シャンバラ教導団

　
　雪景色に包まれたヴァイシャリーの街。
　今日は街で仮装コンテストが行われるとあって、各地から多くの観光客が訪れていました。
　そのため、この日は朝から百合園女学院の生徒を始めとした沢山の生徒たちがイベントの準備や屋台の手伝い、観光案内などに奔走していました。

　そんな生徒の様子を見るついでにと桜井　静香（さくらい・しずか）が街で買い物をしていた帰り道でのことでした。


「うわあああああああああああああん！」


　辺りに女の子の泣き声が響き渡ります。
　と同時に、突然出現した吹雪が静香たちを襲いました。

　女の子の名前はアル。
　人間の子供のように見えますが、彼女は、れっきとした雪の妖精でした。
　ぼろぼろと大きな瞳から零れる涙が、キラキラとした氷の粒へと変わって落ちていきます。
　アルの話を聞くと、どうやらこの学院の近くでもう一人の妖精とはぐれてしまったとか。
　一人きりで泣いているところを静香に保護され、今に至るというわけです。

「うえ、エルおねえちゃ……」

　ぐすりとアルが泣くたびに、能力が暴走して吹雪が襲います。
　しかしそれだけでは止まらず、契約者の能力と魔法の力が変に作用したのか、近くにいた契約者は頭を雪だるまのそれに変えられてしまいました。
　静香だけでなく周りにいる何人かの生徒も同様に、頭はすでに雪だるまヘッドにすげ変わっています。

「どうにかしてお姉ちゃんを探して連れて来てあげるから、泣かないで。ね？」

　お姉ちゃんが心配するよ？　と静香が頭を撫でれば、涙を拭って返事をするアル。
　ですが、そんな一見素敵なシーンも雪だるまの頭では格好がつきません。

　雪だるまになってしまった頭は、暴走して能力を発動させてしまったアルにはまだ解くことができないのです。
　お姉さんであるエルならば魔法を解くことができるかもしれない、とアルは言います。
　何とかして、はぐれてしまったもう一人の妖精・エルを見つけ出して雪だるま頭から戻してもらわなければなりません。

　アルはすぐに泣いてしまうので、一人にしておくわけにもいきません。
　また、能力が暴走してしまうと自分の力では止めることができないので、アルが泣き止まないと大変なことになってしまいます。


　これ以上被害が広がる前にお姉さんであるエルを探し出し、無事にイベントを進めることができるのでしょうか？

皆様、初めまして。新しくゲームマスターを務めさせて頂きます宇角尚顕と申します。


ヴァイシャリーには仮装コンテストの参加者や多くの観光客が訪れています。
せっかくの仮装コンテストも雪だるまヘッドだらけでは行えないため、アルをなだめながら、早くエルを探さなければなりません。
……という状況はありますが、ただヴァイシャリーの街を観光したり、屋台でのバイトや観光案内にせいを出したりする方々も大歓迎です。


●仮装コンテストについて
街は、地球のヴェニスで行われるお祭りのように、
煌びやかな仮面や衣装を身に纏った人々で溢れています。
コンテストは会場のある広場で行われますが、街の至るところに仮装した人がうろついていたりします。

広場には様々な屋台も出店しており、
焼き立てのパンやホットワインやチョコレートなどを売っている他、
仮面や衣装を売ってくれたり、顔にペイントをしてくれるアーティストなども居ます。

また、このイベントには、シャンバラ各地や地球から多くの観光客が訪れています。
そのため、百合園生徒に限らず、多くの生徒たちがスタッフとしても参加しており、
コンテストの手伝いや屋台の他、ゴンドリーエとして観光案内にあたったりもしています。


少しでも楽しんでいただけるように頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

・雪だるまヘッドでエルを探す

・アルと一緒に遊ぶ

・雪景色のヴァイシャリーを楽しむ

・仮装コンテストに出る