蒼空学園

「リンス、わたし、もとのせかいへかえるわ」

　というクロエ・レイス（くろえ・れいす）の言葉に、リンス・レイス（りんす・れいす）は手にしていたマグカップを取り落としました。
　呆然とした目でクロエを見るリンスの様子に、クロエは慌てたように両手を振ります。

「ちがうの！　うそよ！」
「……嘘？」
「エイプリルフール！」
「……ああ、そういう」

　カレンダーを見て、リンスははあと息を吐きました。
　四月一日。
　エイプリルフール。
　『嘘をついてもいい』という風習のある、日。

「でもね、そういう嘘は関心しないな」
「そうよね。きをつけるわ、ごめんなさい」
「うん。良い子」

　クロエの頭を撫でると、クロエはくすぐったそうに笑いました。

「リンスはうそ、つくの？」
「どうかな」
「わからないのね」
「いまここで、『嘘をつかない』って言っても、それが嘘かもしれないしね」
「じゃあ、わからないといっているいまも、うそかもしれないわね」
「そうだね」

　嘘か真か、曖昧な。
　愚人の踊る一日の、はじまり、はじまり。

◆ごあいさつ。
　初めまして、あるいはこんにちは。灰島懐音と申します。
　ガイドを一読してくださってありがとうございます。
　そして大変お久しぶりです。気付いたら桜咲いてました。超スピード……！

◆というわけで。
　一度はやってみたかったエイプリルフールネタです。
　いつも通り、お気楽な日常をお楽しみください。
　さあどうぞ、みなさま愉快な一日をお過ごしくださいませ。

◆NPCについて。
　このシナリオで登場可能なNPCは、灰島のNPCのみとなります。
　それぞれが当日何をしているかですが、
　リンス、クロエ……工房でお仕事。予定は特になし。
　紺侍……特に予定はありません。
　フィル……『Sweet Illusion』でお仕事。今回は男装。
　でございます。
　こちらも、お好きなように絡んであげてくださいましね。


　それでは、皆様のご参加お待ちしております。


本シナリオのリアクション公開は下記表示と違い、4月30日を予定しております。

・日常で嘘をついてみる

・騙されてみる