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春は試練の雪だるま

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春は試練の雪だるま

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シナリオガイド

た、助けてほしいでスノー! とにかく大ピンチでスノー!!
シナリオ名:春は試練の雪だるま / 担当マスター: まるよし

「はぁ……」


 ツァンダの街付近の冬を担当していた雪の精霊――通称『冬の精霊』ウィンター・ウィンターは、ツァンダの街をとぼとぼと歩いていました。
 蓑帽子を被った雪ん娘のような格好の彼女、いつもは元気一杯やりたい放題ですが、今日はかなり元気がない様子です。
 ずるずると足を引きずって歩き、深く蓑帽子を被った顔からは表情を読み取ることができません。

「――おい、どうした?」
 と、パラ実の自称正義のヒーロー『正義マスク』ブレイズ・ブラス(ぶれいず・ぶらす)が尋ねました。あくまで自称とはいえ正義のヒーローを目指す彼、暗い表情をした知り合いを放っておくことはできません。

 ですが、ウィンターはそんなブレイズに何かを相談する前に、思い詰めた顔で告げました。
「――ブレイズ……お主とも短い付き合いだったでスノー、色々と世話になったでスノー」
 その表情からただごとでないことを悟ったブレイズ、真剣な表情でもう一度尋ねます。
「おいおい、何があったんだ?」

 そこに、ツァンダの街付近の春を担当している光輝の精霊――通称『春の精霊』スプリング・スプリングがひょっこり現れました。
 春らしいふわふわとしたスカートをなびかせて、ウサギ耳がぴょこぴょこと頭で揺れています。
「……心配しなくても大丈夫でピョン。最近の素行が悪すぎて天気の精霊様に怒られただけでピョン」

 スプリングの説明はこうです。
 去年の冬には地球から侵攻して来た冬の精霊である『冬将軍』をコントラクターの手を借りて撃退したウィンター。それですっかり調子に乗って冬が終わってからも真面目に修行をせず、だらだらと遊び呆けていました。
「それだけならまだ良かったものの――そこに、この間の事件でピョン」
 この間の事件、というのは4月14日のブラックデーに起こった『ブラック・ハート団』の事件のことですが、ウィンターはあろうことかその『ブラック・ハート団』に面白そうだから、という理由で加担して皆に迷惑をかけ、警察に逮捕されてしまったのです。
 結果的には数日の拘留で済んだようですが、周囲の精霊たちには充分すぎる衝撃を与えてしまったようでした。

「だらしないだけならともかく……さすがに警察沙汰となれば黙っているわけにもいかないでピョン。
 季節の精霊というのは、その地域の人間たちと天候という現象を通じて苦楽を共にし、永い時を生きる存在……。
 その精霊が人間に迷惑をかけたり、お巡りさんのお世話になっていてはいけないのでピョン」
 その言葉に、ブレイズは頷きます。
「まあ……確かにやったことは良くないことだが、今は反省しているんだ。そう怒らなくてもいいんじゃねえか?」
 しかしウィンターは首を横に振り、その言葉を遮りました。

「怒られただけなら良かったでスノー。ところが、今回は宿題を出されてしまったでスノー。
 このスタンプがいっぱいになるまで人助けをしないと、冬の精霊の資格を剥奪されることになってしまったのでスノー」
 と、ウィンターが差し出したのは一枚のカード。そこには20個の枠があり、1個だけスタンプが押されています。

「これが期日までに全部埋まらないといけないでスノー」
 そのカードを覗きこむブレイズ。
「……あと19個もあるじゃねえか。で、期日はいつだ?」
 ウィンターは答えました、やや視線を逸らしつつ。
「……今夜の夜12時でスノー」
 その言葉にブレイズは驚きます。
「おいおい、まだ午前中だけど――それでも1日もないじゃねえか、ずいぶん急な話だなあ」
 そこに、スプリングが補足しました。
「……ここ1週間、ずっとやってるけど1個しか埋まらなかったのでピョン。ウィンターには人助けの才能がないのでピョン。
 同じ季節の精霊は手伝っちゃいけないので、私も手伝えないでピョン。それなのに、意地張って1人でやろうとするから……」
 次第に涙目になるウィンター。

