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七不思議 秘境、茨ドームの眠り姫(第2回/全3回)

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七不思議 秘境、茨ドームの眠り姫(第2回/全3回)

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シナリオガイド【イコン参加可】

現れた遺跡。はたして、そこに眠るものはいったい……。
シナリオ名:七不思議 秘境、茨ドームの眠り姫(第2回/全3回) / 担当マスター: 篠崎砂美

 
 焼き払われた茨ドームの中から現れた、半球状の巨大な遺跡。その黒い金属的な表面には、細かい呪紋が刻まれ、遥か古代からそこに隠されていたかのようでした。
 こんな巨大な物が、イルミンスールの森にずっと隠されていたのに今まで特別に取り沙汰されていなかったのは、何か魔法的に封印が施されていたせいでしょうか。それとも、ここは禁忌の地なのでしょうか。
 いずれにしろ、その封印を守っていたオベリスクは、傭兵部隊によって破壊されてしまいました。
 
「オベリスクが落ちたか。愚かなことを。数千年にわたる騎士たちの眠りを無駄にするとは。この上、あれを……、いや、それも一つの試しかもしれないな。ゾディアックは停止したか。クリムトは異質すぎる。だとすれば、やはり……」
 遠くタシガンの古城で一人、ストゥ伯爵は遠くイルミンスールの森を霧の向こうに思い浮かべました。
 
「いったん下がれ。パワードスーツの使える者は前に出て盾となれ。あれは、今のところ霧の作りだしたレプリカだ。本物ほどの攻撃力はない」
 遺跡の西部格納庫から侵入した傭兵部隊は、隊長がサテライトセルと呼ぶ小型の機晶姫から攻撃を受けていました。二頭身のデフォルメされた女の子の人形ですが、実体は遺跡のガーディアンのようです。
 以前、イルミンスールの森をタシガンの生きた霧が被ったときに、このサテライトセルが多数現れて、一部の者たちと戦闘をしています。その正体は、遺跡の影響を受けて、生きた霧が変化した物でした。
 遺跡の中で遭遇したサテライトセルは、以前の騒動で遺跡の中へ入り込んだ霧が実体化した物のようでした。遺跡の規模から考えて、相当量の霧が内部に入り込んで、何かに擬態した可能性があります。
「やっぱり霧か。なんだか、悪い夢を見ているみたいだ。それにしても、魔法攻撃の威力がかなり落ちてるな。遺跡自体に結界が張られているのか?」
 サテライトセルを破壊した傭兵の一人がつぶやきました。破壊すると同時に、それは霧となって消えてしまいました。けれども、霧その物を完全に焼き払わない限り、いったん拡散してもどこかで再集結して再び形を取るだけです。きりがありません。
 それに、物理攻撃は問題ありませんが、魔法攻撃の威力がかなり落ちています。原因はまだ不明でした。あるいは、サテライトセルにそのような能力でもあるのでしょうか?
「あれが、昔ここを守っていたって訳か。守りが厳重な遺跡ほど、お宝があるってな。イコンの他にも、いろいろありそうだな」
「それが全てアイテムとは限らないぞ。むしろトラップと考えるべきだ。まして、レプリカがあるのならば、まだ本物がある可能性もある。油断せずに探索を実行しろ。魔法が制限を受けているようだが、その分威力を上げるか、多用すれば補うことができるだろう。どのみち、狭い遺跡内での火器はの使用は、跳弾や爆風のトンネル効果でこちらに被害が出る恐れがある。可能であれば、魔法属性の攻撃で、手数で補え。だが、あくまでも、目的は遺跡の探索である。イコン格納庫、サテライトセルの本体、遺跡の中枢などを発見次第連絡をよこせ」
 隊長は、そう傭兵たちに命令しました。イコンは入れませんが、パワードスーツならば充分に移動できる通路を、いくつかの小隊に分かれて探索を続けます。
 
 傭兵たちが侵入した格納庫には、彫像のように見たことのないイコンがならんでいます。少しゴーストイコンに似ているようにも思えますが、甲冑騎士のシルエットをしたイコンなのでそう感じるだけでしょう。艶消しの黒の装甲には、細かい象眼が施されていて、ぱっと見は美術品のように華美です。もしかしたら本当にただの飾りで、内部は空っぽの筐体なのかもしれませんが、今のところははっきりしません。
 
 傭兵たちに遅れる形で、東の扉から、茨ドームの消火にあたった者たちは遺跡の中へと入っていきました。
 突然の火災が傭兵部隊の仕業だとは、まだほとんどの者は気づいていません。けれども、大規模な森林火災の後に現れたのは、イルミンスール魔法学校の七不思議にも謡われている茨ドームの真の姿、古代の遺跡でした。これは、調査する必要があります。
 
