聖戦のオラトリオ ~転生~ ―Apocalypse― 第3回 リアクション公開中! |
シナリオガイドクーデター勃発。海京の明日は如何に?
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~転生~ ―Apocalypse― 第3回 / 担当マスター:
識上 蒼
* * * 海京某所。 「随分と減ったな」 「この数ヶ月で我々の半数近くが死亡し、さらに恐怖を感じた一部が海京から逃亡しましたからね」 会議場には、海京及び学院の最高機関「役員会」のメンバーが集まっていました。 「厄介なことが続くものだ。それに、今のパラミタと地球が分断されるかもしれないこの状況。どちらに転んでも大丈夫なように、対策を講じねばなるまい」 しかし、そのための議論を交わすことはありませんでした。 * * * (……遅かったか!) 強化人間管理課長、風間の指示で会議場へ向かっていた天御柱学院風紀委員長――エキスパート部隊統轄の夕条 媛花(せきじょう・ひめか)は、ビルの「あった」方角を見つめました。 爆発の轟音と共に、会議室ごとビルが崩れ去ります。 役員は全員瓦礫の下敷きでしょう。 その直後、海京や空京のテレビのスクリーンに、一人の青年の映像が映し出されました。 『初めまして。天御柱学院の皆さんには、「久しぶり」と言った方がいいかな?』 どこかの一室から繋いでいるようでした。 『天御柱学院超能力科科長天住 樫真。といっても、三年振りに学院に戻ったんだけどさ。たった今、海京は我々が占拠した』 映像が切り替わります。 海京は五つの地区に分かれていますが、全ての地区の主要施設がエキスパート部隊をはじめとした海京の強化人間達によって占拠されていました。 『さて、知ってる人はこう思ってるだろうね。「オーダー13」の発動権を持っているのは現管理課長の風間のはずだ、って。 彼には消えてもらったよ。そして、僕がその権限を引き継いだ』 『オーダー13』とは、天御柱学院製強化人間の自由意思・感情を奪い、命令を発動した人物にとって絶対服従の「生ける人形」へと変えるものです。 これは天御柱学院でパラミタ化を行う際に秘密裏に刷り込まれていたものであり、三年前に起こった強化人間の暴走事件後に、超能力科と強化人間管理課の存続を上層部に認めさせるために風間によって考案されたものです。 そして、映像には天住の言葉を証明するかのように、風間の死体が映し出されました。 『校長のコリマ・ユカギールも封じさせてもらった。彼の唯一の弱点は、常にパートナーと脳内で会話が出来るほどの強過ぎる精神感応だ。そこに「ノイズ」を加えたから、今はフリーズ中だよ』 そして、自らの要求を告げます。 『我々からの要求は、シャンバラ王国における学校勢力の解体。今やいち国家として独立したシャンバラに対し、学校勢力は必要以上に干渉している。窓口は一つあればいい。そして、その学校勢力のくだらない権力争いが、シャンバラ、地球の双方を圧迫している。まずはそういったものを洗い流す必要がある。 ――いらないんだよ、今の政府や学校勢力の既得権を持っているような旧い人間は。 ここからは、我々を筆頭とした新たな人類が、一からやり直す。 そしてもう一つの要求は、学校勢力最大の戦犯である御神楽 環菜の処分。彼女は権力さえあればたかが小娘でも物事を思い通りに出来ると世に知らしめてしまった。それが、今の権力に固執する腐りきったシャンバラ政府を生み出した大元の原因。しかも、そんな人間が一度死んだにも関わらず、何の代償も支払うことなく生き返っている。そんなことが許されるはずがない。一度死んだ者は、決して生き返らない。生き返ってはならない。死者はあるべき場所に帰るべきだ』 そして、最後に告げます。 『要求を飲むなら海京の人間に危害は加えない。しかし、実力行使に出た場合、この海京は血の海になる。犠牲を出さないよう、いい答えを待ってるよ』 海京上空では開発中止となり、お蔵入りになったはずの試作パワードスーツ『ストウ 』が監視を行っておりました――。 * * * 空京。PASD情報管理部。 『アレンさん、今どちらに?』 情報管理部長ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)は、情報屋アレン・マックスからの通信を受け取りました。 『この回線はPASDの専用回線だから傍受される心配はない。今、海京の「サイオドロップ」のところにいる。