「うう……こうなったらもう意地を張っている場合ではないでスノー!!
 手当たり次第に頼むでスノー!!
 私の人助けを手伝ってもらうでスノーーー!!!」
 気合を入れたウィンターは、ぽんぽんぽん、と雪煙を上げて数十体に分身しました。

「おお!?」
「ブレイズにも手伝ってもらうでスノー!!
 この分身は全部私そのものでスノー、この分身がしたことは全員に伝わるし、感覚も共有しているでスノー!!
 『雪だるマー』も使えるでスノー!! どうかお願いしますでスノーーー!!!」
 それを聞いたブレイズはニヤリと笑いました。
「へえ……それはそれで面白そうだな。なら何人かに声かけてみようぜ、上手く人手が集まれば19回の人助けくらいすぐにできるさ!!」
 数十体のウィンター達は一斉にツァンダの街に飛び散り、人助けを手伝ってくれそうな人を探しに行きました。


 ウィンターの分身は、あなたの元にも訪れるでしょう。さて、あなたは上手くウィンターを手伝って人助けをさせることができるでしょうか?


「……ところでお前、普段から冬の精霊だって威張ってるけど、どういう立場なんだ?」
「……あえて言うなら、ツァンダ地方の天気に関する地方公務員的立場でスノー?」
「別に一人でツァンダを担当しているわけじゃないんだな。……地位でいうと?」
「…………主任クラスでスノー」
「あんまり偉くないんだな」
「………………ほっといてほしいでスノー」


担当マスターより

▼担当マスター

まるよし

▼マスターコメント

 みなさんこんにちは、まるよしと申します。

 今回が私のシナリオ10作目にあたります。10作も発表できたのはひとえに皆様のおかげです、本当にありがとうございます。
 記念的な意味も込めてスペシャルシナリオということになりましたので、どうかよろしくお願いいたします。

 さて、今回は冬の精霊の資格を剥奪されそうなウィンターが人助けをするのを助けて欲しい、というのが基本の流れになりますが、さほど関係ない日常を過ごすこともできるシナリオになります。
 どの学校の方でもツァンダの街にいることができれば参加できます。

・ウィンターの人助けについて
 ウィンターの分身は1人のMCに1体つきます。その分身はMCとLC全員に1個ずつの雪だるマーを装着させることができます。その雪だるマーを使ってシリアスからギャグまで、様々な事件を解決して人助けをして下さい。上手くスタンプを集めることができれば、ウィンターの大きな成長に繋がることでしょう。
 今回はウィンターが『雪だるマー』そのものになるわけではありませんので、『雪だるマー』を装着した状態でウィンターと行動を共にすることができます。全ての分身は精神的に繋がっており、リアルタイムで情報を共有しています。
 『人助け』の範疇も様々ですが、スタンプ判定は比較的ゆるいです。助けられた人が感謝してくれるような行いができればOKです。
 ウィンターの分身は全員が『人助けスタンプカード』を持っています。人助けに成功すると自動的にスタンプが押されますので、20個全部をその日の夜12時までに一杯にして下さい。そのカードはどこかで別の分身が人助けを成功させると自動的に更新され、全体的な進行具合が分かるようになっています。

・事件を設定して下さい
 事件というには語弊があるかもしれませんが、ウィンターが人助けをすることができるかもしれない母体となる出来事を自由に設定できます。これにより、ウィンターと共に自分が好みな状況で活躍することができます。
 例えばお菓子屋さんでケーキの材料が届かないのでそれを助ける、という平和的なものから大事故が起こった現場から人命救助を行なう、というようなハードなものまでOKです。超個人的なものから、街を巻き込む大事件までOKですが、あまり規模の大きすぎるものはグループアクションを活用した方が効果的に利用できるでしょう。
 『自分はこういう事で困っているからウィンターに助けてもらう』というのもアリとします。
 また、自分が解決しない事件でも適当に捏造して提案することができます。これについてはダブルアクションになりませんが、必ずしも採用されるとは限りません。

