イルミンスール魔法学校

　百合園女学院の会議室には、離宮対策本部が設置されています。
　地下に封印されているという離宮にはシャンバラ古王国時代に鏖殺寺院が残した兵器や、女王器が眠っているようです。
「マリルの封印が解かれた事で、転送可能になったのは南の塔です」
　ソフィア・フリークスは地図の南を丸で囲みました。
「報告によるとこの辺りに罠や兵器はなさそうですので、本隊はこちらに転送しましょうか？」
　ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）が紅茶を飲みながら頷きます。
「そうですわね。人数はもう少し調査が進んでから決定しますわね。とりあえず３００人程の兵に準備を進めてもらっています」
　白百合団員を中心とした百合園生と、推薦状を持って協力に訪れている他校生の契約者の人数はおよそ５０人です。その他に先遣隊として先に５０人程離宮に行っているため、契約者の人数はトータルで１００人ほどです。
　規模的にそれだけでは人手不足と思われるため、ヴァイシャリー軍も投入されることになっているのです。
「ところで、ミクルさんの容態に変化があったそうですね？」
　生徒会長の伊藤春佳の言葉に、ラズィーヤが頷きます。
「ええ、地球の有能な医師を呼んで治療させましたの。近いうちに目を覚まされるかもしれませんわ」
「……それは良かったです。目を覚まされたらファビオの事、お聞きしたいです」
　ソフィアは数回瞬きをした後、小さく笑みを浮かべました。

　ランタンの淡い光の中、離宮先遣隊のメンバーは相談を行っています。
「先遣調査隊には北の使用人居住区を含め、全体的な調査を行ってもらう。それから、既に安全が確認されているこの辺りに存在している別邸を１棟確保したいんだが、誰か行ってくれるか？」
　神楽崎　優子（かぐらざき・ゆうこ）が地図上の宮殿の南西辺りを指差して、陣で警戒をしている隊員達に尋ねました。
　……というのも。
　離宮を訪れて１日以上経っているため、主に百合園生から入浴がしたいという声が上がっているのです……。
　地上との行き来が気軽に行えないため、最低限の人間としての生活が出来る場の確保はしておいた方がいいだろうと優子も判断しました。　
「地下道と繋がっていたとしても、入り口を開いたりはしないようにな。地下以外は危険はないとは思うが……遺骨などがある可能性はあると思う。宅内を調べて使えそうなら清掃をしてほしい」
「でしたら、私が率います。それから、本隊の隊編成はどうされるおつもりですか？　主力は最も危険と思われる北の使用人居住区に向うことになるのですよね？　無論、私は主力を率いる覚悟もあります」
「私にもあるわ。お任せ下さい、副団長」
　白百合団の班長である風見瑠奈とティリア・イリアーノが神楽崎優子に言いました。
「もう少し調査が進んでから考えるが、適任者がいなければ、キミ達に任せることになると思う」
　瑠奈は剣術、ティリアは槍術に長けた実力のある契約者です。白百合団の班長としての経験も十分にあります。
「３つの隊に分かれて「使用人居住区」「宮殿中心部」「宮殿西側の宝物庫」この３箇所の調査と鏖殺寺院の罠や兵器類の解除、騎士ジュリオ・ルリマーレンの解放、女王機器の回収、をそれぞれ目指したい」
「宝物庫へは地下道を通って向うつもりなんですよね？」
　瑠奈の問いに優子は頷きます。
「地下道には魔法的な罠が沢山仕掛けられている可能性がある。宝物庫にも封印かなにかが施してあるようだし、こちらは魔法考古学者の方と、イルミンスール生を中心とした魔術を得意とする者の隊で向ってもらうつもりだ。離宮に正面から向う分隊も契約者のみの予定だ。ばらばらで突入したりはせず、作戦を立てて行ってほしい。その他に個人技能が優れた者に小グループで周辺調査を続けてもらおうと思う」
　陣も西の塔だけでは狭すぎます。
　この周辺の野外も含めて設営していくか、南の塔、別宅も利用するかどうかも決めていく必要がありそうです。

こちらのシナリオは、百合園女学院のキャンペーンシナリオですが、優先学園はありません（男性も会議や作戦にご参加いただけます）。今回からのご参加も大歓迎です。

シナリオが追加募集になった際には、受身（街を歩いていたら事件に巻き込まれたなど）アクションでの参加も歓迎いたします。
どのような状況に巻き込まれるのかはこちらの判断で決めさせていただきます（ご指定いただけません）。

尚、百合園女学院キャンペーン『嘆きの邂逅』は２分割となっており、先に公開された闇組織編２回にご参加された方は、この離宮編２回にはご参加いただけません。間違えて申し込んでしまった方は申し訳ありませんが、アクション不採用とさせていただきます。

●離宮先遣調査隊の方
全体的な調査と、地下道の入り口を調査します。
隊の行動につきましては、隊長の意見が最重視されます。
本隊合流後はどの隊に入るのか各々お書き下さい。未記入の場合は陣待機になります。

