シャンバラ教導団

　ビー！　ビー！　ビー！
　天沼矛に警報が鳴り響きます。
「レーダーに感有り！　これは、鏖殺寺院のイコンです。シュヴァルツ・フリーゲ１０機、シュメッターリング４０機です！！」
「なんだと！　ここまで接近されている！？」

　ドーン

　爆発。
「大変です、一部のイコンが天沼矛内に侵入してきました」
「何だと！　天沼矛を見学に来ている契約者がいたな。彼らに至急依頼を出せ。AブロックとBブロックの間の通路を第二次防衛線、エレベーター前を最終防衛線として設定し、鏖殺寺院から守ってくださいとな。頭を下げてでも頼み込め」
「はい！　ところで第一次衛線はどこに？」
「バカモン！　イコンによる防衛線に決まっておる。天御柱の学生にもスクランブル命令！　可能な限り敵イコンをたたき落とせ！　とな」
　そして天沼矛に訪れていた生徒たちは戦闘に巻き込まれることになりました。それぞれ手近な方の防衛ラインに足を運び、敵襲に備えます。
　イコンの数自体は多いですが、生身ならば熟練の戦士のいるこちらの方が上と思い込んでいたのが間違いでした。
　敵は随伴飛行歩兵として機晶姫、ヴァルキリー、空飛ぶ箒に乗った魔法使いなどを配備していたのです。彼らも一部侵入してきています。機晶ロケットランチャーや魔道銃を装備して、出撃したイコンにまとわりついたりもしています。
（本格的な侵攻と言うには数が少ない……だが、偵察と言うには多い。威力偵察か！）
　司令官のその考えは当たっていました。
　鏖殺寺院は今後の本格的な侵攻に向けての、威力偵察をしかけていたのでした。
　天沼矛に控えていた兵士や教官たちも出撃し、こうして戦いは始まりました。

　一方天沼矛内部――
「カノン、行くのか？」
　たまたま天沼矛を訪れていた山葉　涼司（やまは・りょうじ）は最終防衛ラインの警備を担当することになり配置につきます。その時、イコンデッキに向かっていく設楽　カノン（したら・かのん）を見つけて声をかけました。
「あら、『私の涼司くん』じゃない涼司さん……大丈夫です。あたし、強いですから。アハハハ」
　カノンは笑いながらナタを持って去って行きました。
「あの人、なんか怖いですね……」
　花音・アームルート（かのん・あーむるーと）も涼司のパートナーとして最終防衛ラインの警備に付きます。
「言うな……あれは、俺があいつの感情を殺したせいだ」
　涼司は花音を睨むと悔やむような表情を見せました。

■ＰＣ側のイコン搭乗について
　イコンに乗れるのは天御柱学院の生徒に限ります。
　天御柱学院の生徒が乗れるイコンは、

・イーグリット
ビームライフルとビームサーベル装備の近接型

・コームラント
大型ビームキャノン装備の遠距離支援型
　
　の二種類です。どちらかを選んでください。
　また、イコンはパートナー（LC）がいなくても最低限の操作は出来ますが、
　その能力は著しく落ちます。

■共通情報
新武装：頭部バルカン
　機晶ロケットランチャーより弱い程度の威力を持ち、１秒間に６０発発射します。6000発装填されています。両陣営のイコン共に装備しています。
　バルカンは正面装甲に命中してもまともなダメージを与えることはできませんが、牽制などには役立つでしょう。

■敵イコン情報
・シュヴァルツ・フリーゲ　１０機
マシンガン装備の指揮官機。

・シュメッターリング　４０機
シュヴァルツ・フリーゲの量産型。マシンガン装備

　
　イコン部隊が戦うのは、シュヴァルツ・フリーゲ+シュメッターリング４機の５機編成×８小隊になります。
　１０機、１０組のイコンパイロットがすでに侵入しました。イコンは乗り捨てられていますので、天御柱の生徒ならばこれを奪って乗ることができます。ただしその際は敵味方識別信号に注意してください。

　機晶姫、ヴァルキリーの魔法使いの随伴飛行歩兵数十名。機晶ロケットランチャーor魔道銃装備。こちらも２０人ほどが侵入しています。
　生身でイコンの攻撃力に対向することはほぼ不可能です。バルカンを受けても随伴飛行歩兵は撃墜扱いになります。
　なお、随伴飛行歩兵はレーダーに映らず小回りがききます。そのため目視でないと気づかれないまま正面装甲以外の部分を狙えます。十分に注意してください。