「あの遺跡を封印するために、このオベリスクはあったんです」
 破壊されてしまったオベリスクの跡でメイちゃんたちが言いました。
「あの遺跡が復活すると、大変なことになるんです」
「だから、私たちのマスターが、このオベリスクを使って遺跡を封印してきたんです」
「あの茨は、このオベリスクから発せられる振動で活性化していたんですよ。それで、外部からの魔法を全て循環させて遮断していたんです」
「そういうのとか、みんな、タシガンから王宮に来ていたえらいテクノクラートの先生が作ったんですよ。遺跡を調べて、その方法を見つけたんですって。オベリスクも、私たちもその人が作ってくれたんです」
「うん。確か白いもやもやを使ってたよね。魔法を吸うの。もしかして、このまえ同じ物をたくさん吸ったから、私たちもこの姿になれたのかなあ」
「うん、生きてたときは、この姿だったよね」
「うんうん、けんちゃんも一緒だったよね」
「マスターと一緒に、遺跡に行っちゃったんだよね。しかたないから、三人のマスターと一緒にここを守ることにしたんだけど、マスターたちはそんなに長く生きられないから石になったの」
「うん、中で眠ってるんだよ。でも、私たちと一緒だから、ちゃんとオベリスクを動かせたの」
「でも、オベリスク、壊れちゃった」
「壊れちゃったー」
「どうしよう……」
 マスターの眠る石をペンダントにして首から提げながら、メイちゃんたちは泣きだしてしまいました。
 
「遺跡の外へ、お戻りなさい」
「また、あの女の子だわ。追いかけるわよ」
 先行する形で東の扉を開けて中に入った者たちは、繰り返し繰り返し謎の少女の警告を受けていました。
 その少女も、どうやら小型機晶姫と同じく、霧が作りだした記憶の残滓のような物のようです。そのため、一定の警告を繰り返すことしかできていません。それとも、大元の意志のような物が存在しているのでしょうか。
 
「やはり、私だけでは無理か……」
 光り輝くシリンダーの前で、一人の男が力なくたたずんでいました。その姿はどこか朧で、やはり、かの少女やサテライトセルのように霧から作られたように見えます。
「せめて、彼女たちを助け出せれば、もう少しましになれるはずなんだが……」
 長めの銀髪を周囲の大気に溶け込むようにゆらめかせながら、男はいいました。どことなく、アルディミアク・ミトゥナ(あるでぃみあく・みとぅな)に似た雰囲気があります。とはいえ、年齢は上のようですし、顔立ちもずいぶんと大人びています。
 ただ、その顔は、幾人かの者は見覚えがあるはずでした。タシガンの古城で、空京のミュージアムで、イルミンスールの森で……。
 彼が見つめるのは青い光条に満たされたシリンダーで、その中にはココ・カンパーニュ(ここ・かんぱーにゅ)を始めとするゴチメイの面々が、まるで水の中にたゆたうように浮かんでいます。ただし、アルディミアク・ミトゥナの姿はそこにはありませんでした。
「助け手が必要だ……」
 男は、そうつぶやきました。

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 ゴチメイキャンペーンの五話目、「七不思議……」のタイトルを関した最終シナリオの二話目です。
 参加者は、いくつかのグループに分かれますので、前回の位置に則って、それぞれのグループでスタートしてください。なお、途中参加も問題なくできます。
 ただし、傭兵としての途中参加はちょっと設定的にこじつけないと無理となります。補給部隊だとかの理由をつけて、内部から扉を開けてもらって中に入る形になります。
 消火班からの探索チームの方の途中参加は、特に制約なく東側から入れます。消火に参加していたとしてもいいですし、騒ぎを聞きつけて単純に様子を見に来て遺跡を見つけたでもいいです。
 遺跡の外観は、半球に近い直径1キロ弱のドームです。外壁は金属製で、全体に呪紋処理が施され、魔法関係の処理がされているようです。ただし、全体に長い年月で土や草などがこびりついています。
 内部は、パワードスーツが通れるほどの大きな通路が迷路状に走っています。遺跡の機能が回復しつつあり、内部の照明は充分あります。
 通路は、ミニバス程度のゴチメイの中型飛空艇は移動できましたが、パワードスーツ運搬車やトラック、巨大生物は移動できません。
 また、魔法攻撃は威力が半減しています。火器は、狭い通路内ですので、考えて使わないと自滅する恐れがあります。魔法の場合は指向性がコントロールできますので、バックファイアなどはありません。
 霧が作りだした男性は、アルディミアク・ミトゥナの義兄であるアラザルク・ミトゥナです。以前遭遇したことがある人は、顔は知っています。名前などの素性はほとんど知らないはずです。
 
