蒼空学園へ

イルミンスール魔法学校

校長室

シャンバラ教導団へ

半透明な少女の願い

リアクション公開中!

半透明な少女の願い

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る

シナリオガイド

古城に流れる噂 真相を確かめろ!
シナリオ名:半透明な少女の願い / 担当マスター: 奈々子

「幽霊騒ぎ……?」
「ええ、ご存知ありませんか?」

 若い職員の言葉に、ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)は耳を疑いました。

「学院の西にある、あの古城です」
「西の古城……。ああ、あの荒れた古城ですわね」

 ラズィーヤは会話を続けながら、この部屋には居ない静香に着せる服を選んでいます。

「庭が広くて、大きなお城でしたわね。  ……しかし幽霊と言いましても、学院外の事ですのに、何故そんな騒ぎになりますの?」

 確かに、百合園女学院は超お嬢様学校です。寮住まいではない生徒の帰りを学院外で待つ執事達の姿はちょっとした名物です。
 古城の前を通る生徒がいたとして、大体どの生徒も、執事や御付の人と共に登下校をし、寄り道をするなど聞いた事がありません。

「夢に、出てくるのだそうです」
「夢に?」

 ラズィーヤは思わず手を止めました。

「幽霊の噂 程度では、 学校の怪談 と同じですが、夢に出てくる以外にも色々とあるようでして……」


 例えば、執事や他の人には見えていないのに、自分にだけ古城の門に少女の姿が見えるという話。
 例えば、夢に少女が出てきて眠れなくなり、学業に差し支えてしまうという話。
 他にも、誰も居ない筈なのに、ぼんやりとした灯りが動いているなど……。


「城へ近付いては駄目、と虚ろに呟いて、そのまま倒れてしまった者も居るという話です」

 話半分に聞いていたラズィーヤは、真剣な眼差しになりました。

「騒ぎ、で終わっている内に、何か考えた方が良いですわね」
「ところで、校長はまだ戻られないのでしょうか」
「お手洗いに行くと言ってましたわ」

 ラズィーヤは視線を扉へと向けました。

「ここから一番近いお手洗いは、清掃中になっていましたが……」
「……それでも、遅いですわね」


 コンコンコンッ


 いつになく慌しく、扉を叩く音が響きました。

「どうぞ」

 少し驚いたラズィーヤが答えます。

「失礼します」

 入って来たのは表情を強張らせ、肩で息をしている職員でした。彼女は呼吸を整える様に一つ咳をして、言いました――


「生徒が数名、所在不明です! それと、これ……」
「これは……?」

 職員がラズィーヤに手渡したのは、ヘアバンドでした。
 静香がよく付けている、見慣れたヘアバンド――。ラズィーヤが見間違う筈がありません。

「静香さんのヘアバンドですわ……。これは、どこに落ちていましたの?」
「それが、西の古城の近くだと……」

 彼女によると、生徒の忘れ物を届けに来た執事が拾ったというのです。
 質の良いヘアバンドですので、学院の誰かの物ではないですか? と。

「すぐに全校生徒の人数と安全を確認して下さいな。それと、生徒には気付かれない様に、学院内外で不明生徒の捜索を。ただし古城付近はよろしくない噂があるようですので、契約者以外は近付かない様にお願いしますわ」

 ラズィーヤが言い終わると、職員2人は了承の返事をして、部屋を後にしました。

「静香さん……」

 とても小さな声で、ラズィーヤは呟きました――。



 ★☆★☆★☆★



「……様……」
「……う……ん……」

 寝起きの様な、ぼんやりとした声を出したのは桜井 静香(さくらい・しずか)でした。

「静香様!」
「……頭が……重い……。  誰……?」

 薄暗い周囲と、はっきりしない視界のせいで、静香は自分の名を呼ぶ声の主が判りません。
 そして重い頭を支えようにも、手は動いてくれませんでした。

「美緒です、泉 美緒(いずみ・みお)ですわ!」
「美緒、さん?」
「気が付かれました? ああ、良かったですわ」
「良かった……  いや、良くないよ! どうしたの、その格好!」

 段々とはっきりしてきた静香の目に映ったのは、手足を縛られて、横になっている美緒の姿でした。と、同時に、静香は気付きました。自分も美緒と同じ様に、身体の自由を奪われているという事に。

