シナリオガイド
懐かれたら最後、命は5分!?【裏テーマ:巻き込まれてみませんか?】
シナリオ名:爆弾鳥リインカーネーション / 担当マスター:
YAM
地球上でもいろいろ伝説でおなじみの「不死鳥」。
炎の中で己の身を焼いて死ぬと同時に新たな体を得て生き返るとされる、無限の生死のサイクルを持つとされる鳥ですね。
地球上で伝説となったこの鳥のモデルは、遥か昔よりパラミタ大陸に生息しています。
そして、遥か古代に、特殊生物を研究していた学者たちによるとある研究グループが、かの鳥の生命サイクルを人工的に再現させる――つまり人工の擬似不死鳥を作り出すという実験をしていたらしいことが分かっていました。
このほど、この研究グループのラボの跡地が発見され、厳重に封じられた研究室内部から大量の凍結状態の卵が発見されました。
恐らくこれが、件の実験の成果に違いありません。
ラボの跡地を発見したのは、各学校の研究者たちによって組織された共同グループでした。そこで、彼らは大量の卵を等分に分け、各々の学校の研究機関に持ち帰りました。最初に生体反応や魔力反応などを調べるごく初歩的な検査の後、解凍してさらに研究を進める予定でした。
何しろ元が相当な量だったため、各校で分配してもたっぷりの数です。
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「そして、それらの卵から孵ったのがこのヒナだ」
一人の研究者の手の上に乗っているのは、その言葉通り、ひな鳥です。
パッと見、大きさなど鶏のヒヨコなどとそう変わりがありません。羽毛の色はやや赤銅色がかっていますがたっぷりとしてもふもふとその小さな体を覆い、眼はつぶらで大きく、ぴいぴいと可愛らしく鳴きながらその研究者の皺が寄った手に頭を擦り付けています。どうやら大分、研究者に懐いているようです。
「多くの鳥と同様、孵ってすぐに見た生きものを親だと思うようで……私を親だと思っているようだ」
普通不死鳥は、いわば己を親として生まれてすぐにその親は死ぬわけですから、このような普通の鳥にある刷り込みの本能があるのはすでにおかしいのですが……どうやら、擬似不死鳥は完全に伝説上の不死鳥と同じように作られたわけでないようです。
その見解を話した後、研究者は続けて、彼らの観察と実験によって得られた恐るべき事実を語り始めます。
「凍結を解かれた卵は、約30秒足らずで孵化したのだ。
これは、温度や明度などの周囲の環境条件とは全く関係なく、卵が周囲に生物反応を感知すると殻の内部で孵化への活動が開始されると分かった」
「更に驚くべきことに、このヒナは成鳥にならないのだ」
「何故なら、ヒナは約5分でほとんど強制的に転生してしまうのだ。
その5分間の間ヒナがすることといったら、親だと思っている生物のあとをぴいぴい言いながら追いかけ回すことくらいだ」
「不死鳥は炎の中で死んで甦る――つまり転生するわけだが。
驚愕すべきことに……ヒナは自家発火し、己の体を強制的に飛散させて崩すことで再び卵に戻るのだ」
「分かりにくいかな? よかろう、噛み砕いて言おう。
ヒナは孵ってから5分で爆発して元の卵状態に戻るのだ」
「この爆発は止められん、如何なる手段をもってしてもだ!
たとえ凍結しても、内側から湧き出す脅威的な生命エネルギーがそれを打ち破ってしまうのだ。
ヒナ自身、それを止める手段を持っていないようだ。
彼らは最後の最後の瞬間まで“親”のあとを追って走り回り――いきなり爆発して卵に還る」
「そして卵となってすぐにでも、周囲に生体反応を察知すれば孵化への活動を開始するのだ」
研究者の掌の上のヒナに、今までにない、固い緊張の視線が注がれます。
「――このヒナの寿命は、あと2分」
話を聞いていた研究会公聴席のメンバーが途端に後ずさりを始めました。
「何でそんなものを持ってきたんですか!!?」
それはすなわち、あと2分で爆発が起こるということに他なりません。
「仕方ないんだ!! どれだけ逃げても後をついてくるんだ!! 振り切れないんだ!!
