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聖戦のオラトリオ ~転生~ ―Apocalypse― 第2回

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聖戦のオラトリオ ~転生~ ―Apocalypse― 第2回

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シナリオガイド

廻る歯車は、加速を始める
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~転生~ ―Apocalypse― 第2回 / 担当マスター: 識上 蒼


――この世界がいつ始まったかを語れるものはいない。
      ゆえに、いつ終わるかを語れるものもいない。
      それらは常に、騙られるものである。



 2021年3月。
 極東新大陸研究所のジール・ホワイトスノー博士によって発足した『第二世代機開発プロジェクト』は、まずまず順調に進みつつある。
 現時点では、シャンバラ全校を対象にした機体は、
 
 ・飛行
 ・拡張性、量産性、汎用性
 ・基本的な操作性の簡易化

 の三つが軸となり、クェイルないしは天御柱学院のイコンをベースとする方向に落ち着いた。
 一方、天御柱学院の第二世代機は、

・高機動、高出力の攻撃型
・イーグリットベース

 と、防御特化機であるブルースロートと対になることをコンセプトとすることになった。
 具体的な武装案や仕様が決まれば、開発に着手出来るだろう。

 一方、天御柱学院では強化人間の精鋭による『エキスパート部隊』が創設された。
 表の顔は天御柱学院風紀委員会であり、全体の統轄役――風紀委員長の下、東西南北、および天沼矛と海京が五つの管区に分けられ、それぞれランクS強化人間による管区長が部隊を統制し、治安維持に努めている。

 そんな中、学院に潜む闇が、静かに動き始めていた。

* * *


 極東新大陸研究所海京分所。
「ポータラカ……ふぅん」
 罪の調律者と呼ばれる人形の少女は、不敵な笑みを浮かべました。
「ジール、ちょっといいかしら?」
「なんだ?」
「今って、シャンバラはポータラカと協力関係にあるのよね?」
「極めて限定的ではあるが、な」
「実に彼ららしいわ」
 わずかに間を空けて、調律者は続けます。
「行くわよ――ポータラカに」
 ポータラカ
 サロゲート・エイコーンの技術は、その国から伝えられたとされています。
 イコンに携わる者としては、訪れることが出来るものなら、行っておきたい場所でもあります。
「だが、こちらからゲートをくぐるには、向こうの許可がいるのだろう?」
「策はあるわ。それに、彼らはわたしを拒むことは出来ない」
「……一万年前の真実か」
「この際だから、連中の前で言ってやろう思うのよ。せっかくだから、『技術研修』って名目で同校生徒を募ってみようかしらね」
「告知はしておこう。だが、プロジェクト参加者、とりわけ定例会に出席しているものは、そちらを優先してもらうがな」
 会議に参加した生徒は、出来る限りそちらで話し合いを進めて欲しいと博士は考えているようです。

 かくして、イコンの技術研修という名目での、ポータラカ行きの知らせが各校に届けられました。

* * *


 一方、強化人間管理下では。
「これで三件目ですか」
 管理課長の風間は、ある事件の報告を受けていました。
「事件現場の近くでは、決まって奇怪な仮面を被った人物が目撃されてる」
 エキスパート部隊の管区長の一人、黒川が説明します。
「被害者は、学院上層部である役員会構成メンバー。ちなみに、全員契約者を護衛につけていたけど、その契約者が一切戦おうとした形跡がない。まあ、風間さんのことだから、この時点でもう犯人は分かってると思うけど……」
サイオドロップ。彼らがついに動き始めましたか」
 海京の暗部組織と噂されているのが、サイオドロップです。
 表向きには海京の都市伝説の一つでしかないものですが、エキスパート部隊は何度か彼らと交戦していることもあり、「存在する組織」として認識しています。
「どうする?」
「こちらとしては、腐りきった上層部を狩ってくれるのは非常にありがたいのですが……まあ、どうするかは君達エキスパートにお任せしますよ。
 どちらにせよ、いずれは始末しなければいけない方々に変わりありませんが」
 風間は、不敵な笑みを浮かべました。

* * *


 その頃――。
「随分と静かだね」
 白銀のイコン【ジズ】の肩に座り、風を浴びながら、ノヴァは空を見上げました。
「嵐の前の静けさ、というものです。ノヴァ様」
 漆黒の衣装に身を包んだ男、ローゼンクロイツが応じました。
「間もなく世界は、『夜明けのための夜』を迎えることになります」
「相変わらず、君は妙な言い回しをするね。まるで、これから起こる全てを知っていながら、それを誰にも悟られないようにしているみたいだ」
「まさか……まだ私にも分かりませんよ。『この世界』の行く末は」
 ただ静かに、ローゼンクロイツは水平線の彼方を見つめます。
「ねえ、ローゼンクロイツ。君は一体何者だい?」
「ただの『敗北者』ですよ」
「いつも通りの答えか」
 ふ、と微笑を浮かべ、白銀の機体にノヴァは語りかけます。
「行こう、ジズ」

