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金の機晶姫、銀の機晶姫【後編】

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金の機晶姫、銀の機晶姫【後編】

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シナリオガイド

イツワリノイノチ
シナリオ名:金の機晶姫、銀の機晶姫【後編】 / 担当マスター: 芹生綾

《前編のおさらい》


 百合園女学院でおせわになっている機晶姫ルーノ・アレエ(るーの・あれえ)と、その妹ニーフェ・アレエ(にーふぇ・あれえ)からの依頼で、
 エレアノールの遺跡と、ディフィア村ヒラニプラを調査しました。

 遺跡では、魔獣たちを止める手段を見つけ、さらに巨大な機晶石が置かれていたような部屋と、ディフィア村へ通じる洞窟を見つけました。
 ディフィア村ではニフレディルを見つけ、そして村の川の上流にある不思議な岩戸ではルーノ・アレエが歌っていた歌と、《なにかお供え物》があることにより扉が開くことがわかりました。
 そしてヒラニプラでは、ようやくイシュベルタ・アルザスを見つけることに成功しました。

 さらに、教導団にて教員をしていたランドネア・アルディーン、いえ、アルディーン・アルザスがイシュベルタの姉であり、エレアノールに技術を教えた師匠であることがわかりました。
 彼女の本性は冷酷で、残忍であるとイシュベルタ・アルザスはいいました。
 彼女はルーノ・アレエの学友である伏見 明子(ふしみ・めいこ)を攫い、ニフレディルと銀の機晶石を奪っていきました。

 アルディーン・アルザスは、「金の機晶石をよこせ」そういい残して消えていきました。


「……大丈夫、ですか?」
「フィル・アルジェント……きてくださったのですか……」

 ルーノ・アレエの部屋を訪れたのは、フィル・アルジェント(ふぃる・あるじぇんと)です。その瞳には、悲しみの色が浮かんでいます。
 ベッドの脇にイスを置いて腰掛けている彼女は、ベッドの中でちいさく呼吸を続けているニーフェ・アレエの姿がありました。
 その横では、朝野 未沙(あさの・みさ)ができる限りの処置を施してくれたようで、工具が沢山並んでいました。
 朝野未沙本人も、今はニーフェ・アレエの手を握って、祈ってくれているようでした。
 今にも崩れてしまいそうな、憔悴しきったルーノ・アレエの肩を、フィル・アルジェントは優しく抱きしめます。

「イシュベルタさんは?」
「……いえ、あの後……すぐにこちらに来たものですから……」
「そうでした、ここは男性が入れませんもんね……」
「……手紙が、来ていたんです」

 ルーノ・アレエがそう呟いたのと刻を同じくして、学園の外にある宿泊施設で軟禁状態になっているイシュベルタ・アルザスも一通の手紙を見せながら、二人の百合園女学院の生徒に見せていました。

「アルディーンからだ」
「なかには、なんて!?」

 イシュベルタ・アルザスは、無言で手紙をロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)に投げつけました。

『私は心が広い。
 金の機晶石ごとルーノ・アレエが私の元に来るならば、銀の機晶石はくれてやろう。むろん、攫った女も返してやる。
 場所は……そうだな。旧ボタルガの町にしようか。被害が出ないほうがいいだろう?
 時間は明日、正午。
 こなければ、攫った女の血で絵でも描いてやろう』

「……ルーノさん宛にも、届いているんでしょうね」
「恐らくな。明日の朝までに、協力者を集められるか?」
「え?」
「……聞いたことに答えろ」
「あ、あなたは、助けてくれるんですか?」
「イシュベルタおにいちゃんは、ルーノお姉ちゃんやニーフェちゃん、明子おねえちゃんをぜったいぜったい助けてくれるです!」

 驚いた声を上げているロザリンド・セリナの横で、ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)がにっこりと笑ってそういいました。

