イルミンスール魔法学校

　本シナリオは、5月8日・9日に新宿バイタスで行われる「蒼空のフロンティア×Act-ive　ボイスシアター『新たなる絆』」とコラボした朗読劇です。
　シナリオに参加されたキャラクターの名前が朗読劇の中で呼ばれる企画などもあります。
　「蒼空のフロンティア×Act-ive　ボイスシアター『新たなる絆』」の詳しい情報は、公式ブログ「ゆるゆる情報局」をご覧ください。
★ゆるゆる情報局（http://blog.animate.tv/souku/index.php?itemid=7971）


「いいこと？　今回負けるってことは蒼空学園が負けるってことなのよ」
　御神楽　環菜（みかぐら・かんな）はオリエンテーリングに参加するスタッフを集めた会議の冒頭で、開口一番に言い放った。
　新参加者の歓迎とトレーニングを兼ねて二カ月に一度ほど開催される定期オリエンテーリングは、各校が持ち回りのホスト学校となって年に一度担当を受け持つことになっている。しかし、シャンバラのどの学校からも参加が可能なために評判は嫌でも伝わります。当然、各校は競って力を入れるようになり、それぞれの持ち味を生かして評判を上げようとする傾向にありました。

「楽しければいいんじゃねーの」
　ピリピリした場の空気を破ろうと山葉　涼司（やまは・りょうじ）はあえて環菜に聞こえるように言ってのけた。しかし、彼女の苛立ちは収まるどころか、逆にエスカレートしていった。
「あなただって前回主催のイルミンスール魔法学校の噂は聞いているでしょ。もうこれはただのイベントじゃないわ。蒼空学園のメンツをかけた戦争なの。負けたら帰ってこれると思わないことね」
　環菜のあまりの本気度にスタッフたちはすっかり怯えきってしまいました。
「どうしよう、みんなでカレー作ろうねって思ってただけなのに」
　和気あいあいとキャンプを楽しもうと考えていただけの小谷　愛美（こたに・まなみ）は困惑しました。
「いくの、やめよっかな……」
　彼女のパートナーマリエル・デカトリース（まりえる・でかとりーす）も初めてのバデス台地に期待していたのですが、すでにテンションは下がり目です。交流を楽しみに集まっていた他のスタッフたちも、どうやらえらいことに巻き込まれそうだと内心思い始めていました。
「そんなに難しく考えないでくださいね。大切なのは参加者にどうやって楽しんでもらうかってことですから」
　これはまずいと環菜のパートナーであるルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）が慌てて補足したことで、会議はようやく落ち着いて意見が交わされ始めました。

　しかし、出てくるものと言えば昨年行った蒼空学園のオリエンテーリングと変わらないアイデアばかり。環菜は苛立ち、ついに爆弾発言をしました。
「私が求めてるのはそんなものじゃないわ。今までにない規模でやるの。そのために今回特別予算も計上します」
　お金まで出すと言いきったその言葉にどよめきが起きました。こんな自由にやれるチャンスは二度とないと、次々にアイデアが交わされたのです。バデス台地にある暗黒洞窟の最深部までの探検や30メートルの高さのキャンプファイヤー、国産霜降り牛食べ放題のＢＢＱなど次々にＯＫが出されました。　
「あの、そんなにいっぱいやるのはいいんですが、準備とか安全面の配慮は大丈夫でしょうか？」
　涼司のパートナーである花音・アームルート（かのん・あーむるーと）の一言に、盛り上がっていた会議は凍りつきました。そう、万一事故が起きては評判どころではありません。
「……しょうがないわね、先発部隊を派遣してベースキャンプを設置しましょう。そこを拠点に入念な準備をすること」　
　環菜は深いため息の後にそう言って、会議を終えました。　

　一週間後、現地に視察に行った生徒たちから環菜へある報告がなされました。比較的安全地帯であるはずのバデス台地で何回かゴブリンの部隊に遭遇したというのです。
「ゴブリンなんてどこにでもいるわ。問題ないでしょう」
　環菜はその報告を軽視して、参加スタッフたちへも特に注意を与えませんでした。しかし、その判断が後に大事件を招くなることになるとは彼女も気づいてなかったのです。

　会場となるバデス台地はモンスターも少なく、気候おだやかで楽しい高原キャンプが期待できます。目的は翌日に控えたオリエンテーリングの準備ですが、リハーサルも兼ねて本番当日さながらに洞くつ探検やキャンプファイヤー、カレーつくりなどが楽しめます。

　ボランティアで他校の生徒でも参加できます。みなさん、イベントを成功させるためにしっかり頑張ってください。

　各校共有のイベントなのでホスト校である蒼空学園の生徒だけではなく、ボランティア希望の他校生徒も参加できます。

　今回のキャンプの目的は翌日に行われる「新入生歓迎のオリエンテーリング」の準備ですが、せっかく前泊で現地入りするので自分たちもキャンプに来たつもりで楽しんでください。予行演習と言う名目で当日行われるイベントの先取りだって実行してもかまいません。ただし、準備だけはしっかり終えておかないと環菜からどんな目にあわされるかはわかりませんよ。
　現地では不審なモンスターたちが目撃されている情報があります。安全は最重要課題ですのでくれぐれも注意して、全員が無事にケガなく過ごせるように充分な配慮を行ってください。

　そして全2回で公開されるこのシナリオの最大の目玉は5/8（15時/19時）と5/9（14時/18時）に新宿バイタスで行われる「蒼空のフロンティア×Act-ive　ボイスシアター『新たなる絆』」とコラボした朗読劇の作品になることです。朗読劇では理子や環菜などのおなじみのキャラが登場し、みなさんが準備してくれたキャンプへ参加する新入生たちとの交流やある事件が描かれます。
　そして、朗読劇から再び後編のシナリオへと続いていく展開です。朗読劇の詳細は、公式ブログ「ゆるゆる情報局」をご覧ください。参加してくれたみなさんのリアクションが朗読劇に影響したり、それが後編のシナリオで変化したりとゲームの中だけでは収まりきらない広がりを見せます。もちろんこのシナリオだけでも楽しめます。

なお、特典として参加してくれたキャラクターの名前を朗読劇でも呼んだりしてみたいと思います。朗読劇で名前を使用されても問題ないお客様は、アクションに「名前可」と一言お書き添えいただけますでしょうか。ただし、人数にも限りがあり、必ず使用されるわけではございませんので、予めご了承ください。

・オリエンテーション当日のために洞窟の下見と準備

・ベースキャンプの設営とキャンプファイヤーづくり

・みんなで協力してキャンプの定番「カレー」を作る

・キャンプ周辺の安全を守るためのパトロール

・当日参加する新入生のガイドのために、準備をする。