聖戦のオラトリオ ~転生~ 第2回 リアクション公開中! |
シナリオガイド【イコン参加可】蝕むモノ、抗う者
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~転生~ 第2回 / 担当マスター:
識上 蒼
* * * 「データの解析は?」 「完了しました。イコンシミュレーターにも導入済みで、これから最終チェックです」 「ではよろしく頼む。今は辛うじて均衡を保っているからいいものの、万が一に備えて相手の力を知っておく必要があるからな」 天御柱学院パイロット科の科長室。 パイロット科長イズミ・サトーは、報告書に目を通していました。 (圧倒的だな。これでも全てをさらけ出した分けではない、となれば……ぞっとしないな) そこへ、教官長五月田 真治が入ってきます。 「五月田、こいつをどう思う?」 「にわかには信じがたいが、ウクライナでの戦闘が元になっている以上、疑いようがないだろう。 クルキアータ一機は、学院のイコンの一個小隊に匹敵する。覚醒を使えばその限りではないが……それでも厳しい相手に変わりはない」 ヨーロッパ同時多発テロの際、鏖殺寺院イコン十機を単機で全滅させるほどの強さです。 実際に戦闘データを見た二人は唖然としたくらいです。 「だが、こちらにも第二世代機がある――ブルースロートだ。まだ試験段階で機体数もないが、データはシミュレーターに反映済みとのことだ」 そして、科長はある資料を五月田に提示しました。 「……対F.R.A.Gを想定したシミュレーター訓練か」 「そうだ。万が一に備え、今の時点でF.R.A.Gとどこまで戦えるか知っておく必要がある。 ……戦わずに済めばいいが、残念ながら我々だけではどうにもならないことだってあるからな」 今とは別の「F.R.A.G」を知っている科長や五月田にとっては、思うところがあるのでしょう。 その顔には、どこか物憂げなものがありました。 「それと、レイヴンについてだが……」 科長の懸念はその機体にもあります 「烏丸の一件があるにも関わらず、『レイヴン』の搭乗許可を得ようとする者が少なくない。今回のシミュレーター訓練は、そういった希望者の適性を見極めるということも念頭に入れておかねばならない」 「あの機体の運用を継続するのか?」 「テストパイロット達のこともある。それに、ホワイトスノー博士の言葉も気になる。それに、シミュレーターならば異常が起こった際、強制終了を掛けられるからな」 そして小さく呟きました。 「『力に飲まれるならその程度でしかない』か。だが人間、皆そこまで強くはないんだよ、博士」 それでも、教え子達にはこの試練を乗り越えて欲しいと、そう願っているかのようでした。 * * * それからすぐに、パイロット科を中心にイコンシミュレーター訓練を行う旨の知らせが届きました。 ・シャンバラの学生であれば、希望申請することでシミュレーター訓練を許可する。 ・訓練プログラムは、対F.R.A.Gを想定したものがメインとなるが、パイロットとしての技量に不安がある場合は、基本的な訓練を受けることも可能。 ・今回、シミュレーターには第二世代機ブルースロートと第一.五世代機レイヴンが導入されるため、天御柱学院の生徒であればこちらの機体も搭乗可能。 転入組や、まだイコンに乗って日が浅い人は、無理に第二世代機と戦わなくてもいい、ということです。 また、バージョンアップしたイコンシミュレーターには自機のデータが完全に反映されるため、実際の機体とそこまで変わらない感覚で機体の操縦を行えるとのことです。 * * * 「どうしたんだ、ヴェロニカ?」 学院本校舎内。 辻永 翔(つじなが・しょう)は、窓の外を眺めて佇むヴェロニカ・シュルツ(べろにか・しゅるつ)を見つけました。 「あ、ううん……なんでもない。ちょっと考えごとをしてただけ」 シャンバラでの初陣以降、ヴェロニカはこうして一人で空を見つめていることが度々ありました。 また、彼女は他の生徒と一緒には対F.R.A.Gのシミュレーター訓練に参加出来ないとのことです。 「わたし達がいると、『女神の祝福』への甘えが出るかもしれないから、って科長さんは言ってたわね」 そんな翔達の背後から、ニュクス・ナイチンゲール(にゅくす・ないちんげーる)が声を発しました。 「けれど、『女神の祝福』――絶対防御領域は完全なものではないわ。起動に際して、リスクも伴うのよ。あくまでもあれは切り札。それは忘れないで欲しいわ」 もちろん、それだけではありません。 「あと、まだ私はみんなほど上手く乗りこなせていないから。ニュクスにばっかり頼ってもいられないからね」 ヴェロニカの操縦技術は、まだ初心者レベルです。それもあって、ちゃんとニュクスや【ナイチンゲール】と息が合わせられるようにしたい、という思いもあるようです。 そうして翔は二人と別れました。 「何をぼーっとしてるんだ、翔?」 アリサ・ダリン(ありさ・だりん)が翔に声を掛けました。 「アリサか。いや、ヴェロニカのことだけどな。なんだか、無理してるように見えてさ」 「珍しいな、お前が誰かを気に掛けるなんて」 「そうでもないだろ」 「ただ、何か人に言えないものを抱え込んでいる風には見えるな。原初のイコンのパイロットというプレッシャーではなく、もっと別の……」 二人はまだ、謎の青いイコンに彼女の兄とも言える人物である、エヴァン・ロッテンマイヤーが乗っていたということは知りませんでした。 * * * その頃、F.R.A.Gでは。 「一応、概ねの事情は分かった。今のところそちらに敵対の意思がないことも」 第一部隊隊長ダリア・エルナージは本部に連れ帰った天御柱学院のパイロット、平等院鳳凰堂 レオ(びょうどういんほうおうどう・れお)と星渡 智宏(ほしわたり・ともひろ)、そして二人のパートナー達から『レイヴン』についての説明を受けました。 「ただ、申し訳ないがもう一人会ってもらう人がいる。聖カテリーナアカデミーの校長だ」 聖カテリーナアカデミーとは、イタリアにある契約者育成のための専門学校です。そこはF.R.A.Gと提携し、クルキアータのパイロット養成を行ってもいるとのことでした。 「今から移動する。付いてきて欲しい」 移動中、本部内で天学生達は奇妙な人影を発見しました。 「仮面の、女?」 仮面で顔を隠した、白いドレスの女性でした。 「……悪いことは言わない。『特務』には関わろうとするな」 ダリアの顔には恐れの色が浮かんでいます。 「ウクライナで、白いクルキアータの姿は見ただろう。あれのパイロットだ。 ――F.R.A.G第一特務ミス・アンブレラ。あの仮面の下の顔を知るのは、猊下と、これから会うことになる校長だけだと言われている」 仮面の女性パイロットが、彼女達を静かに見つめていました。 「はっきり言って、彼女も含め特務の三人は只者じゃない。同じ人間とは思えないほどにな……」 ※マスターコメントの注意事項をよくお読み下さい 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
識上 蒼です。 ▼サンプルアクション ・クルキアータと戦う ・訓練を受ける ・イコンの整備を行う ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2011年04月25日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2011年04月26日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2011年04月30日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2011年05月28日 |
||