「ヴァーナーさん……」
「そうですよね?」
「……昨日からこの調子で見られちゃ、助けないわけに行かないだろ」
「イシュベルタおにいちゃん、すっごく優しい人です。見ればわかるです!」
「見ればわかる、か……俺は自分がいいやつだなんて思ったことはないが、お前がいうんなら信じてやる。ロザリンド、とかいったな?」
「はい!」
「この手紙を見て、他にわかることがあるか?」
「は、はい……恐らくですが、彼女は戦う気ですね? それも、かなり広範囲に被害が出るかたちで」
「ああ。そうだ。被害が出ないほうが、といっているということは、俺たちが力づくで取り返すことは計算済みだろう」
「アルディーンお姉ちゃんも、助けられませんか?」

 そう呟いた美少女の言葉に、イシュベルタは困ったように頭をかきました。そのまっすぐな瞳が、いい意味で苦手なようです。
 ため息をついて、サイドテールが崩れないように彼女の頭に手をおきます。

「……お前には、アイツもいい奴に見えるのか。まったく……」
「ルーノさんも、ニーフェさんも、こうした優しさに囲まれて今の彼女たちになれたんだと思います」
「それに、ルーノおねえちゃん、きっとイシュベルタおにいちゃんのおねえちゃんに死んでもらいたくないとおもうです」
「……まぁいいさ。戦闘に向かないお嬢様校に世話になってるんだ。お前たちらしく助けてくれればいい」

 その言葉に、二人は微笑みながら頷きました。



「……私は、ニーフェのために行ってきます」
「ダメだよ! アルディーンはきっとルーノさんを兵器にするつもりだよ?」
「伏見 明子が攫われている以上、それしか方法がありません……それに、ニーフェを死なせたくはないです」

 朝野 未沙は歯を食いしばって涙を堪えました。特別な機晶姫であるルーノ・アレエやニーフェ・アレエの機晶石はどのみちエレアノール…ニフレディルがいなくては始まりません。
 
「……うん。でも、ルーノさんだけなんて行かせないよ」
「ニフレディルさんにもきてもらわなくっちゃ……歌を、彼女覚えていたんだもの。きっと、何もかも思い出すきっかけはあるはずです!」
「ありがとうございます。誰かに……ニーフェのお見舞いをお願いします。この子が意識を取り戻したとき、さびしくないように……」

 短い返答が帰ってきたのを確認すると、ルーノ・アレエはようやく少しだけ微笑みました。




――――――――――――――


「はぁ。よりによってなんで私なのかしら?」

 伏見 明子はため息混じりに目の前にいるアルディーン・アルザスを睨みつけました。縄で丁寧に縛り上げられているので、到底逃げ出せそうにありません。

「適当に選んだ、それだけのことだ。それに、親しいんだろう? リーゼとは」
「友達使うなんて最低よ」
「フフフ、いい面構えだ。虐めたくなるな……」
「アンタ一体……何が目的なのよ」
「あの博士達が何を望んで私にまた声をかけたかは知らないが、私は私のやりたいことをする。協力してもらうぞ? エレアノール」
「もう、だから私エレアノールじゃなくってニフレディルなんだけど……」

 フードの女性、ニフレディルは盛大なため息をついて、そしてその場を離れました。
 伏見 明子の耳には、あの歌を鼻歌で歌う彼女の声が聞こえてきました。







担当マスターより

▼担当マスター

芹生綾

▼マスターコメント

 少し間が開いてしまいましたが、金の機晶姫、銀の機晶姫《後編》の始まりです。
 ガイドというより導入ストーリーのようになってしまいましたね。

 今回は、イシュベルタ・アルザスも協力してくれることになります。
 相手は鏖殺寺院を名乗っておりますが、どうやらアルディーン・アルザスは寺院そのものよりも、自分自身が楽しむことが目的のようです。
 寺院が今回彼女に協力しているか、まだわかりません。
 舞台は『空に轟く声なき悲鳴』の旧ボタルガです。人は住んでおりませんので、存分に暴れられます。

 ニーフェ・アレエはただいま最低限のエネルギーで百合園女学院のルーノ・アレエの部屋で休んでいます。
 お見舞いしてくれる方歓迎です。ベッドの上から動かなければ、まだ生きながらえることができるでしょう。


 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・アルディーンをぶったおす!

・敵の裏をかく

・ニーフェのお見舞い

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年05月11日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年05月12日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年05月16日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年06月01日


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