イルミンスール魔法学校

　
「よし、ここら辺で飯にしようぜ！」

　銀色のさらさらした髪の少年アッシュ・グロック（あっしゅ・ぐろっく）が、切り株に腰を下ろして言いました。
　今日は気の合う仲間同士で、ジャタの森にピクニックに来ています。
　凶暴なモンスター達の居る場所を避けて、ようやくちょうどいい場所を見つけました。

「アッシュったら、もうお弁当開けようとして。まぁ、私もお腹減ってるけど」

　蒼空学園制服に身を包んだ美少女、雅羅・サンダース三世（まさら・さんだーすざさーど）が、お腹を押さえて言いました。
　
「だろ？　お、このサンドイッチ美味そうだぜ！　いただきまーす！」

　アッシュは、サンドイッチを口いっぱいに頬張りました。
　二人のやり取りを見て、周りから笑いが漏れます。
　皆それぞれお弁当を広げ、食べ始めました。
　ぽかぽかした日差しの中、のどかで楽しい時間が流れます。


■■■

「ぐすっ……。ここはどこ？　誰かいないかな……」

　ジャタ族の衣装を着た、小さな少女が泣きながらジャタの森の中を歩いています。
　
　森に生える薬草を取りに出たのですが、夢中になっているうちに、どんどん村から離れてしまい、
　気づくと全く知らない場所に来ていました。
　必死に村に戻ろうと歩けば歩くほど、どんどん迷ってしまっています。
　
　森の中には、パラミタオオカミやジャタタイガー、地球では絶滅してしまった、サーベルタイガーなどの凶暴なモンスターが、ウジャウジャしています。
　その事をよく知っている少女は、泣きじゃくりながらも村に戻ろうと歩き続けています。

「グルルル……」
　
　後ろからとても、今聞きたくない唸り声が聞こえてきました。
　
「……！！！」

　少女は声も出せず、後ろを見ました。
　少女の何倍も大きな体のサーベルタイガーが、身を低くして少女に向かって、唸っています。

「ひっ……」

　少女は凍りついてしまいました。
　その時、人の話し声が耳に入りました。
　少女は弾かれたように、声のする方へ走り出しました。
　サーベルタイガーも重い体を持ち上げ、少女を追います。
　木の間から大勢の若者がピクニックをしているのが、見えました。

　ザザッ――

　少女は草木で肌を切りながらも、若者達の前に踊りでました。

「助けてーーー！！！」

　少女は雅羅に抱きつきました。

「えっ？　何？　何なの？」

　雅羅は目を丸くしながらも、少女を受け止めました。
　その時茂みからサーベルタイガーが、のそっと現れました。

「サーベルタイガー！！　なんでなの！　また私の“災厄体質”のせいなの！？」

　雅羅は頭を抱えて叫びました。
　
「俺様の前に出てきた事を後悔しな！！」

　アッシュが攻撃体制に入ります。
　周りの仲間たちも武器を構えます。
　しばらくジッとしていたサーベルタイガーは、勝てないと思ったのか、のそのそと立ち去りました。

「お姉ちゃん。お兄ちゃん。ありがとう！」

　少女は小さな体を震わせながら、言いました。

「何でこんな所に一人でいるんだ？」

　アッシュが心配そうに言いました。

「薬草を取りに来たら、迷子になったの」
「私達が村まで送り届けるわ。安心して！」

　雅羅が少女の頭を撫でながら、言いました。
　周りの仲間達も頷きました。

　こうして、のどかなピクニックから一転、迷子の少女を助ける事になったのでした。

はじめまして。
新しく蒼空のフロンティアのゲームマスターを務めさせて頂きます、マロ宮と申します。
どうぞよろしくお願い致します！


■探索について
ジャタの森を探索します。
深い森で、長めの武器や移動速度が速い乗り物を使用するのには適しません。
また、ジャタ族の少女を送り届けるのが目的ですが、少女は方向感覚を失っているので、ある程度目印となるものを探す必要がありそうです。
ですので、基本的に徒歩での移動になります。
※獣人LC、もしくはジャタの森出身のPCはある程度の土地勘があるとし、少女の説明を聞けば少女の部族が分かるとします。
　ただ、迷子になっていますので、部族のテリトリーの手かがりを見つける必要があります。

■ジャタの森に住むもの達
パラミタオオカミやジャタタイガー、パラミタ象といった、凶暴な野生動物が生息しています。
パラミタオオカミは集団で獲物に襲い掛かります。
ジャタタイガーはジャタの森の中では保護色で見つけにくい上に、木登りなどが出来るので、木の上から不意打ちを受ける場合があります。
パラミタ象は普段は温和ですが、狩りの時は凶暴になります。

また、サーベルタイガー（剣歯虎）などの凶暴なモンスターが出現します。
このジャタの森近辺に出現するサーベルタイガーは俊敏な上に攻撃力が高く、何故か魔法が効きにくい性質を持っているようです。
契約者といえでも油断は大敵でしょう。

■薬草採り
ジャタ族の少女は薬草を採りに来ましたが、サーベルタイガーに襲われた時に全てなくしてしまっています。
帰りながら薬草を摘みたいと思っています。
※特技の「薬学」「魔女術」「ドルイド魔術」があると、効率よく探せます。
　アイテムとして配布されませんが、摘んだ薬草は部族の集落に着いた後少女が煎じてくれます。

・ジャタの森の探索

・ジャタの森の探索

・戦闘補助

・戦闘！