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あわいに住まうもの

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シナリオガイド

門を越え、現世を浸食する、混沌を叩け!
シナリオ名:あわいに住まうもの / 担当マスター: 宇賀野美也

 シボラ、密林。
 一角が奇妙な雲に覆われつつありました。
 鍵が揃い、楔は引き抜かれ、最早力をせき止めるものはありません。
 ゆっくりと、ですが確実に、門が開こうとしていました。
 おぞましくも美しい混沌が漏れ出すかのように、その紫色の雲は広がり続け、やがて、奇妙な咆哮を連れてきました。 



 空京大学、研究室。アクリト・シーカー(あくりと・しーかー)は手元の小報告をクリップでまとめると、同じような報告書が重なった箱にばさりと置きました。ため息を吐きながら傍らの試作機を見やります。つりがねを逆さに並べ、棒で繋げたような、奇妙なものでした。
「杖、かの?」
 アクリトが振り向くと、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)が音もなく、研究室に現れていました。アクリトがため息をつき、問いに応えます。
「似たようなものだ。呪具の特性と、石の特性を解析し、模倣した。安定はしないがな――何の用だ」
「シボラにて、特大の異常じゃ。異界の門が開き、洒落では済まぬ量の瘴気が漏れ出している」
 アクリトの表情が変わり、険のあるものになります。そして彼が口を開くよりも早く、アーデルハイトが言葉を繋げました。
「まだ、中の者共は外に出ているわけではない。が、時間の問題じゃろう。何もしなければ門より出でた者により、門を守る村は滅ぶ。一人も残るまい。――村の者より連絡があった。『打って出る』とのことじゃ」
 アクリトは静かに立ち上がると、その奇妙な機会を手に取り、チェックを始めました。それを横目に見ながら、アーデルハイトはさらに続けます。
「私も往こう。向こう側がどうなっているかはわからぬが、それほど長くいられる場所とも思えぬ。突入後は門を開こうとしているものを討ち……」
「アーデルハイト殿」
 アクリトが機械の調整を終え、それを手に真っ直ぐアーデルハイトを見やります。
「こちら側にて門を守って頂きたい」
「なっ、お主らだけで往くつもりか!?」
「生徒達にも助けを求める。そこまで無謀ではない。何より、帰り道を守る者がなくては、安心して往けん」
「まさか、その杖……お主一人残り、道を支えるつもりではあるまいな?」
 アーデルハイトが厳しくアクリトを睨みますが、アクリトは首を振ります。
「そのような下手は打たん。還るための布石だ」
 アーデルハイトは尚もアクリトを睨んでいましたが、ふっと視線を外し、不機嫌そうに告げました。
「転移陣を起動させた。生徒達を募り、門の守り手、リィ・スールエイラ・スール両名と合流し、『あわい』へ向かう。激戦になる上、いられる時間も短い。注意せいよ、小僧」
 それだけ言うと、アーデルハイトは現れた時と同じように唐突にいなくなりました。
 アクリトは、機械の杖を手に持ち、研究室を出ます。
 一瞬だけ、自分の隣、いつまでも空席のままにされた場所を見、すぐに歩き去りました。



「来て、くれるかな?」
「帰れるかも分からない戦いだから、無理は言えないけれど……私は、信じてる」
 不安げに問いかけるエイラに、リィが答えます。村の直上。未だ濃い紫の雲を吐き出し続ける巨大な穴……空に穿たれた門を見据え、淡く緑に輝く杖を握りしめます。降り注ぐ何ものかの呻き声を浴びながら、二人はアクリト達に連絡をした後、じっとここで待っていました。
「御免なさいね、エイラ」
 不意にぽつりとリィが呟きます。視線はエイラの胸元、体に埋め込まれた石に。
「どうしたの、お姉ちゃん?」
「あなただけに背負わせてしまって。人でないものにまで、させてしまって」
 エイラが首を振ります。少しぎこちない笑みを浮かべ、それでもリィに語りかけます。
「大丈夫。だからお姉ちゃん、進もう? この先を手に入れるために。そのために、皆の力を貸してくださいって、言ったんだから」
 リィがそれに答えるより早く、転移陣が輝き始めます。現れた契約者達の姿に、リィが一筋、涙をこぼします。唇が、小さく、「ありがとう」と言葉を結びました。
 

担当マスターより

▼担当マスター

宇賀野美也

▼マスターコメント

 お久しぶりです。或いは初めまして。宇賀野です。
「腐海の底で」の続編的立ち位置のシナリオになりますが、初参加も大歓迎です!

 高濃度の瘴気を放つ門より異界に突入し、門を開こうとしている者を撃破するシナリオです。異界はどのような場所であるか情報はほとんどありませんが、高濃度の瘴気が漏れ出していることから、活動時間をそう長く取れる場所ではないでしょう。突入後、出来るだけ早く原因を排除し、門が閉じてしまう前に帰還する必要があります。

 アーデルハイトは地上に残り、門の維持と、地上の守りを受け持つようです。門へ向かう契約者達に伝言があり、「若造が無茶をしないように見ておれ」とのことです。
 また、門の先は「あわい」と呼ばれる「すべての時空に接しながら、すべてから隔絶された空間」であるそうです。足場の心配はないそうですが、何が起きてもおかしくない空間のため、十分に注意し、また利用するように、とのことです。
 あわいに住まう混沌の王は、「融合」の能力を持った、瘴気の塊であるそうです。実際に相対した者は一人も生き残っておらず、詳細の能力は不明ですが、こちらの能力を減衰、或いは無効化する手段を取ってくることが予測されるそうです。

 アクリトは、無事に帰還するための布石を打っているようです。戦いの折、彼に力を貸すことで時間を稼ぐことができるかもしれません。

 リィ、エイラ両名は門を開く役目を負うようです。エイラは敵となるモンスター「寄生種」という、異界の石と同化した、高い再生力と戦闘力を備えた相手と同じ存在になっていますが、リィの戦闘力は高くありません。無事の帰還に欠かせない鍵になるでしょう。

 一連のシナリオ、最後の戦いになります。
 彼女たちを物語の結末へ連れていって下さい。

▼サンプルアクション

・敵を撃破する

・あわいに住まう者を叩く

・門が閉じるまでの時間を稼ぐ

・仲間達を守る

・懐柔を防ぐ

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年11月09日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月10日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月14日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年11月26日


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