 白銀の機体の向かう先がポータラカであることは、誰も知り得ないことでした――



※マスターコメントの注意事項をよくお読み下さい

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 識上 蒼です。
 お待たせ致しました、天御柱学院キャンペーンシナリオの第二部「転生編」の第2回をお届けします。
 転生編は、
 「聖戦のオラトリオ 〜転生〜」(通称『無印』。イコン参加可。イコン搭乗前提のバトルサイド。天学の教官達、F.R.A.G関連NPCが登場予定)
 「聖戦のオラトリオ 〜転生〜 ―Apocalypse―」(通称『Ap』、イコン参加不可。研究・開発・超能力サイド。ホワイトスノー博士ら極東新大陸研究所組、風間、ノヴァ等が登場予定)
 の2分割構成になっており、『無印』第2回に参加された方はこちらの『Apocalypse』第2回にはご参加頂けません。ご了承下さい。

 非常にシリアスな要素を含んでおり、場合によっては辛い展開(俗に言う鬱展開)が待ち受けることになるかもしれません。
 参加される場合、その点も覚悟の上でお願いいたします。

 前回は無印、Apはほぼ独立した形になりましたが、今回から少しずつ両シナリオの繋がりが強くなっていくと思われます。

 なお、オラトリオ第2回は、シナリオ内の時間ではまだ2021年3月です。その点をご了承下さい。

【アクション上の注意】
 『無印』に比べ、自由度は高いです。
 十人評議会やイコンの謎に迫るような、「情報収集」はこちらで行えます。
 今回、戦闘が想定されるのはエキスパート部隊関連の内容になります。
 
 ダブルアクションにはご注意下さい。
 特に情報収集に言えることですが、「欲張り過ぎる」とダブルどころかトリプル以上になってるケースがこれまでも多々見受けられました。
 この系統のシナリオでは被りも多くなると予想出来るため、判定はかなり厳しく行います。
 MCとLCの別行動にもお気をつけ下さい。日常では性質上別行動ありでしたが、原則としてはこれもダブルアクションになります。「MCのためにLCが〜する」といった形であればダブルにはなりませんが、あまりおすすめはしません(PLにその気がなくても、書き方一つで私がダブルと見なす可能性が少なからずあるため)

 この第2回で、第二世代イコンの仕様を決定致します。
 前回の会議の流れを組んで、提案して下されば幸いです。
 また、前回のシナリオで会議に参加された方は、アクション投稿前に掲示板で実際に「会議」を行っておくのも一つの手です。
(Ap第1回と第2回に何度か集まって議論している、と考えられるので)
 
 サイオドロップに関しては、キャラクタークエスト「海京の暗部」にも少し記述がございます。
 また、天御柱学院の強化人間の方は、エキスパート部隊の一般メンバーとして行動することも可能です。パートナーはサポート役として許容されます(MC、LCの逆転現象が起きやすくなります)


■追加情報(主にNPCの所在)
・ドクトル、モロゾフ、は海京分所にいます。
・ホワイトスノー博士と罪の調律者はポータラカに向かいます。
 面会形式で話がしたい場合は、ポータラカ出発前に面会することになります。
 一緒にポータラカに向かう場合、こっそりと個人的な話をするのはほぼ不可能でしょう。
・イコン製造プラントにはPASDからリヴァルト、司城が来ています。
・風間は管理課からエキスパートの様子をうかがっています。
・マヌエル枢機卿や十人評議会メンバーと接点を持っている方はそちらでの行動が可能です。
・評議会に関してのPC情報は基本的に変わらずです。
・エキスパート部隊の管区長となっている強化人間で、これまでのシナリオで名前が出ているのは、
 黄 鈴鈴、黒川、設楽 カノンの三人です。

■おまけ:海京の警察機構
 海京には、海京警察と国軍であるシャンバラ教導団の二つが警察としての役割を果たしています。
 海京警察は警察庁の管轄です。
 海京は建国の際にシャンバラに返還された空京とは異なり、日本領です。
 ですが、シャンバラとの窓口でもあるために、教導団も入国審査や運び込まれてくる物資の確認のために駐在しています。
 なお、教導団が常駐しているのは海京の北地区で、海京警察本部があるのは西地区です。
 そして最近になって加わった強化人間エキスパート部隊の本部は学院の強化人間管理棟であり、南地区です。
 住宅街である東地区以外に、それぞれ本部が置かれている、というのが海京の特徴です。

 
 それでは、今回も宜しくお願い致します。

▼サンプルアクション

・引き続き第二世代機開発プロジェクトに参加する

・ポータラカへ

・エキスパート部隊に協力する。

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年05月16日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年05月17日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年05月21日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年06月06日


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