シャンバラ教導団

「……恥ずかしい話だが、娘の捜索を依頼したい」

　ヴァイシャリーの富豪、バローザ家の一人娘、【アリア・バローザ】が家出をしたそうです。
　身内の恥だと苛立つバローザ氏ですが、家出をしたアリアの気持ちはわからなくもありません。
　氏は伝統を重んじる人物なので、アリアも様々なお稽古漬けにされ、自由になる時間はほとんどないと聞きます。

「まったく、ふらふらしおって……！　バローザ家の恥さらしだ！」

　相談を受けた桜井　静香（さくらい・しずか）は、苦笑しながら応対しました。

「……え、ええと、色々目撃情報は入ってますから、すぐに見つかると思いますよ」

　空京の繁華街の一つ、空京センター街で、アリアの姿を見かけたと目撃情報が入っています。
　そこは地球のギャル文化が息づく場所であり、金髪で日焼けしたハイビスカスが好きそうな集団がたくさん出入りしてます。
　特にリーダーの【神守杉あげは（かみもりすぎ・あげは）】は、カリスマ的存在とされています。
　基本的に気のいい人たちなのですが、態度が雑なので馬鹿にされていると一般の人は誤解するようです。

「馴染みのない文化に触れるのは、社会勉強になるでしょうから、生徒たちに捜索させましょう」

　隣りで紅茶をすすりながら、ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）が提案しました。

「杞憂だとは思いますが、不穏な噂も聞きますからね……」

　と言うのは、近頃、センター街で騒動を起こしている【犯罪集団】がいるようなのです。
　シャンバラ人数名からなる集団で、万引、カツ上げ、無銭飲食などを繰り返し、市民に乱暴したりするそうです。
　町外れの倉庫を根城にしているらしいのですが、アリアが彼らの犯罪に巻き込まれている可能性もあります。

「……ちょっと気難しい方だけど、アリアさんのことを心配してるんだよね」
「子を思わない親などおりませんわ。ですが、少しギクシャクしているようですわね……」
「その辺りもなんとか解決してあげられないかなぁ……」

　バローザ氏の帰ったあと、静香とラズィーヤはうーんと唸るのでした。

アリアを無事連れ戻すことが目的です。
しかし連れ戻したとしても、バローザ氏との問題があるかぎり、アリアは再び出て行ってしまうかもしれません。
根本的な解決を図るには、バローザ氏の説得も必要でしょう。

また、アリアを捜索する際にも、もしかすると犯罪集団が問題となるかもしれません。
しかし、この犯罪集団はチンピラに毛が生えたようなものなので、プレイヤーの皆さんの相手には物足りないと思われます。

また、空京センター街にいるギャル達にアリア捜索の手助けをお願いしてもいいでしょう。
彼女たちは多少元気が過ぎますが、基本的に姉御肌の気持ちのよい少女たちです。

・犯罪集団の元へ乗り込む

・空京センター街で人探し

・バローザ氏にもの申す