する

・元ゴーレムの機晶姫製造所の発掘に参加する

・廃研究所を探索する

・ライナス研究所にて……

・キマクでの事態を収束させる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年01月06日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月07日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年01月11日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年02月16日


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