シャンバラ教導団

　校長による新入生歓迎の挨拶が終わり、加能シズルはその場で伸びをしました。

「疲れましたか？」

　隣で、パートナーの守護天使であるレティーシア・クロカスが微笑みます。

「うーん……校長先生の話って、どうも昔から苦手なのよね……」
「でも、この後もまだお話は続くようですわよ？」
「ええ？　本当？」
「二年・三年生による新入生歓迎会のお話だそうで。部活動の紹介もあるそうですが？」
「……うーん、長そうね……」
「ええ」

　シズルの予想通り、長きに渡った先輩方からの挨拶と、部活勧誘メッセージも終わりに近づき。
　これでようやく解放される、そんな気分の時に、彼女の声が響いたのでした。

「えーと、新入生のみなしゃっ……」

　噛んでいます。
　いきなり、噛んでいます。
　壇上で顔を赤くした小谷　愛美（こたに・まなみ）は、「コホン」と咳払いをひとつしてから、改めて宣言しました。

「スタンプラリーを、開催します！」

　体育館にざわめきが広がりました。
　紹介でもなく、挨拶でもない。
　そんな言葉に、興味を惹かれたのでしょう。生徒の視線は愛美に釘付けです。
　その視線に臆すことなく、愛美は笑顔で言葉を紡ぎました。

「蒼空学園は、広いです！　だから、どこを回ればいいかわからない……なんて生徒さんも、居るんじゃないかな？
　なのでマナミンは、スタンプラリー開催をお知らせするよ！
　ルールは簡単。学校入口、校長室、美術室、音楽室、食堂、教室、購買。そこに設置されたスタンプを捺してくるだけ！
　あと、各所にはマナミン含めて二年生三年生の上級生の方々が説明・案内役としてお茶菓子を持って待ってたりするからね！
　これを機に運命の人を探してみちゃってもいいかも？　なーんて……。
　じゃあ、参加待ってるね！」

　聞き取りやすい澄んだ声で、すらすらとスタンプラリーの内容を説明し終えた愛美は、新入生に手を振りながら壇上から姿を消して行きました。
　不意に、退屈していた自分が、しっかりと彼女の言葉に耳を傾けていたことに気付いたシズルは、少し微笑みました。横を見ると、レティーシアのぱっちりとした大きな猫目が、きらきらと輝いています。

「シズルさんっ」
「な、何？」
「これ、わたくし参加してみたいですわ！」
「気になったの？」
「はい。シズルさんは蒼空学園のことに詳しいでしょうけれど……わたくしはあまり知りませんわ。
　そうだ、ついでに案内して下さいまし！」
「まあ、いいけどね……。
　じゃあ行こうか？　入り口でスタンプカード配ってるよ」
「はい♪」

　こうしてスタンプラリーへの参加を決めたシズルは、スタンプカードをもらい、透明なケースに入れて首から下げるのでした。

◆ごあいさつ。
　こんにちは、はじめまして。あるいはお久しぶりです。
　蒼空学園新入生歓迎シナリオを担当させていただきます灰島懐音と申します。以後お見知りおきを。
　まずは、ガイドをクリックしてくれた皆様に謝辞を。


◆内容について。
　シズルやレティーシアと一緒に蒼空学園を廻りましょう。どうせならスタンプラリーで楽しく仲良く！
　または、愛美らと一緒に新入生を歓迎する側に立ちましょう。そして歓迎しましょう。どんな歓迎かは、PL様次第でございます。
　なお、サンプルアクションには真面目っぽいものしかありませんが……歓迎側に下心があったり、はっちゃけてたり、そんなことをしてくださっても全然構いませんので。あ、でもシナリオ崩壊しない程度でお願いしますね。


◆スタンプラリーのこと詳しく。
　愛美の説明通り、蒼空学園各所を回ってスタンプを捺していく、ごく普通のスタンプラリーです。別にトラップとかもないです。新入生と在校生が、和気藹々と楽しめたらなぁと思います。
　えっ？　トラップを仕掛けたい？　そんなGAがあっても面白そうですねえ、お任せします。

　スタンプがある場所――『学校入口』、『校長室』、『美術室』、『音楽室』、『食堂』、『教室』、『購買』――を回りスタンプを捺し、そこで在校生からその場所の説明を受ける。
　なので、新入生はもちろんのこと、在校生による説明もないと困っちゃうので、上級生のPC様助けてください。
　そんな形式でございます。れっつ・ほのぼの和気藹々☆

　なお、文中にありシズルがしている『透明なケースにスタンプカードを入れ、首から下げる』というの行為は、スタンプラリー参加者の証のようなものです。
　同じ参加者様の方が親しみやすいかなぁと思いまして。


◆シズル、またレティーシアとの関係。
　お任せいたします。
　ですがその場合、リアクションで反映させたいので、『誰』と『どういった』関係にあるのか教えてください。
　憧れ、友人、顔見知り。片想いなど、お任せいたします。

・シズルさん！　私も一緒に見て回りたいです！

・スタンプラリーに独自で参加。

・友人同士でスタンプラリーに参加。

・新入生に楽しんでもらう。