1.傭兵部隊。前回参加、格納庫。
 西の格納庫からスタートしています。前回使用したイコンは全てここに収容しており、外部には置いてありません。
 壁際には、甲冑騎士型のイコンがならんでいます。半分壁に埋まるような形で格納されていますので、取り出したり、乗り込んだりはできません。
 
2.傭兵部隊。遺跡内通路。
 通路内を探索しています。主目的は、未知の新型イコンの探索です。
 なお、サテライトセルと呼ばれる小型機晶姫によって、異物として攻撃を受けています。これらはの大半は、生きた霧から生み出されたもので、倒してもほぼ無限に湧いてきます。ただし、中にはオリジナルのサテライトセルも混じり始めています。抵抗を軽減するには、このレプリカを生み出しているオリジナルの拠点の部屋を発見する必要があります。
 遺跡がじょじょに防衛機能などを回復させつつありますので、コントロールルームの探索も目的の一つとなっています。
 
3.傭兵。増援。
 新規参加のMCやLCは、増援という形で格納庫にいるキャラにゲートを開けてもらって中に入れてもらいます。その後は、1か2の行動を取ることになりますが、この場合は後続となりますので、合流する必要があります。先行チームに合流の意志がないと、合流できないこともあります。特に隊長との合流は難しくなっています。
 あるいは、最初から補給部隊として随伴していたとし、先行チームと一緒の行動を取ります。この場合、遺跡にはすでに入っていますので、あらためて入るシーン描写はありません。
 新規イコンなどを運んで来れますが、パワードスーツ以外は中で使用できません。また、遺跡外部にイコンや大型飛空艇を置くと、消火組から攻撃される恐れがあります。この場合、傭兵と無関係のふりをする形になるでしょう。
 
4.探索隊。前回先行組。
 前回、消火せずに先行して内部に入ったチームは、遺跡の探索を行います。
 目的は、遺跡内の調査、お宝探し、ゴチメイの救出となります。
 高確率で、警告する少女に遭遇します。運がいいと、アラザルク・ミトゥナと出会えます。
 探索方法にもよりますが、場合によってはサテライトセルや傭兵と遭遇します。
 
5.探索隊。消火組。
 ほぼ先行組と同じ行動になります。
 その他、こちらは、入るところからになりますから、遺跡周囲の探索や、ベースとなる基地の設定ができます。大型飛空艇などを中心にするといいでしょう。
 ただし、遺跡外部からの情報は、内部よりは極端に少なくなります。ただし、次回にむけて、イコンの準備などをしておくと展開によっては次回にいかせるかもしれません。へたに周囲を調べすぎて、やぶ蛇になると状況が悪くなる場合がありますので気をつけましょう。
 扉が小さいので、イコン・パワードスーツ・巨大生物・トラック・大型飛空艇は内部に侵入できません。
 
6.探索隊。追加参加組。
 事件を聞いてやってきた、あるいは消火をしてから遺跡に集まってきた、あるいは増援用のイコンなどを運んできたという形になります。
 それ以外は5と同様になります。
 
7.オベリスク
 以前オベリスクにいたか、あるいは今回新たにオベリスクの状況を確かめに行ったという形になります。ないしは、出迎えるかです。
 メイちゃんたちと出会えますが、だいたいの情報は前回と今回ガイドで出そろっています。
 現地で合流するか、むかう途中で合流し、その後は6と同じになります。
 
 時系列的には、4が早いですが、情報がないので何か手を打たないと迷子です。
 次が、1、2となり、続いて3、7、5、6となります。だいたいこの3段階です。極端に時間的有利不利はありませんが、時間の前後は存在します。
 
 基本的に、サテライトセルを排除しつつ、少女とアラザルクに導かれたりして進んで行きます。
 重要ポイントは、以下になります。
1.遺跡周辺部。拠点は東側。
2.傭兵のスタート地点である西格納庫。
3.サテライトセルのラボ。小型機晶姫が絡みます。
4.ゴチメイのいる光条エネルギー吸収施設。アラザルクが絡みます。
5.アルディミアク・ミトゥナのいるコントロールルーム。少女が絡みます。
 
 いずれかを目指して、そこでのイベントとなりますので、確定ロールにならないようにアクションかけてください。また、ポイントへの移動ではなく、遺跡全体を内部から調べるのもありです。
 全体的に、シリアス色は強いので、ギャグシーン以外で迂闊なことをすると相応のしっぺ返しが来る場合がありますので注意してください。

▼サンプルアクション

・ゴチメイを助けに行く

・格納庫のイコンを調べる

・小型機晶姫を排除する

・お宝を探す

・遺跡の謎を解く

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年11月07日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月08日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年11月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年12月01日


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