イルミンスール魔法学校

　
　真っ青な空にはほとんど雲も無く、今日も暑くなりそうです。
　そんな空の下、パラミタ内海に面する海岸では、急ピッチで浜茶屋『海桐花』（とべら）の組み立て作業が行われていました。

「今年は盛況だとよろしいですわね」
　様子を見に来ていた白鞘　琴子（しらさや・ことこ）が、扇子を揺らします。といっても服装はさすがに着物ではなく、コットンのワンピース姿でした。
「ああ。去年の売り上げはさんざんだったからなぁ」
　答える海桐花の店主、石島源太は20代半ばほど。頭にはタオルを被り、先に立って作業をしています。もう真っ黒に日焼けしている顔に、歯だけがやたらと白く目立っていました。

「やはり、メニューがカキ氷と飲み物と焼きそばだけ、というのがよくないのではありませんの？　他の海の家はそれぞれ、工夫したものを出していますのに。それに、お店もシンプル……というよりは、まったく何も手がかかっているものがありませんし……」
「んなこと言ってもなぁ。オレには焼きそばくらいしか作れないし、センスなんてもんもないからな。どうすりゃあいいのか、さっぱりだよ。まあ、頑張ってやれば何とかなるさ、きっと」
　やる気だけはある源太は、任せろとばかりに腕を叩きましたが、去年の様子を知っている琴子はそれで安心は出来ません。

「あ、そうそう。学生のアルバイトはもう何人か問い合わせがあったよ。張り紙サンキューな」
「それは良かったですわ。パラビーも心配していましたもの」
　去年はアルバイトもまともに集まらず、源太がほとんど休むことなく働き続けて浜茶屋を支えることになりました。それを心配した源太の知り合いであるパララビ　パラビー（ぱららび・ぱらびぃ）が、琴子に貼り紙を頼んだのです。
　募集したのは、浜茶屋『海桐花』のアルバイト、そして、この海水浴場を守るライフセイバー。そのどちらにも問い合わせが来始めています。この分なら何とか必要な人数が集まってくれるかも知れません。
　アルバイトをする間、寝泊りは源太の家で出来ます。食事までは源太の手が回らないため、こちらは毎年、アルバイトの学生たちが持ち回りで炊事をやっているようです。

「よっしゃ、みなぎってきた！　今年はなんだかやれそうな気がするぞー！」
　オープンを前に、源太は今年も大張り切り。
　それを眺める琴子は、どこか不安げなのでした。

　こんにちは～、桜月うさぎです。
　今回は夏らしく、海のシナリオを出してみました。
　夏の海辺にはよくあるような風景。そこで、夏のひとときをすごしてみませんか、というのんびりのほほんとしたシナリオです。
　海で遊んでいただいてもいいですし、つぶれそうな浜茶屋を立て直していただいてもいいですし。もちろん、デートにお使いいただいてもいいですし～。
　どの学校でも入れますので、初心者さんから玄人さんまでお気軽にどうぞ～。

　ではでは。
　皆様のご参加をお待ちしております～。

・海で遊ぶ

・浜茶屋の立て直し

・浜茶屋でアルバイト

・夜の海を散策する

・その他の行動をする