・『雪だるマー』について
 ウィンターの分身がPCに1つずつ付与するのが『雪だるま型極寒冷地戦闘用特殊融合型強化アーマー』略して『雪だるマー』です。別に極寒地でなくても使用できます。胸部、肩、肘、手首、腰、膝、足を覆う雪玉のようなデザインをしており、これを装着していると雪や氷のない道路でも、スケーティングの要領で滑りながら高速で移動できるのが特徴です。外見的には基本的に格好悪いと思って下さい。他に1度だけ自分のスキルや武器、行動などを天候の力を使って強化できる『ブースト』という機能を持っており、特殊な行動や必殺技的な演出に使用できます。
 また水に潜ったり、炎の中に突入するなど、通常なら困難な場所に侵入しても短時間ならば身を守ってくれます。
 『雪だるマー』は全PCに配られますが、使用しない雪だるマーは他PCに譲渡できます。今回は雪だるマーを譲渡することができるのは自分のMCとLC間のみとします。ただし、正式にグループアクション名を提示したグループアクション内であれば、他プレイヤー間での譲渡を可能とします。譲渡された『雪だるマー』のブーストをダブル、トリプルで重ねて1つの行動を強化するか、2回、3回のブーストを使用するかが選択できます。

・人助けに失敗した場合
 例えば特に悪事を働いた場合など(今回はウィンターが積極的に悪事を働くことはありませんが)でも押されたスタンプが消えることはありません。
 ですが、もし12時までにカードのスタンプが一杯にならなかった場合、ウィンターは冬の精霊の資格を失い、ただの雪の精霊になります。彼女は元々、季節の精霊になるために生み出された精霊ですので、その場合は自分の存在理由を根っこから失うことになり、最悪の場合(あまりにスタンプが集まらなかった場合)にはその存在自体が消滅する可能性もあります(スプリングは違います)。

・NPCについて
 アクションを掛けられるNPCは、まるよしの管理下にある以下NPCに限らせていただきます。
 全員がツァンダの街をフラフラしているキャラですので、誰と顔見知りで合っても構いません。

 冬の精霊ウィンター・ウィンター……今回の中心人物。雪ん子のような蓑頭巾を被った田舎娘です。分身しているので街中に散らばっています。本人に戦闘能力はありません。
 春の精霊スプリング・スプリング……ウィンターの同僚。春らしい服装を好む、ウサ耳少女です。直接手助けすることはできませんので、困っている人がいそうな方に人を誘導したりしています。
 ブレイズ・ブラス……パラ実の自称正義のヒーロー『正義マスク』です。ウィンターの分身の1人と行動を共にし、人助けをしようとしていますが、うまく行かないようです。
 カメリア……ツァンダの地祇の一人で、本体は少し遠い山にある椿の古木です。事情を聞いたウィンターの分身と行動を共にして、事件解決の手伝いを比較的積極的に行なっています。お供の狐の獣人『カガミ』と狸の獣人『フトリ』もいます。
 四葉 恋歌……恋に恋するお年頃、蒼空学園生です。基本的に明るいですが、意外とドライなところもある性格です。ウィンターに話を持ちかけられますが、どうすればいいか分からずにオロオロしています。
 独身貴族評議会……ある意味NPCではありませんが、恋人がいない寂しさが積もって頭のネジが数本外れてしまった非公認コミュニティです。カップルを妬んで些細な事件を起こしたりしています。いわゆるやられ役。

・その他
 今回は特例として、ウィンターの事件に関わらずに全く独自の日常を過ごすのもアリとします。
 また、ウィンターから雪だるマーを譲り受け、それを人助けに使わないとうのもアリです(ウィンターは文句を言うでしょうが)。

 武装・スキルはアクションを投稿時の装備がダイレクトに反映されますので、アクション内で装備やスキルを使う場合にはご注意ください。
 イコンのデータは使えません。
 残念ながら他GM様のシナリオは基本的に参照できませんのでご了承下さい。キャラの関係などをアクション内で『〜ということがあったので』と説明がある場合はその範囲内で表現したいと思います。
 公序良俗に反するアクションは採用できませんのでご注意下さい。

 それでは、よろしくお願いいたします。


▼サンプルアクション

・人助けを手伝う

・人助けを手伝わない

・日常を過ごす

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年05月07日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年05月08日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年05月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年05月31日


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