イルミンスール魔法学校

　
　とある秋の日の午後。百合園女学院の掲示板に、流麗な文字で書かれた手紙が張り出されました。
　手紙の差出人は、メアリ・ミラー子爵夫人。ミラー子爵夫人は、百合園女学院のあるヴァイシャリーから少し離れた風光明媚な村・タリスホルンの領主館に引っ越してきたばかりの美しいと評判の女性です。


『親愛なる百合園女学院の麗しきお嬢様方へ

　拝　啓

　豊かな実りの季節となり、お嬢様方もいっそう輝いておられることとお喜び申し上げます。
　さて、突然のお便りをお許しください。
　百合園女学院のお嬢様方ならば、私のような余所者にも暖かい手を差し伸べて下さると信じ、筆をとりました。

　私が療養のためにツァンダよりこのタリスホルンに移り住んでから、早や二ヶ月になります。体調は安定しておりますが、未だ外出の機会も少なく、なかなか村の方々と親しく打ち解けられずに淋しい思いをしております。
　そんな折、私の故郷より収穫されたばかりの葡萄が届けられました。そこで、これを機に故郷での収穫祭を真似たパーティを開き、村の方達とお近づきになれればと思い皆様をお誘いしたものの、良い返事を頂けずに困っております。
　私の故郷の収穫祭では、乙女の葡萄踏みが欠かせないものとなっており、華やかな乙女達と共に楽しく過ごせる素晴らしいひとときでもあります。このままでは、せっかくの葡萄も無駄になってしまうでしょう。
　そこで、地球という遠い地より移り住み、今やヴァイシャリーの住人の方々とも親しく打ち解けられている皆様ならば、私の気持ちを理解し、力になって下さるのではと思い、不躾ながらお手紙させて頂くことに致しました。
　もしも、収穫祭の葡萄踏みなどという他愛もないお祭りに興味のある方がいらっしゃいましたら、また、淋しい未亡人を憐れと思っていただける心やさしいお嬢様がいらっしゃいましたら、どうか、私の館へいらしていただけませんか？　心より歓迎いたします。

　百合園女学院の麗しきお嬢様方の毎日が、美しく実り多き日々でありますように。

　追伸、２０歳以下の乙女に限ります。』


　ミラー子爵夫人の手紙はこれで全てですが、その横に学園からの注意書きが添えられていました。

『学園の身元調査の結果、メアリ・ミラー子爵夫人の身元は保証済みです。
　しかし、タリスホルン周辺では、ミラー夫人に纏わる噂として、次の話があがっています。

　・館へ奉公に上がった娘と連絡がとれなくなった。
　・館へ奉公に上がった娘が人が変わったようになり、帰ってこない。
　・夜、館の庭でアンデッドが徘徊しているのを見た。
　・裏庭の井戸からすすり泣く女の声が聞こえる。

　以上の事から学園では安全を危惧する声もありましたが、確たる証拠を入手するには至っておりません。
　また、プライバシー等の問題もあり、これ以上の調査をする事ができないため、学園側では安全を保障しかねるという判断でおります。
　招待を受ける方は、全て自己責任でお願いします。
　参加希望者のために、明朝、ミラー子爵夫人からの迎えの馬車が当学園前に到着するとの連絡がありました。
　尚、外泊届けは、本日消灯までに提出して下さい。』

　収穫祭という楽しい響きと、自己責任という不穏な言葉で、生徒達はどうしようかと悩んでいます。

　こんにちは、お久しぶりの玉野です。

　このシナリオは、百合園女学院優先補正がかかっていますが、他校生の方も歓迎します。
　ミラー夫人の館に入れるのは、
　・外見年齢が１９歳までで、実年齢が不明か１９歳までの方
　・外見性別が女性で、実性別が不明か女性の方
　上記２つの条件を満たしている方に限ります。
　女装や実性別男性は見破られるので入れません。護衛の方も条件内なら入れますが、メイドの監視が付きます。
　迎えの馬車は学院前に到着しますので、他校生の方も乗れますが女性のみです。同行される男性の方は乗り物をご用意下さい。
　馬車には実性別が男性でも外見が女性ならば乗れます。女装の方も同様です。ただし、館では門前払いにされますのでご注意下さい。

　アクションについてですが、葡萄踏みに行かれる方は、葡萄を踏む状況やら踏み方やら何やらに工夫があると採用されやすいと思います。
　護衛される方は、お互いに協力すると乙女達を守れる確率が上がりそうです。
　館に忍び込む方は、忍び込む方法や秘密を探る方法、真相の推測などにキラリと光るものがあると活躍できるかもしれません。
　もちろん、サンプルに無いアクションも大歓迎です。
　が、シナリオにまるで関係のない行動は、失敗・没になる可能性がありますのでご注意下さい。（例：村で行方不明の妹を探す。）

　ではでは、皆さまの熱いアクション、楽しみにお待ちしています。


※注意事項※
■白紙アクションの描写はしません。
■ＬＣがＭＣと離れて行動する場合、ＭＣと離れている間の描写はしません。また、行動が失敗・没になる可能性があります。
■服装欄のアイテムは採用されません。使用したい武器やアイテムは武装欄に装備して下さい。服装欄に装備した場合、失敗・没になる可能性があります。
■装備していない武器やスキル、道具は自称扱いとなります。ただし、道具は平均的なホームセンターの品揃えレベルまでなら装備しなくても持ち込めるものとしますが、道具によっては用意出来ない事もありますのでご注意下さい。
■シナリオガイドに出て来ないＮＰＣへのアクションは失敗・没になる可能性があります。
■他シナリオやキャラクエの内容・関係に基づくアクションは失敗・没になる可能性があります。


＜初心者様へのアドバイス＞
　◎事前準備として、まず、自由設定欄にキャラの補足設定を書き込み、他の人との差別化を図りましょう。
　　その際、他のキャラクターデータと矛盾が生じないよう気を付けて下さい。

（１）どうやってアクションを書いていいかわからない方は、まず、サンプルアクションを読みましょう。
（２）その中で、自分のプレイヤーキャラクター（以下ＰＣ）がとりそうな行動に１番近いものを選びます。
（３）選んだサンプルアクションを、自分のＰＣ用にカスタマイズしていきましょう。
　　　どうしてＰＣがその行動を取りそうだと思ったのでしょうか？＝これが動機になります。
（４）その動機から、貴方のＰＣがシナリオ内でやりとげたい事＝目的を決めましょう。
（５）動機に突き動かされた貴方のＰＣは、目的を成功させるため、どのように行動するのでしょうか？
　　　また、事件に対してどのように考え、どんなセリフを言うと思いますか？
　　　それをサンプルの手段にある原文に、足したり引いたりして自分のＰＣらしさを出していきます。
　　　＝これが手段に書くべきものとなります。
（５）ひと息ついて、ＰＣからプレイヤーへと頭を切り替えましょう。
（６）さて、貴方はプレイヤーとして、マスターに、自分がＰＣにこの様な行動（アクション）をとらせた理由を伝える事ができます。
　　　「たまにはＰＣのカッコいいところを見たい」「もふもふとわふわふしたい」「是非、スク水姿を！」
　　　「誰かの役に立って欲しい」などなど。＝これを「プレイヤーの意図」に書いて下さい。

　もちろん、書くのに馴れてくれば、この限りではありません。
　貴方のＰＣが、物語の中で取りたい行動や気持ちを、いかにマスターに伝えるかが肝心なのです。

・葡萄踏みを手伝う

・皆を護衛する

・館に忍び込む