イルミンスール魔法学校

　玄武甲を見つけることは出来ましたが、シャムシエル・ザビクに石化したホイップ・ノーン（ほいっぷ・のーん）ごと取られてしまいました。

　高い鉄線に囲まれたコンクリート製の建物の中。
「わかりました！　すぐに向かいまっす！」
　薬屋のおやじことシャガ・コチョウは携帯電話を切ると、自分の研究室を飛び出し、廊下を走って行きます。
　ギヌラ・ベルベットとプレートに書かれている頑丈な扉を勢いよく開けました。
「すぐに必要なんだ！　５、６体欲しい！」
「また急だね、シャガは」
　シャガが話しかけたのはファラオの様な格好の上に白衣を着て、目の下に物凄いクマを作っている人物でした。
「良いのか！？　悪いのか！？」
　シャガは食ってかかります。
　その瞳はカッと見開かれ、血走っています。
「……そうだね、そこにいるのはもう完成形だからいらない」
　白衣の人物が指した先にはいくつも大きな水槽があり、その中には奇妙な形をした動物達が入っています。
　そう……キメラです。
「助かった！　今度また必要な材料を作ってやるからな！」
「頼むよ」
　ファラオの様な姿の人物は自分の研究に戻って行きました。
「待ってて下さいね！　ティセラ様〜！」
　シャガは嬉しそうに、キメラを物色し始めました。


　キマクにある洋館の中。
　以前も使われたこの館の地下室で、ゆっくりとホイップが目を開けました。
　もうとっくに石化は解かれていました。
「…………」
　しかし、その瞳からは生気が感じられません。
「これで、ホイップもわたくし達の仲間ですのね」
　ティセラ・リーブラ（てぃせら・りーぶら）は嬉しそうに言いました。
「ああ、でも完全じゃないから大きなショックを与えると戻っちゃうんだ。気を付けないとね」
　シャムシエルが、そう告げました。
「それじゃあ、ボクは玄武甲を持って先に帰ってるよ」
「お願いしますわ。わたくしはホイップを追ってきている方達のお相手をしてから戻ります」
　シャムシエルは洋館から出て来ました。
　洋館の外では気配を消している２人の姿があります。
「あれは……玄武甲ですね。ホイップも気になりますが……追いますよ、フィック」
「うん、ママ！」
　小型飛空艇に乗った島村　幸（しまむら・さち）が後ろに乗っているメタモーフィック・ウイルスデータ（めたもーふぃっく・ういるすでーた）に話しかけました。
　２人は慎重にシャムシエルを追いかけて行きました。

　今回のシナリオで一段落つくことになると思います。
　前回まで参加していなかった人も温泉で寛いでいて、事態をあとから知ったとしていただいて大丈夫です。

　幸さんとメタモーフィックさんはシャムシエルを追いかけることが出来ます。
　勿論、追いかけることが出来るとはいえ、そのまま洋館に残るのも自由です。

　ホイップの洗脳は大きなショックを与えることで元に戻すことが可能です。
　ちょっとやそっと怪我をするくらいでは戻りません。
　ホイップは攻撃してきますので要注意。

　ティセラ側につく方は洋館からスタート出来ます。
　おやじがキメラを借りてきたので、それと一緒に迎え撃つ事が出来ます。
　キメラの容姿は自由に考えて下さいませ。
　ただ、こちらでアレンジさせていただいたり、不採用となる場合もあります。

　ティセラについて行かなかった人達は秘湯迷宮の場所からのスタートとなります。

　前回、石化してしまったキャラクターが参加される場合は石化は解かれており、自由に動く事が出来るようになっています。

・ホイップを救出！

・洋館で待機ですわ

・ホイップを元に戻したいのです