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五機精の目覚め ――翠蒼の双児――

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シナリオガイド

「破壊」と「再生」の五機精を狙う影
シナリオ名:五機精の目覚め ――翠蒼の双児―― / 担当マスター: 識上 蒼

  その二つは相反するようで、本質的には同じである。
        ――アントウォールト・ノーツ著『物質の原理』より抜粋――


 空京大学のPASD(パラミタ先進調査部)本部にて。
「四月の調査データもある程度まとまったから、そろそろ次の調査に乗り出そうと思う」
 現PASDの責任者である司城 征が口を開きました。
 今この場には一月の旧調査団と、四月にPASDとして調査を行った面々が集っています。
「ガーネット・ツヴァイの話だと、ドライとフィーアは封印されている施設に留まっている可能性が低いらしい。そこで今回は残りの二人を探し、保護しようと思う。場所は、この二つだね」
 スクリーンに地図を出し、該当箇所を示す司城。
 今回の調査は、
 イルミンスールの森の南西部
 ヒラニプラ北部
 の二ヶ所だと説明します。
「既に各学校に協力要請も出してるよ。今回の調査は今までよりも多くの人員が必要なのさ。ここにいる人は知っていると思うけど、ジェネシス・ワーズワースの遺産を狙っている者がいる。しかも相当な実力者を雇ってる。一筋縄じゃいかないと思う」
 四月の調査でPASDの先遣隊を一人で壊滅させ、ツァンダで機晶機械の暴走事件を起こした傀儡師は、記憶に新しいものです。
「無理に今回も手伝ってくれとは言わない。それだけの危険を伴うからね。だけど、もし今回も手伝ってくれるなら、くれぐれも無理はしないで」
 司城は気を配るかのように学生――PASDのメンバーを見渡しました。


「リヴァルト」
 PASDの会議の後、司城はリヴァルト・ノーツ(りばると・のーつ)に声を掛けました。
「悪いけど、今回はボクと行動を共にしてもらうよ。理由は、分かるね?」
 彼はワーズワースという科学者と繋がりを持つ人物として、狙われる立場にありました。おそらく今回も彼の周囲で何かが起こると考えたのでしょう。だからこそ、今度は司城自ら動いたのです。
「ヒラニプラにはエミカが向かう事になってるよ。最初はキミと行くってきかなかったんだけど、まあなんとか説得しといた。まあ、代わりにガーネットを連れて行かせる事になっちゃったんだけどね」
 ガーネット・ツヴァイは五機精の一人です。彼女は傀儡師の力の影響を受けるために、今回は空大に待機させようとしたようです。しかし、エミカ・サウスウィンド(えみか・さうすうぃんど)が「ガーナなら、友達の顔が分かるでしょ?」と、リスクを承知? で連れて行こうと言いました。司城は渋々納得した、というわけです。
「まったく、エミカさんは……だけど、あの子は例の武器も使いこなしているようですから、ガーナさんの護衛にもなるでしょう」
 エミカの持つ【紫電槍・改】の事を思い出し、リヴァルトは嘆息しました。
「では、準備が整い次第行きましょう」
 司城、リヴァルトはイルミンスールの森の方へ
 エミカ、ガーネットはヒラニプラの方へ
 それぞれPASDの調査メンバーと共に向かいます。


(さて、そろそろちゃんと仕事をしないと、僕の信用に関わりそうだな)
 彼らと時を同じくして、傀儡師もまた五機精の確保のために動き出していました。

            * * *

「今度はおめぇも出るのか?」
 芹沢 鴨は目の前の男に言い放ちました。
「ええ、ワーズワース殿がようやく自ら動くとの事ですから。それに、私も久しぶりに刀を振るえそうですからね」
 そして彼は静かに鴨のもとを去りました。
伊東甲子太郎、相変わらず何考えてんのか分かんねぇヤツだ)
 姿が見えなくなったところで、静かに呟きます。
(まあ、俺は俺のやりてぇようにやるぜ)
 鴨もまた立ちあがり、その場をあとにしました。

 ――さて、今度はちょっくら本気出してくるか。


担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 五機精編、「双子の章」です。時系列的には「紅榴(4月)」→「当シナリオ(5月)」となっています。
 ストーリーそのものは遺跡編(謎の古代遺跡と封印されしもの)から繋がっていますが、一回完結方式を取っているため、今回初参加の方も歓迎致します。学校制限もございません。
 あらすじ、基本情報は最低限、紅榴15ページと遺跡編第3回14ページの調査報告だけ読んでおけば大丈夫です。

 今回はイルミンスール、ヒラニプラの二つの舞台が存在します。どちらも、ジェネシス・ワーズワースという科学者に関連した施設です。
※全学協力体制ですが、舞台の関係上イルミンスール、教導団の生徒はたまたま近くを通りがかったという理由での参加でも問題ございません。
 