この、必死で縋ってくるつぶらな目を見てしまうと……どうしても……どうしても……!!」
「バカなの!? 死ぬの!?」
馬鹿だし死も近そうな感じです。
擬似不死鳥――通称“爆弾鳥”は、人間の思惑も知らず、ぴいぴいと無邪気に鳴いていますが……
やがて、学校の至る所から爆発音が聞こえてきました。
爆弾鳥たちは研究室から逃げ出し、各校内の至る所でその物騒な生命サイクルを展開させていたのです。
担当マスターより
▼担当マスター
YAM
▼マスターコメント
こんにちは、YAMです。
これが最後のシナリオとなります。どうぞよろしくお願いいたします。
ガイド本文だけ読むと切迫した状況に思えるかもしれませんが、実際は結構コメディです。
というか、PL様のご希望でシリアス調にも完全ギャグ調にもしていただけるようになっています。
以下の注意を読んで、学園生活の中で自由に発想してアクションを考えてみてください。
【重要なPL情報】
PCは最初からは知り得ませんが、アクションをかけるに当たって前提としていただきたいことです。
それは、
爆発に巻き込まれても死にません。
(大怪我はするかもしれないけど)
死なない理由:基本コメディだかrげふんげふん。
真面目に言うと、爆弾鳥が卵化する時の爆発は、物理的には紛れもなく小型爆弾並みの衝撃なのですが、不死のサイクルが発する誕生のための『生命の』エネルギーもまた爆発の際に周囲に飛び散り、爆発に巻き込まれてもその恩恵を身に浴びるので、たとえ大怪我をすることはあってもそのエネルギーによっていくらか相殺される分もあるので、死にまでは至らないという、理屈です。
イメージ的には、昔のギャグ漫画なんかで大爆発しても次のコマでは包帯ぐるぐる巻きで生きてるみたいな感じで。
その他、「偶然胸に入れていた●●のおかげで助かった……」「何故か破れたのは服だけだった!!」みたいなネタ満載で、
都合よく軽傷または無傷で助かるアクションも大いにウェルカムです。
大怪我したけど精神的にはぴんぴんしてる、とかももちろん大丈夫です。
【爆弾鳥の特徴】
外見の特徴は本文の通り。つぶらな瞳と、赤銅色だけどもふもふの羽毛がプリティです。
・爆発の規模は、校舎を吹っ飛ばすまでではないですが、教室1室は余裕で吹っ飛びます。
・初めて見た人(動物)を親だと思い、何が何でもついていこうとします。
スキルを使って逃走した場合、見よう見まねでそのスキルを真似します(レベル的にはかなり劣化するので、振り切ろうと思えば余裕で振り切れるはず)。
爆発する最後の瞬間まで追いかけようとします。
姿を見失っても必死で探して追い続けます。
その健気さと痛ましさは、小動物好き属性のハートをくすぐる、かもしれません。
・攻撃をする場合:
ヒナは己から攻撃する術は持ちませんが、不死の鳥だけあって物理も魔法も耐性は馬鹿げて高いので注意。
本気で戦わないとまともにダメージを与えられないですが、ちっちゃなヒヨコに本気出す図は見た目非常にえげつないので注意。
攻撃されても、親に付いていき、親と共にいようとする行動は変わりません。
攻撃してくる相手が親と認識した相手であっても、ついていこうとします。
ただし、体が攻撃に耐えきれなくなると、その場で爆発して卵に還ります。
・卵の状態で、周囲半径5メートル以内に生体反応を感知すると、その場で孵化へのカウントダウンが始まります。
30秒弱で完全孵化し、すぐに親探しに入ります。
・殺すことは不可能ですので、活動を止めることが一番の主眼になるでしょう。
最も効果的とされるのは、卵の状態で(孵化する前に)凍結させることです。
ヒナの状態になってから凍結させるのはほぼ不可能です。
・時を止める系のスキル等で時間を稼ぐ場合:
時の停止で鳥の活動を一時的に止めることはできますが、その術を解除すると、停止中に経過した時間が即座に還元される点に注意してください。
例:爆発カウントダウン残り1分(4分経過)で時間停止→4分後に解除する→孵化から合計8分が経っているので解除した瞬間に爆発
【爆弾鳥と自分からは絡みに行かない日常系アクション】
