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甘味の鉄人と座敷親父

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甘味の鉄人と座敷親父

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シナリオガイド

アーレッキュイジィーーーーーヌッ!
シナリオ名:甘味の鉄人と座敷親父 / 担当マスター: 革酎

 南部ヒラニプラと東カナン西部の街ベルゼンとの間で、通商開始協定が締結されてから、数か月。

 両地域間、特に南部ヒラニプラから東カナンへと送られる品目については、ベルゼン太守ネグーロ・ジーバスの強い要望により、シャンバラ厳選のスイーツが交易主要品として選定される運びとなっていました。


     * * *


 2023年、11月某日。
 SPB(シャンバラプロ野球機構)傘下の一チームヒラニプラ・ブルトレインズが本拠地とするマーシャル・ピーク・ラウンド球場に於いて、ある大会が開催されるとのアナウンスがシャンバラ国内各地にて発表されました。

 その大会名称は、甘味の鉄人

 誰が見ても内容がひと目で分かるそのイベントには、審査員としてジーバス太守が特別参加することになっています。
 しかしその他にも、色々な面子が審査員席にその名を連ねることとなりました。


     * * *


「わしが審査員か。近頃、泰山包丁儀を振るう機会が無うて暇を持て余してはおったが、たまには舌を使うのも良かろう」
 蒼空学園校長室。
 第三代校長兼理事長馬場 正子(ばんば・しょうこ)は、執務デスクの向こうで漫然と佇む料理研究部鉄人組の第二代組長三沢 美晴(みさわ みはる)の端正な面立ちを尻目に、手にした案内書をじっと見つめていました。
「組長……じゃなかった、校長。他にも教導団の関羽さんが、審査員に呼ばれてるらしいッス。あのひと、ああ見えて結構スイーツにはうるさいみたいッスね」
「さもありなん。中国四千年の味と伝統は、甘味にも厳しい目を向けるであろう」
 自分と同じ審査員に、関羽・雲長(かんう・うんちょう)が選ばれていることに対し、正子は感心する一方で、変なところに可笑しみを感じて苦笑を浮かべています。
「どうしたんスか、校長?」
「いや……スイーツの審査場であるというのに、審査員席には、むさくるしい外観ばかりが揃うというのも皮肉な話であるな」
 自分自身の容姿についても人並みに弁えている正子は、決して自嘲的ではなく、単純に可笑しいという意味合いで苦笑しているのでした。
 これには、正子の性格と人柄を熟知している美晴も、あっけらかんと笑うしかありません。
「まぁ、良いんじゃないッスか? 所詮、スイーツだから……だなんて舐めてかかるような連中を、審査員席から威嚇してやってくださいよ。あたしもその方が張り合いがあるってもんです」
「何だ、うぬも出るのか」
「そりゃそうっすよ。鉄人組の組長が、包丁を振るうイベントに出ないでどうするんスか」
 それもそうだ、と正子は心底納得した様子で二度三度、深く頷きました。
 ところが――。
 正子は案内書に記されている内定済み審査員リストのある一点に、何ともいえない表情を浮かべて、しばらくの間じっと視線を据えてしまいました。
「あの御仁も、同じ席に座るのか……」
「あー、あのひとッスね」
 美晴も正子がいわんとしていることを素早く察し、苦笑を浮かべるしかありませんでした。

