イルミンスール魔法学校

　百合園女学院の生徒会執行部、通称『白百合団』に所属するアレナ・ミセファヌス（あれな・みせふぁぬす）は、ヴァイシャリーの地下に存在しているシャンバラ古王国時代の離宮を、約半年の間人柱となり封印していました。
　今年の冬。契約者達の協力により地上に戻ることが出来た彼女は、現在、パートナーで白百合団の副団長、そして東シャンバラのロイヤルガード隊長でもある神楽崎　優子（かぐらざき・ゆうこ）と一緒にロイヤルガードの宿舎で暮らしています。
　百合園の寮にも彼女達の部屋は残っていたのですが、おそらくはもう戻ることがないだろうということで、この度部屋を新入生に明け渡すことになりました。
「優子さんが普段使っている物は既に自分で運んだそうです。ここに残っている家具はそのまま運んで、雑貨や私の衣類と優子さんの夏服はそれぞれ段ボールに詰めて、運ぼうと思います。よろしくお願いします」
　アレナは百合園の信頼できる友人に手伝ってもらって、荷物を梱包していきます。
　業者に頼むことも考えたのですが、最近アレナの持ち物と称した物がネットオークションに流れているなどという事件が多発しているため、便乗して本物を狙ってくる者もいるかもしれないと、慎重になっています。
「ここにあるのは、私達が使っていたものだけですけれど……実は、宿舎の方には回収した偽物が沢山あるんです」
　ネットにアレナの所有物として流れていた数々の物品は、協力者により宿舎に運び込まれています。
「新品のものも多いですし、捨てるのはもったいないので良かったら使ってください。あと、私と優子さんの使ってない服もよければ、持って行ってください」
　宿舎の部屋には鏡台があるので、試着して決めてくださいと、アレナは百合園の友人達に言いました。

　アレナの持ち物をネットに流しているのは、パラ実生中心の組織のようです。
　先日捕まえた組織の末端構成員によると、アレナだけではなく、有名女性の下着類を中心とした紛い物、或いは本物の取引を手広く行っているようです。
　対策をとりたいところですが、優子やアレナには組織側の心理というものが、全く解らず、行動パターンの予測が出来ません。
　そこで、優子は信頼できるパラ実生が多く所属している若葉分校に連絡を入れて、護衛に協力をしてほしいとお願いをしました。
　更に、優子のもう一人のパートナーであるゼスタ・レイラン（ぜすた・れいらん）は面白が……いえ、事態を深刻に捉えて、パラ実本校の生徒達にも協力を呼び掛けていきました。
「あたしも一人、犯人の心当たりがある」
　そう言い、協力を申し出たのはＥ級四天王の熾月　瑛菜（しづき・えいな）です。
「今更返して欲しいとは思ってないけれど、複製品の大量販売とかされたら気分悪いし。いい機会だ、犯人をおびき寄せて捕らえよう！」
　瑛菜は舎弟や下着を盗られたことのある少女達にそう呼びかけて、仲間を集めていきます。

　一方その頃。
　とあるコスプレ喫茶のテラス席で、白百合商会が会議を開いていました。
「皆に、重大発表がある」
　会長の中年男性が険しい顔つきで会員達を見回しました。
「我等の聖女――十二星華のサジタリウスが今日！　使用済み衣類を大量に持って、街を歩くことが決定された！」
　会長の発言に、場に動揺が走ります。
「情報屋から得た情報によると、難攻不落と言われ、入手難易度超Ｓ級にランク付けられている、ロイヤルガードの鬼神、神楽崎優子はサイズが違うもの以外、全ての所有物をサジタリウスと共有しているという。つまりだ、サジタリウスの衣類を手に入れるということは、神楽崎優子の衣類を手に入れるも同然！」
「なにぃ、神楽崎サンの衣類だとォ！」
　声を上げたのは、ブラヌ・ラスダーという名の少年です。
　彼はカノジョと暮らすための資金を稼ぐために、この白百合商会に入会したそうです。
「しかし会長。２人の体格は違いすぎます。サイズが同じってことはないのでは！？」
　幹部の意見に、会長はうむうむと頷きました。
「ここに極秘資料がある」
　会長はテーブルの上に、アルバムを広げました。
　そのアルバムには、一昨年の初夏。百合園女学院がプール開きをした直後のプールの授業風景が写っているではありませんか！
「これを見ろ！　サジタリウス、いやアレナちゃん☆の女の子らしい体格を。大して優子姐の方は、引き締まった体つき。君達なら一目でわかると思うが、２人ともにショーツはＭサイズに間違いない」
　望遠カメラで撮られた写真を見て、会員達は頷いていきます。
「サイズの違うもの以外は、全て共有しているという発言は、優子姐自身の発言だ。生徒会役員、白百合団の副団長として！　ロイヤルガードの隊長として！　彼女が虚偽の発言をすることなど　あ　り　え　ん　の　だ　よ！」
　会長のその言葉に、うおおおおと、会員達は歓声をあげました。
「更に、彼女達は百合園の生徒達を集めて、なんと……パン、ティーの試着会を行うそうだッ！　かぼちゃパンツやイチゴのパンツが既に用意されている！」
「そ、それはつまり、彼女達だけではなく、百合園生達のお宝もまとめていただけるチャンスというわけですな」
「そういうことになるな」
　重々しく言って、会長は厳しい目で会員達を見ました。
「この任務、決してしくじるでないぞ。レア品はちょう高額で買い取ろう。生写真との交換にも応じよう！」

