イルミンスール魔法学校

「最近は……だいぶ夜も暖かくなってきましたねぇ」
「そうですね～。すごしやすい気候になってきて、外には新しい命も芽吹き始めていますねぇ♪」

　ゆったりとした、とある春の夜。

「新しい命といえば、ロック鳥の卵が孵りそうだと、生物学部の生徒が話していましたぁ。巨大な鳥小屋まで用意し始めて、気の早いことですぅ」

「あ、それは嬉しいことですね～。ロック鳥の人工孵化は前例が無い上に、孵化予定の冬を越してしまっていたらしいですからねぇ」

　イルミンスール魔法学校の食堂では、校長のエリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）と、たまたま食堂に納品へやってきた【宿り木に果実】の看板娘、ミリア・フォレスト（みりあ・ふぉれすと）の二人が、紅茶とケーキでまったりと食後のティータイムをすごしていました。


　ところが――
「え、エリザベート校長！！」

　突然、食堂のドアを勢いよく押し開けられ、数人の生徒が転がり込んできました。

「な、なんですかぁ！？　入るときはノックぐらいしてください～！」
「も……申し訳ありません！　ですが、緊急事態なんです！！」

　生徒達は、全速力で走ってきたせいか息を切らしていました。

「実は……ロック鳥の卵が盗まれたんです！！」
「な……たしかに、それは一大事ですぅ！！」

　ロック鳥の卵は、紆余曲折の末イルミンスール魔法学校で大切に保護されてきた、巨大怪鳥の卵です。

「保護している生物部の部室に、飛空艇で何者かが集団で侵入してきたらしく……卵の世話をしていた生徒が止める間もなく、一瞬で卵を盗み出していったそうです！　しかも、卵はもうすぐ孵るらしんです！！　孵化前のロック鳥は、雛の刷り込み目的で法外な値段で取引されるらしいんです！！
「むぅ。この時期に盗賊……相手は、そうとう綿密に計画を練って機会を窺っていたみたいですねぇ」

　話しを聞く限りでは、犯行集団は部室の場所から卵の位置まで……全てを周到に調べ上げていたようです。

「とにかく、このまま逃がすのは癪に障りますぅ！！　今すぐ、自由に動くことが出来る生徒は盗賊を追いかけるですぅ！　そして、他校にも応援を要請するですぅ！」

　一刻を争う緊急事態。まったりとしていたはずのイルミンスール魔法学校には、いつの間にか緊迫した空気が流れていました。

　初めましての方も、そうでない方もこんにちは。ゲームマスターのカルーア・長谷川と申します。
　よろしくお願いいたします。

　このシナリオは昨年の初夏に執筆させていただいた【ロック鳥の卵を奪取せよ！！】の続きということになります。
　ですが、前回のシナリオに参加されていなかった方も是非ともご協力ください！！

　皆さんは孵化寸前のロック鳥の卵を取り返しにいってください。
　他校の生徒でしたらイルミンスールの友達から今回の件を聞いた、といった理由で、学校に関係なく自由に参加できます。

　ロック鳥の卵は、１ｍ程という大きいです。
　強度は普通の卵とそれ程変わりませんので、持ち運びには注意が必要です。

　襲撃を受けた生徒の話しでは、盗賊は空京へ向かう前にキマクへと立ち寄って燃料を補給すると話し合っていたらしので、キマクへと向かって一網打尽にするのが得策でしょう。
卵が売られる前、そして雛が孵る前に卵を取り戻してください。

　無事にロック鳥の卵をイルミンスールまで届けたら、後は孵るのを待つだけです。
　もちろん、孵化のための準備も必要になってきます。
　

・みんなで協力して盗賊たちを倒す！

・全速力で飛んで行き、盗賊たちを足止め！

・盗賊たちに追っての情報をしらせて恩を売る

・巨大な飼育小屋を製作しておく