 えっと、確か僕はお手洗いに行こうと……

 何が起きたのか、静香は思い出そうとしますが、重い頭が考えを遮ります。

「きゃあっ!」

 突然、美緒が悲鳴をあげました。

「ど、どうしたの?」

 静香は美緒を見ます。そして、美緒の視線を追いました。

「――!!!」

 静香は声になりませんでした。

 2人の視線の先にあったのは髪の長い少女、その身体を通して、向こう側の壁が見える、透けた少女でした。
 少女は一歩、足を踏み出します。

「こ……  来ないで……」

 静香は涙目で、首を横に振りました。美緒は既に気を失っている様です。
 少女はゆっくりと、もう一歩、静香に近寄りました。

「やだ……  嫌だよ……」

 自由にならない身体を必死で動かし、近付く少女から少しでも距離をとろうと動きますが、場所は殆ど変わりませんでした。
 

 そしてもう一歩、少女は静香へと近寄り、足元へと手を伸ばしました。
 





担当マスターより

▼担当マスター

奈々子

▼マスターコメント

■ご挨拶

 二度目まして!奈々子です。
 前作から恐ろしく時間が空きましたが、宜しくお願いします!



■所在不明の生徒について

 学院内の誰にも何も言わずに消えてしまいました。勿論帰宅している訳ではありません。
 かと言って、簡単に学院外に出られる訳でもありません。
 どこか人目の付かない場所で倒れてしまったのか。
 それとも何者かに攫われてしまったのか。
 今の時点では何も判りません。
 時間としましては、お昼休憩が終わった後の授業開始直後くらいです。



■参加について

 どなたでも是非!
 ――なのですが、百合園女学院は男子禁制。
 外見が女性でなければ校内に入る事はできません。
 校内に忍び込むのであれば構いません。ただし見付かった場合はおしおきがあったり無かったり……。
 古城に行くだけの場合も構いません。
 ですので、男性の皆様は 是非! この機会に新しい世界の扉を開いてみてはいかがでしょうか。
 ちなみに明らかなマッチョメンでも、女性の格好で涙目で「私は女性なのに、酷いわ!」と言い張ればギリギリセーフです。(校内での言葉遣いは女性口調にさせて頂きます)
 外見が動物の方は男性でも校内に入れるとします。ただしペット扱い(イメージとしては警察犬です)とさせて頂きますので言葉を発する事は出来ません。精神感応など、言葉を発しないものでの会話は大丈夫です。

 全員が共通して持っている情報は
  ・女生徒数名と、静香、美緒が所在不明である
  ・幽霊騒ぎの大まかな内容
  ・下記の古城の構造

 となります。授業中ですので、一般の生徒に聞き込みは出来ません。
 


■古城について

 百合園女学院西方向、徒歩数分の近場にあります。
 特に立入禁止にはなっていない為、自由に出入り可能ではありますが、好き好んで入ろうという人は少ないと思います。
 敷地に入る為の門は古城の正面に一箇所と、勝手口の様な扉が何箇所かあります。
 庭はかなり広く、色々なオブジェがあり、また植物も多いですが、ここ数年全く手入れをされていないので荒れ果てています。
 方向感覚に自信の無い方は迷子になれます。
 建物は庭の中心辺りに位置しています。正面の扉、裏口、入れる場所は多々ありますが、どれも鍵は壊れています。
 建物自体はしっかりとしているので、床や階段が外れたりはしません。
 確認が取れている建物の構造は

 地下1階 地上1、2階 
 城から離れた場所に物置と思われる建物

 です。
 各階の部屋数、屋根裏などは未確認となります。
 人工的な灯りは一切ありません。



■他

 ●服装
  特に装備をしていなくても、服装につきましては
  俺はメイド服を着て女になるぜ!
  と、熱い思いを寄せていただければそちらを優先致します。
  それ以外は基本的に装備している物を優先致します。


 ●探索場所
  敷地が広いので、

  学院を探索後に古城の庭を探索する

  という事は出来ません。
  学院内 古城の庭 古城内部
  の、どこか一箇所のみでお願い致します。

  また、MCとLCは一緒に行動をしているので、片方が学院、片方は古城、という探索も出来ません。


▼サンプルアクション

・ 女生徒は何処に?

・ 幽霊なんぞ存在するものか!

・ 枯れた植物を調べる

・ 俺はやるぜ!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年06月11日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月12日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月16日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年06月26日


イラストを設定する 設定イラストを編集/解除する

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る