 一つの指針としては、遺跡調査→五機精の保護という流れです。事はそう簡単に運ぶとは限りませんが……
 
 このシナリオはシリーズを通して難易度が高く、判定も非常にシビアなものになっております。ダブルアクションやシナリオの時系列に矛盾する行動にご注意ください。
 特にMC、LCでの別行動という点でのダブルアクションは非常にもったいないのでお気をつけ下さい。

以下はアクション上の注意になっております。よくご確認下さい。

※新規参加者の方
 次の情報はPCが持っている状態であるとしていいものです。これは、調査本部のデータベースにある情報だからです。
・五機精に関する基礎データ(現在、五体の名前、フィーア以外の能力特性まで判明)
・今回の遺跡が、「遺跡編」の舞台の関連施設である事。
・合成魔獣についての基礎情報(ガルーダ、アスピドケロンの外見的特徴)遭遇すれば、見て分かる。
・機甲化兵についての戦闘データ(雷電属性が弱点、それ以外は効かない。他、攻撃パターン、雛型の存在等)
・傀儡師というワーズワースの遺産を狙う者の存在。

アクションを書く段階では、単にPCがそれらを知っている事が前提になる、程度ですのでさほど難しく考えなくて大丈夫です。

※「遺跡編」「紅榴」参加者
 調査部のデータベースの他に、各々が見聞きした情報を持っているものとします。過去のリアクション内において共有したもの以外は、他PC、並びにデータベースに「開示するかしないか」を選択出来ます。開示した場合、それらの情報は共有される事になります。
PC的に秘めておきたい情報は開示しない方がいいかもしれません。

ここからは全体、PLに向けたものです。

※遺跡情報(イルミンサイド)
・魔法関連の仕掛けや資料が多い。
・地上部は森の浸食を受け崩壊、地下は四階まで存在。
・地下もまた木の根に浸食され、半迷宮化状態。
・遺跡内は魔力汚染現象が起こっている。魔法を使う際は注意が必要。
・魔道書が存在する可能性。

※(ヒラニプラサイド)
・地上部分は崩壊。地下は四階まで存在。
・機甲化兵だらけ。雛型(やたら強い機甲化兵。二体は撃破済)もいるかもしれない。
・地下層はほとんど無事。構造は分かりやすい。
・試作型兵器(魔力融合型デバイス)や人工機晶石がどこかの階層に存在する。

※その他シナリオ全体情報
・芹沢 鴨、伊東 甲子太郎は別々の遺跡に現れます。どっちが来るかは現時点では不明です。
・傀儡師はどちらか一方に来ます。
・片方には合成魔獣がいる可能性があります。
・機晶姫を連れていく場合、注意して下さい。傀儡師が現れた場合、行動不能もしくは操られる可能性大です。
・試作型兵器を発見した場合、使用可能です。ただし、武器に対応したクラス(武器レベルが成長するのが『対応』の条件)であなければなりません。一回の戦闘につき使えるのは一つです。(一回の戦闘とは、モンスター一体を倒すまでの間とお考え下さい。ただし戦闘中に敵の攻撃で破壊される可能性はあります)
・人工機晶石も手に入れている場合、使用時間が延びます。
・エミカの紫電槍・改は試作型兵器の司城カスタムです。雷電属性の物理攻撃が出来る以外に特別な意味はありません。威力もオリジナルには劣ります。
・五機精以外にも、失敗作の方がいる可能性もあります。ただし、片方にエメラルド・アインが、もう一方にサファイア・フュンフがいるのは確定です。
・ガーネットは機晶姫扱いです。傀儡師が出たら行動不能になります。下手すると攫われます。
・一番弱い敵は、量産型の機甲化兵です。
・名前持ちは相当な強さであると覚悟して下さい。
・サンプルに縛られ過ぎるとむしろ失敗するかもしれません。

また、ガイドに名前が出ていませんが、「銀髪の魔女」と「黒ドレスの女」の存在が示唆されています。何者かについてはまだ判明しておりません。

 今回の結果もまた、次回のストーリーに影響を及ぼします。

 いろいろと情報が出ておりますが、はっきり言って何が起こるか一切予測が出来ません。前回にも増して不確定要素が多い気がします。


 ここがまた一つの大きな分岐点です。皆さん頑張って下さい。

▼サンプルアクション

・調査チームの護衛(ヒラニプラサイド)

・五機精に会うため、地下深くへ進む(イルミンスールサイド)

・傀儡師との接触を図る

・ガーネットを守る(ヒラニプラサイド)

・伊東との邂逅を果たす

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年05月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年05月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年05月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年06月16日


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