シャンバラ教導団

　――シャンバラ教導団校長室。

「李少尉、君に任務を与える」
「はっ！」

　李　梅琳（り・めいりん）は団長金　鋭峰（じん・るいふぉん）に招集され、校長室へ赴いていました。
　鋭峰の厳かな言葉に、梅琳は敬礼で応えます。

「一週間後、空京にあるデパートで『春物一掃売り尽くし処分市』が開催されるが、その現場の警備に当たってもらいたい」
「デパートの売り場の警備、ですか？」
「そうだ。毎年、この時期になるとデパートで雇っている警備員の大半は入院してしまうそうでね。それで我が教導団を頼ってきたのだよ」
「なるほど。毎年入院とは尋常ならざる事態ですね。李少尉、この任務拝命いたします」
「よろしく頼む。人選は君に一任するのだよ。必要であれば他校の生徒を起用しても構わん」
「了解いたしました」

　指令書を受け取ると、梅琳の脳裏にひとつ疑問が浮かび上がりました。

「毎年入院者を出しているほどの事態だそうですが、鏖殺寺院のテロか破壊工作でしょうか？」
「……大変言いにくいのだが」
「はい」

　梅琳の疑問に鋭峰は言い淀みました。
　団長が言葉を選ぶくらいですから、余程の敵に違いない、と梅琳は覚悟を決めます。

「……敵はご婦人達なのだよ」
「はい？」
「……敵はバーゲンセール目当てで押し寄せるご婦人達なのだ」
「な、なるほど」
「相手は一般市民だから迂闊に手は出せない。しかし、ご婦人達は本気だから、警備員ですら入院させてしまう。ある意味、鏖殺寺院より厄介な相手といえよう。手段は問わない、ご婦人に怪我をさせることなく、バーゲンセールを成功させて欲しい。健闘を祈る」
「了解いたしました」

　最敬礼して校長室を出た後、扉が閉まったのを確認すると梅琳は大きく溜息をつきました。

「厄介な任務を引き受けてしまったわね」
「メイリン様、どうなさるおつもりでしょうか」
「とにかく人手が必要だから、教導団だけではなく他校の生徒にも声を掛けてみるわ」
「私もお手伝いいたします」
「助かるわ」

　廊下で待機していたパートナーのエレーネ・クーペリア（えれーね・くーぺりあ）の言葉を頼もしく思いながら、梅琳は早速腕の覚えのある生徒に連絡を取り始めました。



　そして、バーゲンといえばもう一人。

「うふふ〜、空京のデパートでバーゲンですの〜♪」

　蒼空学園の女子寮で、新聞の折り込みチラシを鼻歌交じりにチェックしている十二星華の一人、魚座（アレルシャ）のエメネア・ゴアドー（えめねあ・ごあどー）。
　三度のご飯よりバーゲンが好きな彼女もまた、今回のバーゲンに特攻を掛ける一人でした。

　梅琳やエレーネから連絡を受けて、教導団員以外でも警備員として、バーゲンセール中の警備に就くことが出来ます。
　また、バーゲンに行ってオバハン達の猛攻に巻き込まれたり、エメネアと一緒にバーゲンに行くのもありです。
　ただし、買い物に行ってもアイテムは手に入りませんので、予めご了承下さい（代わりに称号を配布いたします）。

　なお、基本的に警備に就く人以外、武装から武器の類は外しておいて下さい。
　また、警備に就く人も原則武器や攻撃系のスキルでオバハン達を攻撃するのは無しです。
　負傷者を出さずにバーゲンを終わらせることが出来たら任務達成です。

　バーゲンセールが行われる空京のデパートは、地下１階、地上６階の比較的大きめなデパートです。
　各階の内容は

　Ｂ１：食料品
　１Ｆ：高級ブランドショップ＆化粧品
　２Ｆ：婦人服
　３Ｆ：ヤングファッション
　４Ｆ：紳士服
　５Ｆ：インテリア
　６Ｆ：子供服＆玩具＆レストラン

　となっており、全館で一斉に春物の処分バーゲンが開かれるため、北はイルミンスールから南はヒラニプラと、シャンバラ各地からバーゲンセールのチラシを片手にオバハン達が大挙して訪れます。
　どの階をどのように警備するか、アクションで掛けて下さい。

・婦人服売り場を警備する

・ヤングファッションでオバハン達に巻き込まれる

・エメネアと一緒にバーゲンに行く