シャンバラ教導団

　
　ある日の蒼空学園。
　
「――ックション」

　高円寺　海（こうえんじ・かい）は思いっきりクシャミをしてから、半眼で学園の廊下を見やりました。

「どうしてこんな事に……」

　目の前にあった廊下は、真っ白な雪に覆われていました。
　しかし、雪に覆われていたのは廊下だけではありません。
　蒼空学園の校内、その全てが雪に覆われているのです。
　だというのに、窓から見える外の風景には、
　一片も雪は無く、うららかな日差しがありました。

　午前の授業が終わろうという頃、急に冷え込んだと思ったら、
　問答無用で学校中に雪が降り積もったのです。

　と。

「はーーーっはっはっはっは！！」

　蒼空学園の視察に訪れていたセレスティアーナ・アジュア（せれすてぃあーな・あじゅあ）の声が響き渡りました。
　と同時に、すっぱーん、と海の後頭部に雪玉が投げつけられました。

「な、なんだ！？」

　海が頭の雪を払いながら、振り向くと――
　そこには小さな雪だるまを頭に乗せたセレスティアーナが、偉そうに薄い胸を張っていました。
　その灰色の瞳は、白くぼんやりと光っています。
　そして、セレスティアーナは海に、びしっと指を突きつけました。

「貴様も私と楽しく遊ぶのだ！」
「は……？　遊ぶって……」

　と、海はそこで意識を失いました。


　――数分後。

「そこだ！！」

　海は、雪玉を学園の生徒へと投げつけていました。
　彼の瞳にあったのは、薄くぼんやりとした白い光。

「さあ、お前も俺たちと一緒に遊んでもらおうか」


　＊　＊　＊　＊

　蒼空学園の内部が雪に埋もれた――
　その噂は、すぐに他校生にも広がりました。

「その場で温めま～す、火術でホッカホカな焼き芋はいらんかね～」
「ふむ、一足早く雪中訓練が出来るのは助かるでござるな」
「日本にはカマクラという文化があるとお聞きしましたけど……
　これが……？」

　そんな風に蒼空学園へ遊びにやって来た生徒たちに混じって。

「あのぅ～……。
　すみません……どなたか、私の子供がどこにいるかご存知ないでしょうか？」

　長く白い髪と眉に、透き通るほど白い肌……
　そして、白い和服を着た儚げな美女が、非常に困っている様子で、
　雪に埋もれた校内を彷徨っているのでした。

　みなさま、初めまして。舞傘　真紅染といいます。
　一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。

　秋の終わり頃。
　何故か校内だけ、一足早く雪に埋もれてしまった蒼空学園……
　その噂はすぐに広まって、他校生も遊びに来ています。

　しかし、このままでは通常の授業に支障が出てしまうため、
　学園の生徒には事態の解決が求められています。


＊セレスティアーナと雪玉＊
　どうやら、セレスティアーナは何者かに操られているようです。半分くらい。
　セレスティアーナが投げた雪玉に当たると、
　彼女の配下となり、無性に他の人に雪玉を当てたくなってしまいます。

　セレスティアーナは配下を増やしながら、校内を楽しそうに駆け回っています。


＊セレスティアーナの配下になった人＊
　配下となった人が投げた雪玉も、
　セレスティアーナの雪玉と同様の効果を持っています。
　そのため、現在、学園内では急速に雪合戦を行う者が増えていっています。

　しかし、逆に正気の人が投げた雪玉を当てられると、彼らは正気を取り戻すようです。
（セレスティアーナだけは、雪玉を当てられても元に戻りません）


　それでは、みなさんのご参加をお待ちしております。

・雪玉を当てる！

・セレスティアーナを追う！

・ソリで遊ぶ！

・白い美女をナンパする