射程はローカルルールとして
機晶ロケットランチャー＆魔道銃＝1（移動後攻撃可能）
ビームサーベル＝１（移動後攻撃可能）
頭部バルカン＝３（移動後攻撃可能）
ビームライフル＝５
鏖殺寺院機関銃＝６
大型ビームキャノン＝１０
（単位ヘクス）
となります。同一ヘクスに複数の機体が存在することは不可能です。

また、ユニットの移動力は
イーグリット＝6　
シュヴァルツ・フリーゲ＆シュメッターリング＝5　
コームラント＝4　
随伴飛行歩兵＝1
ヘクスとなります。

ターンの概念はありません。リアルタイムに進行するものと考えてください。
なお、これらはあくまでも空中戦時の話です。

イコンに乗る際はイコンに関するマスターシナリオ講座
http://souku.jp/manual/manual_11i.html
をご覧の上アクションをかけてください。

■生身戦闘のローカルルール
鏖殺寺院側の戦力はイコンパイロットは銃剣付のアサルトライフル、機晶姫とヴァルキリーは機晶ロケットランチャー、魔法使いは魔道銃を装備しています。
アサルトライフルの攻撃力は25程度。銃剣部分は壊れやすく、鍔迫り合いなどには向いていません。銃剣で刺突、あるいは切られた場合の攻撃力は20です。
イコンパイロットはまず突撃し、手強いとなれば距離をおいて銃撃してきます。与しやすい相手には切り結ぶこともあります。

生身戦闘では防御側は二割の戦力を失うと突破され、攻撃側は二割の戦力を失うと撤退します。

戦闘の判定方法は（攻撃力+武器攻撃力+２Ｄ６）／２−（防御力）として計算し、HPが二割以下で重症として戦線離脱。0かマイナスになった場合は気絶として戦線離脱します。重症で離脱した場合は回復を受けることで戦線に復帰できますが気絶した場合は復帰できません。
二割の戦力を失ってから回復したものが復帰して二割を上回った場合、敵戦力の戦線突破はそこで一時中断され、再度防衛戦が始まります。
なお、敵側に回復手段を持ち合わせているものは居りません。

　小隊を編成し、それぞれ天沼矛の東西南北どこを守るのかを【東】のようにタグ化してください。
　なお、編成に際しては【チャーリー】【ブラボー】などと小隊名を囲んだタグをアクション内に記入し、どの隊に加入するのかをはっきりと示してください。
また、指定がないあるいは【フリー】とされた場合はこちらの方で適当に編成します。
　小隊の指定が矛盾している場合もマスターの判断で修正します。

　搭乗する機体についても、把握のためにイーグリットを全角大文字で【Ｅ搭乗】コームラントを【Ｃ搭乗】としてくださると助かります。
　また、防衛線に関して【一次】、【二次】、【最終】と書いてくださるとなお助かります。強制ではないですができるだけご協力お願いします。

　またTACネーム（機体愛称）を決めておくと描写されやすいでしょう。（例：サイファー（愛称）、ROCK（本名の頭文字が“岩”だったため）などです）『TACネーム【竜王】』などとタグを設定していただけると把握が楽になりますのでこちらもご協力お願いします。
　 コールサインは部隊ごとに決めて管制とのやりとりに使用します。例：ブルーインパルス01（ブルーインパルス隊1番機）。オメガ02（オメガ隊2番機）。
　機体同士がお互いを呼び合う際は主にTACネームになります。

　イコンの操作は「攻撃担当」と「それ以外」です。どちらがどちらを担当するかは自由に決めて構いません。
　ECM、ECCM、チャフなどは標準装備として付いていますがこれらを使用しても判定上有利不利はありません。戦闘の距離が短くなる程度です。なお本格的な電子戦機は鋭意開発中です。

　その他、描写を増やすためのお願いとテクニックについてはマスターページを参照してください。

・イーグリット、またはコームラントに乗り込み敵を倒す

・生身で第二次防衛線を構築。敵を撃退する。

・生身で最終防衛線を構築。敵を撃退する。