蒼空学園

　夏というのは、身も心も開放的になりがちです。
　それ自体は悪いことではないのですが、どうもハメを外しすぎてしまう人たちも中にはいるようで、
　特に今年の逮捕、補導率は前年度より上がっているそうです。

　ここ空京とて、それは例外ではありませんでした。
　特に初夏の頃、空京にある複合商業施設「みなとくうきょう」で細胞活性化という変な実験の被験者たちが起こした騒動は、多くの逮捕者、補導者を生みました。
　しかもその大半が、わいせつ罪という有様です。
　あまつさえ、その時は空京大学の特別講師まで捕まるという事態にまで発展してしまいました。
　ちなみにその時捕まった特別講師は、増多端義（ますた　はなよし）という女体の観察を生業としている人物でした。
　さらに、ここ最近はなぜか全裸で街をうろつく者も目撃されており、
　話を聞いても「シボラではこれが当たり前」などと意味不明なことを供述するばかりです。

「このままでは、空京が卑猥な街になってしまう」
　そう危機感を抱いた空京サイドは、あるアイディアを思いつきました。
　それが、今回行われることになった「犯罪シミュレーションイベント」です。
　イベントの内容は、「犯罪が起きたらどうなってしまうのか」を実演という形で知ってもらおうというものです。
　つまり、会場に集まった人たちに刑事ドラマさながらの劇を見てもらい、犯罪について理解を深めてもらおうというわけなのです。
　そしてその役者に選ばれたのが、各学校の生徒たちでした。
　契約者たちが演じる側になることで空京の美化を啓発してもらうと同時に、契約者たちにもクリーンな意識を強めてもらおうという狙いからのようです。

「細かい台本とかはないから、アドリブで色々とやってくれて構わない。信頼しているよ」
　イベントの主催者はそう言って、生徒たちにすべてを一任しました。
　渡された用紙を見ると、最低限の配役とコンセプトだけが書いていました。
　それによると、空京側がやってほしいことは以下の通りのようです。

　・最低限の配役
　　警察役、犯人役、被害者役
　・コンセプト
　　犯罪についての理解を深めてもらう。怖がらせることが目的ではないので、あまりリアリティを求めすぎない。
　・注意点
　　特にわいせつ罪に対する啓発が強いため、過度な下ネタは実演といえども禁止する。

　イベント会場は広めのステージで、既に会場は満席です。
「皆さん、ご覧ください！　これからこの大きな会場で、犯罪抑止を目的とした生徒さんたちによる演劇が始まろうとしています！」
　レポーターとして駆けつけた女子アナの卜部　泪（うらべ・るい）が、会場入口で嬉々として実況しています。
　彼女が来ているということは、空京のテレビ局が取材をしているということです。演劇がうまくいけば、テレビで後々大々的に報道されるかもしれません。
　犯罪抑止にイベントを通して大きく貢献した方がいれば、空京からの表彰も期待できます。
　ぜひ、皆さんの力でイベントを成功に導いてください。

　なお、会場付近は多くの坂道や階段がある通称「のぞき坂」と呼ばれるエリアとなっており、
　絶好のパンチラスポットとしてその界隈では有名です。
　出所したばかりの空京大学元特別講師、増多端義の姿が付近で目撃されたとの情報が入っているので、
　もしかしたら彼は何かやらかすかもしれません。警戒しておくのが無難と言えるでしょう。

マスターの萩栄一です。
今回のシナリオを一言で言うと、刑事ドラマを皆さんで演じてもらおうというシナリオです。
○○刑事になったり、○○犯になったり、名探偵○○になったりと、色々なことが可能です。
舞台は空京で、依頼も全校に出ているため学校の制限はありません。
所属学校関係なくどこに所属している方でも遠慮なくご参加ください。

ここからはシナリオ内の設定についての捕捉です。よくお読みの上アクションをかけてください。

【増多端義元特別教授について】
国際女性観察機構（WWO）の理事長として功績がある人物で、
特にフェティシズムに関する研究に関しては他の追随を許しません。
空京大学に特別講師として数ヶ月前招かれましたが、
わいせつ容疑及び電車内での痴漢行為、及び深夜の公園で陰部を露出する公然わいせつ罪で逮捕されています。
余罪として、名前の詐称もあったようです。以前の名前はマスタミズヨシだったそうです。

【演劇アクションについて】
・ＬＣを参加させる場合、役柄はＭＣと同じにしてください（例・ＭＣが犯人役ならＬＣが警察役や探偵役は不可）。
・ガイドには警察、犯人、被害者とだけ書いてありますが、当然他の役柄を出すのも問題ありません。
　探偵、通行人、第一発見者……関連しそうなポジションならなんでも可能です。

今回は全体的にコメディ要素強めでいこうと思います。
会場には小さいお子様もいるため、重苦しい雰囲気になるのは避けなければいけません。
そのため、ゲーム中で起こっている他の犯罪行為の告発や指摘などはご遠慮ください。
また、過度な下ネタにイベント中走ってしまった方は、強制退場となります。演劇外ではその限りではありません。

・警察役をやる

・犯人役をやる

・被害者役をやる

・増多元教授に接触する