　その少し前。
　神楽崎優子は、仕事を早めに切り上げて、友人達と宿舎へと急いでいました。
「引っ越しの手伝の礼に、今晩はシンプルなパーティにしよう。皆で焼きたてほかほかのパンの、パンパーティ。残った物はお土産に持って帰ってもらおう。あと、確かイチゴや南瓜が家にあったはず……」
　隙のない優子には近づくことが出来ず、距離を置いて優子をつけていた情報屋には、彼女の言葉はこうとしか聞こえなかったのです！
「今晩はシンプルなパ…ティにしよう。皆で……たてほかほかの……、パン…ティ。残った物はお土産に持って帰ってもらおう。イチゴ……かぼちゃ……あったはず」

　宿舎に戻った優子は、友人達に手伝ってもらいながら、急いでパンパーティの準備を始めます。
　パーティのメインは、ほかほかパンとティー！
　パン…ドリーから、パンつ…くりの材料を取り出して。
　パン…フレットを手に、パン…ケーキやパン…ナコッタ、パン…プキンパイといったデザートも作っていますとも！

このシナリオは、基本的にコメディです。あまり深いことを考えてはいけません。ノリと勢いが大切です。シリアス行動もコミカル化予定です〜。

百合園女学院の寮の優子（及びアレナ）の部屋には、優子かアレナと親しくしており（リアクションで個人的に会話したことがあるくらいは）、且つ世間的に女性として認識されている方のみ入ることが出来ます。
その他の方は、台車をつかって寮から百合園の校門まで（外見女性のみ）、もしくは各々の方法で校門から宿舎までの運搬を担当します。
校門からの運搬は、１組（ＭＣとＬＣ）につき、大きな段ボール箱１つずつ担当します。途中開いてみても、触ってみても、埋もれてみても構いませんが、無事宿舎に届けることが任務となります。
運搬目的ではない、衣類の試着目的、パーティ目的の参加も歓迎いたいます。但し、いずれの場においても、変態さんが仕掛けてくる可能性があります。

こちらのシナリオは、キャラクタークエスト『白百合商会との接触』の関連シナリオです。
キャラクエで発行される称号『白百合商会会員』を表示の上、これまでのキャラクエ等で手に入れた『女性物の下着』を２点以上装備してご参加の方は、組織の一員としてコスプレ喫茶の会議に出席していたとして行動することができます。
尚、装備している下着のレア度や数（種類）により、組織での地位が高くなります。今回は装備欄の他、服装欄も参照します。
アイテム『サジタリウスの衣類２４点分』につきましては、ユニーク化している場合を除き、下着としてカウントいたしません。

『地位の目安』
２点２種類装備――１０枚隊長（１０人の会員を従わせて行動が出来る）
８点８種類装備――１００枚隊長（１００人の会員を従わせて行動が出来る）
１５点１５種類装備――１０００枚隊長（１０００人の会員を従わせて行動が出来る）

また、アイテム『サジタリウスの衣類２４点分』を装備の上、このシナリオでロヤルガードの宿舎にたどり着いた（訪れた）方には、敵味方関係なくもれなく『白いメインディッシュ』的なアイテムをプレゼントします。

ダブルアクションにご注意ください。
ＰＣの登場シーンは、基本的に１シーンとお考えください。いくつものシーンにまたがるアクションを戴いた際には、その中から１つだけ選んで描写をさせていただきます。
不測の事態への備えに関しては、『襲われたら、とりあえず脱ぐ』など、方針一文だけ記入の場合はダブルアクションとは判定いたしませんので、そのように簡潔にお書きいただければと思います。
ＬＣはＭＣと一緒に行動をする場合にのみ、追加してください。登場不要の私信、経験値目的の追加はＯＫです。
尚、変態側（組織側）の方が少ないと思われるため、変態側のＰＣは複数シーンに登場する可能性が高まるかと思います。
変態大歓迎です。

今回は『パンツ関係』以外のリアクション、キャラクエの参照は行いません。

それでは、アクション楽しみにお待ちしております♪

・校門まで運びながら作戦会議

・空路で運ぶ

・試着をする

・パン…パーティを楽しむ

・救世主の聖衣をゲットだぜ！