シナリオガイド
各々の思惑渦巻くオークション! 点と点を結んでみると……?
シナリオ名:名家と雑貨屋とオークション / 担当マスター:
こみか
「姉さん、何だよこの大赤字は!」
ツァンダ郊外の小さな雑貨屋、ウェザー。
帳簿整理をしていたレインは、看板娘でもある三つ子の姉のサニー・スカイ(さにー・すかい)に向かって悲鳴を上げました。
「見ての通り、商品の購入費よ。私の目に狂いはないわ。この品々、高価なものに間違いない!」
サニーは自信満々でいくつかの装飾品を取り出しました。
それは荘厳な彫刻が施され、高価そうな宝石が埋め込まれた指輪、首飾り、ブローチ……
その全てに、薔薇と月と雲を模した紋章が入れられていました。
「ここ最近、すごく綺麗な男の人がこれを売りに来るのよ。これはアレね、きっと没落した名家の人間が資金繰りに困ってこっそり売りに来てるに違いないわ!」
「そんな都合がいい話あるわけないじゃないか……」
無意味に自信たっぷりのサニーの話を、レインは呆れた様子で聞き流します。
しかしもう一人の弟クラウドは、更に深刻そうな様子でサニーに尋ねます。
「ところで姉貴、これはどうやって売り出すつもりだ?」
「今度、大きな町でオークションが行われるそうじゃない。そこに出品する予定よ」
「あれってさ、ある程度売り物の出自をはっきりさせないと、高く売れなかったんじゃないか?」
「え……っ」
クラウドの言葉に、サニーは顔をひきつらせます。
当然、彼女はそんな小難しい事など考えていなかったからです。
「どーすんだ、オークションまであと一週間」
「ああ。もし売れなかったら……最悪、この店を手放すしか」
「た」
「た?」
「大変! すぐにアクセサリーについて調べなきゃ! あとオークションの手続きも!」
サニーの号令の元、ウェザーの三人は慌ててそれぞれの調査に取り掛かったのでした。
※※※
「兄さんはまた部屋から出てこないのですか?」
「はい、ムシミス様。数日前から鍵をかけられておりまして……」
「全く、兄さんにも困ったものですね……」
タシガンにあるジャウ家の中で、ムシミスが小さくため息をつきました。
かつて名家だったジャウ家も今では没落し、資金繰りのための当主ムティル・ジャウ(むてぃる・じゃう)の結婚にも失敗し、非常に苦しい立場にありました。
その上、当主の弟ムシミスは使用人に命じて兄のムティルを屋敷の外に出さないように軟禁。ムティルも大人しくそれを受け入れ、時には部屋から気配を潜め一歩も出ない日が続くこともありました。
しかし不思議な事に、ジャウ家の資産は使用人の賃金も払えないほど切迫しているにも関わらず、数人の使用人がきちんと残って仕事をしているのです。
時折、ムティルが使用人に何かを渡している様子も見られるようですが……
自分を軟禁しているムシミスに対し、ムティルは「好きにさせてやれ」と言っているそうです。
その上、ジャウ家では最近盗難事件が起こっているそうです。
宝物庫や当主の部屋が荒らされているとか……しかし、今それを調査するだけの人員がジャウ家にはないのでした。
「可能な限り永らえたら……後は、朽ちるのも一興。むしろ、良い契機なのかもな」
ムティルは自室で、庭に面した窓を開けます。
冷たい風が分厚いカーテンを揺らしました。
「兄さんさえいれば、それで良いんだ……」
ムシミスが見上げるムティルの部屋の扉。
そこには、薔薇と月と雲の紋章がありました。
※※※
一人の人物――美しい容貌をした男性が、一週間後に行われるオークションのサイトを見ていました。
閲覧していた目がふとその中の一点で止まりました。
「これは……」
その画像を拡大し、薔薇と月と雲の紋章を確認した男性は呟くのでした。
「……困ったものじゃ。もしもアレが他人に渡るような事になるのであれば……彼らにジャウ家は任せておけぬな」
オークションの開催場所を確認する男性の、紫色の瞳が怪しく光りました。
担当マスターより
▼担当マスター
こみか
▼マスターコメント
はじめまして、もしくはこんにちは。
蒼空のフロンティアマスターの、こみか、と申します。
こちらは、各地に散らばった点と点を集めて読み解き困っている人を助けたり助けなかったり、全然気にせずオークションを楽しんでいただいたりするシナリオです。
アクションの結果によって、NPCの人生が大きく変わったりする可能性があります。
■雑貨屋ウェザーの困惑
看板娘のサニーが購入した、とある人物から持ち込まれた装飾品。これらの出自を明らかにして、オークションでなるべく高値で売りさばかなければいけません。
元手を回収できなければ、雑貨屋がピンチです。
サニーはオークションの手続きと参加、レインとクラウドは装飾品の出自を探し、その後オークションに参加します。
装飾品について調べたり、オークションに一緒に参加してくれる人を探しています。
装飾品は、指輪・首飾り・ブローチ・宝剣です。
オークションについては後述の説明を参照ください。
雑貨屋ウェザーの三つ子姉弟サニー・レイン・クラウドについてはマスターよりのNPC紹介をご参照ください。
■ジャウ家の当惑
当主ムティルとムシミスは一時期仲が良好だったものの、現在はムシミスが一方的にムティルを軟禁している状況が続いています。
ムティルの方は、黙ってそれに従っているようです。
また、ジャウ家は資金繰りが苦しく、使用人への賃金も滞るほど。
これ以上財政難が続けば、ジャウ家の存続も厳しくなりそうです。
それ以外にも問題があるらしいのですが……
ジャウ家では、使用人を募集中ですがたいへん薄給となっています。
ジャウ家の兄弟、ムティル、ムシミスに関しては、シナリオ「ジャウ家の秘宝」、「ジャウ家の婚姻」に詳細がありますが、ガイドとマスターよりのNPC紹介を見て頂ければそれで問題ありません。
前作に参加していない方でも問題なく参加できますし、以前参加された方はその時の関係を利用することも可能です。
■オークション
売る側、買う側、誰でも参加可能です。
自分の手作りの品から(自称)先祖代々の宝まで、出品することができます。
出品の際には、その商品についての説明やアピールが必須となります。
また、気になる商品を競って購入することもできます。
ただし、ゲーム上アイテムや金銭が増減することはありません。
あくまでも、オークションの気分を味わって頂くだけになります。
■オークションの出品商品の値段
その商品について「良い噂」が流れれば流れるほど値段が上がります。
(例「どこかの貴族の品なんだって」「この世に二つとない品だそうだ」「歴史ある物らしい」「新品同様!」)
「悪い噂」が流れれば流れるほど値段は下がります。
(例「実は量産品」「粗悪品が流れてきた」「きたなーい」)
ウェザーが出品する商品は、一般のPCでは買えない値段です。
何らかのスキルを持っていたり納得できるアクション(オークションの出品が高値で売れた、などなど)だった場合はその限りではありません。
注意! こちらのシナリオは男性同士の恋愛、性的な関係の要素を含む可能性がありますので、ご注意ください。
描写を希望しない人物がそういった目に合う事はありません。
描写を希望する方は、「エロOK」「男同士OK」など明記をお願いします。
薔薇の学舎以外の方や女性PCのご参加も、全く問題ありません。
各地に散らばった点を集めるも良し、オークションを楽しむも良し。
お好みの方法で関わってみてはいかがでしょうか?
▼サンプルアクション
・ウェザーのオークション出品を手伝う
・ジャウ家の使用人に
・オークションに参加する
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2012年11月20日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年11月21日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年11月25日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2012年12月05日