イルミンスール魔法学校

　蒼空学園の学生たちが泊まる宿は、消灯時刻が迫ってきてもまだ賑やかです。
　束の間のひと時でも楽しまなければ損！　そんな気持ちが皆の間に流れているのでしょう。
　美味しい夕餉も食べた、露天風呂も楽しんだ、――そんな学生たちに残されたものといえば、何でしょう。

「きゃあっ！？」
　布団の並ぶ大広間にて、上がった声の主はマリエル・デカトリース（まりえる・でかとりーす）です。
　就寝の準備をしていたところ、何かが後頭部に当たり、思わず手で押さえました。
　そうしながら振り返ってみると、転がっているのは１つの枕です。
　後頭部に当たったことと、枕が転がっている場所からそのまま、視線を上げていくと、数メートル離れたところに、親友にしてパートナーの小谷　愛美（こたに・まなみ）がニコッと笑みを向けています。
「宿泊施設での夜といえば、消灯時刻まで枕投げ、暗くなったらコイバナをするしかないわ！」
　他の学生と手を組んで、次の枕を手にしながら、愛美は言います。
「だからって、いきなり投げること、ないじゃないのぉ」
　マリエルは言い返しながら、自分にぶつけられた枕を手にすると、仕返しと言わんばかりに愛美に向かって投げつけました。
「それは、隙ありまくりの背を見せてるからよ」
　投げつけられてきた枕を手にした枕で防ぎながら、愛美は答えます。
「やるならやるって言ってくれないと、就寝の準備をするものだと思うのよ、ねぇ？」
　隣に居た他の学生に話を振るマリエルに、急に話を振られた学生は「私！？」と言わんばかりに動揺しています。
「まあ、でも、マナから仕掛けてきたんだからねぇ？　負けたって知らないんだからぁ！」
　言ってまた、マリエルは枕を手にすると、愛美に向かって投げつけました。
「望むところだわ！」
　愛美もそれを交わしながら、手にしたままの枕を投げます。

　こうして、急遽枕投げ大会が幕を開けたのです！

　こんにちは、朝緋あきらです。

　修学旅行で夜と言えば、枕投げでしょう！
　いえ、まあ、コイバナとか、お風呂覗きとかあるのかもしれませんが、その辺と並ぶものの１つとして、てことですよ？

　そんなわけで、今回お届けしますシナリオは、枕投げの様子です。
　舞台は、蒼空学園の学生たちが泊まっている旅館となっていますが、お友達が居るから、こっそり宿を抜け出して遊びに来た、という理由で他の学校の学生さんも来て下さって構いません。
　ガイドの方では女の子の部屋しか描写しておりませんが、きっと男の子の部屋でも開始されていると思われます。

　じゃれあうように投げるもよし、日ごろの恨みを込めて投げるもよし。

◆　此度のルール　＆　注意事項　◆
・基本は男女別。
　女子部屋、男子部屋に分かれて、枕投げが行われています。
　自分の性別と反対の部屋に混ざりたい場合は、女装or男装をしてください。装いが甘いと、女将がつまみ出しに来ます。
・移動は両隣の布団まで。
　各部屋は南北に長く、布団は東西に分かれるような形で敷き詰められています。
　各参加者が寝る予定の布団とその両隣まで、移動できます。ただ、両隣が枕投げに参加していないようでしたら、自重しましょう。
　移動可能域から外れた枕を取りに行く場合のみ、これに限りません。
・投げてもいいのは、旅館備え付けの枕だけ。
　備え付けの枕は、柔らかな羽毛製です。
　その他の旅館の備品やダメージを与えてしまうようなもの（武器など）を投げた人には、女将からおしおきが待っております。
・消灯時刻でタイプアップ。
　消灯時刻になりましたら、大人しく寝ましょう。

　思い切り、枕投げを楽しんでいただければ、幸いです。

・枕投げまくるよ！

・気付けば巻き込まれてるしっ！？

・応援しようかな？