ちょっと前に別件でも色々調べてるって話したよね? その雇い主が彼らだ』 海京の暗部組織である「サイオドロップ」の元から、彼はある依頼をしてきました。 『天住は三年前に死亡している。あれは偽者だと彼らは言っている。そして、あの要求は建て前で、強化人間やイコンを利用したシャンバラの独占が真の目的だと。だから、あの偽者を倒すために人手が欲しいと。 もちろん、見つかったら一般人まで殺されかねない。だけど、彼らはこの日のために、準備はしていた。それを送る』 そこには、次のようなことが書かれていました。 ・オーダー13下の強化人間は各々が精神ネットワークで繋がっている。また、そのネットワークを利用して脳を並列化することで、超能力行使に必要な演算能力を高めており、未契約者でも中堅契約者並みの実力を備えているとされる。 ・ただし、命令がなければ動けないため、指示を与えていると予想される各エリアの管区長を倒せば、そのエリアの強化人間は停止する。 ・協力者には手持ち式の強化型Pキャンセラーとその効果を遮断する仮面を貸し出す。強化型Pキャンセラーは契約者としての能力を封じるばかりか、パラミタ線の影響を受けた人間を動けなくするほどの力を持つ。ただし、契約者が使うと自身も動けなくなる。そのため、仮面が必要。 ・手持ち式の強化型Pキャンセラーが使えるのは一度きり。また、極東新大陸研究所海京分所と海京地下には固定式のものが張り巡らされている。発動されたら、仮面を被っていないものは移動不可。 それらを利用し、迅速に管区長を抑えることが出来れば、あの男の元へ辿り着けるようになるでしょう。 『既にエキスパートが攻めてきている。地下の存在である彼らを今のうちに始末したいらしい。何とか地下への入口付近で持ちこたえているが、多分長くは持たない。早く人を集めてこっちに転送してくれ。PASDには転送術者がいるはず。座標を送るから、そこに契約者を送ってくれ』 そこで通信は途絶えました。 アレンからの情報を各学校に送り、密かに準備を進めました――。 * * * イコン製造プラント。 「クーデターか」 ジール・ホワイトスノー博士と罪の調律者は、第二世代機の調整のために、プラントを訪れていました。 そこでクーデターのことを知りましたが、顔色を変えずにデータを整理していきます。 「冷静ね、ジール」 「ここで出来ることは、契約者達がクーデターを解決することを信じ、第二世代機の実戦データからさらに調整と改良を加えることくらいだ。まだ脅威は残っている。不安に震えているだけでは何も始まらない」 * * * 空京。シャンバラ宮殿地下。 封鎖された天沼矛の前に、山葉 涼司(やまは・りょうじ)はいました。 「放せ、あの男は環菜をまた殺そうとしてる。それに、海京にはカノンがいる! アイツを助けに行かねーと!」 「いけません、涼司さん!」 それを、花音・アームルート(かのん・あーむるーと)が止めようとしています。 「ここで飛び出したら、海京の人達が犠牲になるだけじゃ済まないんですよ! 落ち着いて下さい!!」 涼司にもそれは分かっていました。しかし、感情を抑えるのが難しくなっているのです。 (涼司君……) そこへ、設楽 カノン(したら・かのん)からのテレパシーが来ました。 「カノン、無事なのか!?」 (うん……。ねえ、涼司君。こっちに来て。大丈夫、他の人には気付かせないから) ※マスターコメントの注意事項をよくお読み下さい 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
識上 蒼です。 ▼サンプルアクション ・地区の制圧を目指す。 ・一般人の安全を確保する。 ・ホワイトスノー博士の手伝い ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2011年07月16日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2011年07月17日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2011年07月21日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2011年08月11日 |
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