舞台は各学校なので、爆弾鳥に関係なく登校した、というアクションもありです。
勉強、部活動、友達と遊ぶ等々。
そこに何らかの形で爆弾鳥が関係して巻き込まれる感じになります。
例:親を見失ったヒナ鳥が駆け込んでくる/爆発で吹き飛ばされた何かが落ちてくる 等
どんな風に巻き込まれる(爆弾鳥騒動と関わる)か、希望がある方はお書きください。
なければ日常アクションのみで。こちらの裁量で巻き込ませて頂きます。
【公式NPC参加】
現状で学校にいることがおかしくない状態の公式NPCのみ、LC枠を1つ追加して参加させていただけます。
そのLCのアクション欄に、NPCの行動をお書きください。
但し、公式NPCを参加させる場合、(PCの所属校に関係なく)アクションの舞台はそのNPCの所属校でお願いします。
また、PCとNPCの親密度によっては、アクションの要望に添いかねる場合もあるのでご了承ください。称号等で関係を示してください。
基本的に、教職員や学校運営に関わるNPCは、すでに状況を把握し事態の収束のために動いています。
生徒NPCは、思い思いに学校で時間を過ごしているでしょう。
ちなみにYAMのNPCは、絡みたい方がいらっしゃったらお好きに絡んで頂けます。LC追加は必要ありません。
イルミンスールに「杠 鷹勢」&「魔道書 パレット」+はぐれ魔道書達、蒼空学園に「綾遠 卯雪」&「キオネ・ラクナゲン」がいます。
(マスターページ参照)
【各校の対応】
それぞれの学校の、爆弾鳥を扱っている研究施設は、再び卵を凍結させてすべて回収しようとしています。
施設でそれぞれ冷凍隔離室を準備して、凍結した卵を保存する準備は整えられています。
ちなみにすべての学校に卵は持ち込まれていますが、パラ実だけは、運んできた配送業者が「どこに持っていけばいいんだ?」と迷っている間に、モヒカンたちがやってきて何やら金目のものだと早合点したらしくヒャッハーと略奪していきました。凍結状態を維持する装置に入れたはずがないので、やはりどこかで解凍されたでしょう。一応パラ実周辺でも、他校の研究機関が状況を危惧してプレハブ形式の冷凍隔離室を設置していったので、卵を回収したらそこに運び込めます。
【爆弾鳥シチュエーションの利用例】
爆発しても致死的ダメージに至らないことを利用してのコメディ寄りなアクションも歓迎。
・ヒナの愛らしさに負けて爆発する瞬間まで「私がママよ」状態
・お茶の途中で親を追うヒナが駆け込んできた爆発したが、吹き飛びながらもお茶を飲み続けた
・どれだけ突飛な理由によって無傷で済むか、の限界に挑戦する
などなど。
また、
・爆発の危機に恋人等をかばったり、カッコいいところを見せる
・計画的に、爆発寸前に気に食わない相手に投げつける
などなども。
皆様の生活の一場面へのスパイスとして、ぜひ、ちょっとした爆発をご利用ください(え?)。
【もちろん…】
真っ当に計画を立ててまともに爆弾鳥を回収するアクションも歓迎です。
学校及び研究機関はすべての卵の回収&再凍結のために動いています。
もし、この回収作業の効率が捗々しく進まないということになりますと、大型の凍結機械がキャンパスに運び込まれて辺り一帯構わず強制凍結させての回収、という乱暴な最終手段がとられることになります。卵は凍結回収できますが、引き換えに学校施設(+最悪その辺にいた人達)にも甚大なダメージが出る恐れが……
▼サンプルアクション
・爆弾鳥を回収する
・(敢えて)爆発で吹っ飛んでみる
・学校に来たら騒ぎに巻き込まれた
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2014年09月25日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2014年09月26日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2014年09月30日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2014年10月15日