●離宮で陣の設営をされている方
「陣の設営」「既に安全が確認されている場所の調査」「作戦に関する意見」「本隊合流後の行動」の何れかの行動がメイン行動になりそうです。
本隊での行動以外の行動をメインとされる方は、本隊合流後はどの隊に入るのか各々お書き下さい。未記入の場合は陣待機になります。

●今回離宮を訪れる方
「転送前の準備行動」「到着後の話し合い」「本隊での行動」の何れかの行動がメイン行動になりそうです。
本隊での行動以外の行動をメインとされる方は、本隊合流後はどの隊に入るのか各々お書き下さい。未記入の場合は陣待機になります。

●役員、隊長募集
本部役員は引き続き募集いたしております。現在地上にいる方、今回から参加される方は立候補できます。
離宮作戦の各隊長は、今回は『離宮先遣調査隊隊長』『白百合団班長』『教導団もしくはクイーン・ヴァンガードで昇進経験があり称号をお持ちの方』のみ、立候補可能とさせていただきます。今回から参加の方でもＯＫです。
適任者がいない場合は、白百合団の班長ＮＰＣが就くこといなります。ＰＣで立候補がいなくてもＮＰＣが作戦案の取りまとめを行いますので過度に心配なさらないで下さい。ただ、ＰＣを中心に公式掲示板で若干相談を進めていてくれた方が物語はスムーズに進むかと思います（リアクションで行うと相談のシーンでほぼ終わってしまうかと）。

■離宮編での方針
アクション欄はＭＣの欄にはＭＣの行動、ＬＣの欄にはそのＬＣの行動をお書きいただくことが原則です。
ただし、このシナリオに関しましては、ＬＣの欄にＭＣのアクションの補足を書き入れることや、ＭＣとＬＣの絡み合ったアクションをＭＣ、ＬＣ欄に記入することを可とさせていただきます。
ＭＣのアクション補足記入目的や私信記入目的、社会性目的のＬＣ追加も行っていただいて構いません。
でも、アクションの補足説明は兎も角として、アクションがＭＣの欄に収まらない場合は、多重行動の可能性が高いと思われます。

■お願い
蒼空のフロンティアのシナリオは世界的に繋がってはいますが、ガイドに明記がない限りマスターシナリオは個々独立しております。
パラドクス気味な状況が発生することが多々ありますが、他のシナリオ（川岸担当の関連シナリオ、グランドシナリオ除く）の設定、事情は基本的に持ち込まないよう、お願い申し上げます。
私のシナリオでの設定、事情も同様に、他マスターのシナリオに持ち込まないで下さい。特に私のシナリオではよりＰＣに物語を動かしていただきたいため、ＰＣに要職についていただくことがありますが、他のマスターのシナリオでその立場を使っての行動は正常なシナリオ運営が出来なくなってしまう可能性がありますので、申し訳ありませんがどうかお避け下さい（ガイドに明記がある場合除く）。

悪い例１：イルミンスール生が離宮対策本部長になった。→イルミンスールキャンペーンで、エリザベートに離宮の支援要請をする。

悪い例２：百合園生が離宮対策本部長になった。→百合園の他マスターの桜井静香が登場しているシナリオで、静香に離宮対策に関する助言を請う。

グレーゾーン：離宮本部長になった。→他マスターの無関係のシナリオで「百合園の離宮対策本部長やってる○○です。よろしくお願いします」と挨拶をする（メインアクションは離宮の話題なし完全無関係）。

さほど問題がない例：百合園以外の生徒が離宮対策本部長になった。→他マスターの百合園シナリオに「離宮対策本部長になったんだし、百合園のことをもっと知っておきたい」という動機で参加（アクションは離宮完全無関係）。

さほど問題がない例であっても、マスターによっては通常マスター業務以上の負担を背負い込んでしまうこともあります。ご配慮いただければとても助かります。

自分のシナリオルールの煩雑さから、誤解をしてしまった方にはお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
『神楽崎分校』でいいますと、他マスターのシナリオで犯罪行為の類を行うとしても『神楽崎分校生です！』と分校名を名乗って行ったりしなければ、分校に『バレていない』という扱いになります。
私のシナリオの話題、ＮＰＣとの関係等を『他シナリオに持ち込んでいなければ』他シナリオでの行動を私がシナリオ内に持ち込んで悪い判定を行うことはいたしませんので（無関係のＰＣが他シナリオでの悪行を暴露しようとしても、シナリオに関係のない行動として不採用になります）、どうかご安心の上、他シナリオではっちゃけて下さい！

その他につきましては、第１回のガイドとリアクションのマスターコメント通りです。
それでは、アクション楽しみにお待ちしております。

・ミクルの護衛を続ける

・本部で事務作業に勤しむ

・離宮に向う

・別宅を確保だ！

・先遣調査隊として調査に勤しむ