空京にある「空京どうぶつえん」は、動物達を近くで見ることができ、
また、動物達の愛想もいいことから、人気があります。
しかし、それもそのはず、
「空京どうぶつえん」の動物達は、全員、獣人だったのです!!
パンダの獣人ジョナサンは、最近の待遇に不満を持っていました。
「俺は、パンダとしてこの動物園にこんなに貢献してるのに、
ろくに休憩も取らせてもらえず、この低賃金!!
絶対にゆるさねえ!!」
「こうなったら、明日、客の前で人間になってやるッッッ!!」
ジョナサンは、仲間を集めて、ストライキを決行しようとしています。
翌日は、園長のロイホ氏が、
動物園の出資者になってもらおうと、
蒼空学園校長の御神楽 環菜(みかぐら・かんな)を動物園に招待しているのです。
「ジョナサンの気持ちもわかるけど、
このままでは、楽しみに来てくれる子ども達の夢を壊してしまうわ」
ゾウの獣人デニーが、心配そうに言います。
「お願い、ジョナサン達を止めるのに協力してくれないかしら?」
人間の姿の際は、17歳の少女であるデニーが、
学生達に頼むのでした。
デニーは、まつげの長い美人さんです。
「でも、ジョナサンの言うことにも一理あるわ。
ロイホさんは、最近はお金儲けのことばかり考えて、
スタッフである私たちのことを考えてくれなくなったもの」
デニーは、動物園の当初の目的である、
空京の人々への社会福祉と、
獣人の労働機会の提供という目的を、ロイホ氏が見失っていることを指摘します。
「でも、もうひとつ重要なことがあるの。
ジョナサン達、園長に対しての強硬派は、
より獣に近い姿でお客様を楽しませるためっていうプロ意識で、
檻に入るとき全裸になってるのよ。
その状態で人間に戻ったら……どうなるかわかるわよね?」
獣人は獣になっても服がどこかに消えてしまうので、
全裸になるとかそーいう必要はまったくないのにもかかわらず、です。
もちろん、デニーは仕事でゾウの姿のときも服を着ています。
デニーは服を着ています。
なんとしても、この事件を解決しないと、空京どうぶつえんは大変なことになってしまいますッ!!