 そこに記されていた名は、サニー・ヅラー
 知るひとぞ知る、ヴァイシャリー・ガルガンチュアのゼネラル・マネージャーです。


     * * *


 同じ頃――。

 着々と会場設営が進むマーシャル・ピーク・ラウンド球場のライト側スタンド席に、『甘味の鉄人』にて審査員を務めることとなった関羽がのっそりと姿を現しました。
 その傍らには、早々にヒラニプラ入りを果たしているベルゼンの太守ジーバスの姿も見られます。
 数日後に迫った大会に向けて、むくつけきおっさんふたりは、妙なハイテンションをその胸の内に秘めていました。
「いよいよですな」
「いよいよですぞ」
 沸き上がる興奮を抑えきれないといった様子で、ふっふふふと変な笑いを漏らすふたり。
 短いやり取りの中に、おっさんにしか分からない大人の会話が隠されていた、のかどうかは分かりませんが、取り敢えず、何となくウマが合いそうなのは間違い無さそうです。
 ところで――と、関羽が不意に、表情を曇らせました。
 何事かと訝しむジーバス太守に対し、関羽は腕を組んだまま、その仏頂面を左右に振ります。
「実はここ最近、この球場に妙な噂が流れておりましてな」
「と、いいますと?」
 曰く、このマーシャル・ピーク・ラウンド球場には座敷親父(ざしきおやじ)なる不審者が出現するようになった、というのです。
「噂によれば、二年連続で不振を極めるブルトレインズに強い不満を持つ中年ファンが、生霊となってこの球場に住みつくようになったとかどうとか」
 気が付けば、人数がひとり多いという座敷童同様、いつの間にかその辺に現れて、観戦客のポップコーンを勝手につまみ食いしたり、飲みかけのビールを全部飲み乾したりたりするというのです。
 大した実害が無いといえば無いのですが、しかし甘味の鉄人に於ける本審査でそのような行為をされてしまっては、堪ったものではありません。
「我が愛しのスイーツが、そのような不逞の輩に食されるというのは、由々しき事態ですな」
「然様。由々しき事態です」
 ふたりのおっさんは、お互いの瞳を熱く見つめ合いながら、重々しく頷き合いました。
 いや、別に変な雰囲気が漂っているとか、そういう話は一切ないのですが。

 ともあれ――。

 おっさんの、おっさんによる、おっさんの為の親父狩り共同戦線が確立された瞬間でした。

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。

 形としては私が過去に担当したキャンペーンシナリオ『レベル・コンダクト』の後日談的な位置づけとなりますが、それ以外にも、SPBシリーズのNPC等も登場しますので、基本的には、どなたでもお気軽にご参加頂けます。

 ご覧の通り、見事におっさんばっかりのシナリオになってしまいましたが、内容は至ってシンプルです。
 甘味の鉄人はその名の通り、スイーツの優劣を競う大会ですが、対戦方式はかなり特殊です。
 会場には何故か四角いリングが設営されていたりもするので、その辺、大いに空気を読んでご参加ください。

 本シナリオに参加される皆様が取れる行動としては、大体以下の通りです。


 <甘味の鉄人に、選手として参加する>
 予選と決勝に分かれます。決勝は三人で戦うことになります。
 決勝に勝ち進んだ場合も想定し、最低二種類のスイーツ案をアクションに記載してください。
 尚、出場者は全員、『自分で調理する』ことが前提です。
 その辺は割りと厳しく判定します。

 <審査員になる>
 これは条件があります。
 挨拶掲示板に書き込み、サイコロの目が9以上の場合のみ、本アクションが可能です。
 尚、どんなスイーツを食わされても耐え得るだけの、鉄の精神力が必須となりますので、ご注意ください。

 <その他諸々>
 観覧席でスイーツ対決を観戦するも良し。
 大会スタッフとして運営に携わるも良し。
 但し、サニー・ヅラーの餌食になる確率高し、です。

 <座敷親父対策>
 マーシャル・ピーク・ラウンド球場に潜む謎の存在、座敷親父に挑みます。
 結構、難易度高いです。



 尚、本シナリオの結果、南ヒラニプラから東カナン間へと送られる交易品が決定します。
 コメディだからといって気を抜かず、そこだけはガチでお願いします。


 それでは、皆様からのアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・甘味の鉄人で最強スイーツの座を狙う。

・俺が審査員だッ!!!

・観客、もしくは大会スタッフとして会場入り。

・座敷親父、カモン!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年11月02日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月03日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月07日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年11月21日


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