シャンバラ教導団

　全ての始まりは、昼の十二時丁度に蒼空学園のコンピューターに送られた一通のメール。

緊急！

　怪人奇獣面相（かいじんきじゅうめんそう）と名乗る者が、アンキラの花を蒼空学園に持ち込んだという情報が入った。
　今すぐ捕まえて欲しい。その花は密閉せずに長く放置すると、植物のモンスターを呼び寄せてしまう危険なものだ。
　奴は変装の名人ゆえ、誰かに化けていると思う。だがアンキラの花を所持しているからそれで判別できる筈だ。
　アンキラの花の特徴は、色は白、形は薔薇に似ているが、棘はない。蜂蜜に似た甘い匂いがする。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　以上だ、よろしく頼む。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ネット探偵A


　そのメールが送られてきた数分後。
　あちこちから植物のツタのようなものが生え、生徒を襲い、校舎を壊し始めました。

　同時刻。
　そのツタのせいで、エレベーターが一機止まってしまっていました。
「外が騒がしいようですけど……なにかあったんでしょうかね」
「そうでござるなぁ。それにしても、夏場にそんな黒衣で暑くないんでござるか？　仕事着か何かでござろうか」
「この黒衣はただの趣味で、俺は単なる植物学者ですよ。そういうあなたこそニンジャのような奇抜な服じゃないですか」
「む。拙者、内谷利経衛（うちやりへえ）は葦原の生徒ゆえ、これが普通なんでござるよ」
　中に閉じ込められたふたりは、たわいもない話をしながら助けを待っています。


　更に同時刻。
　校長室をノックする少女がいました。その手には、色とりどりの花束を抱えています。
「校長先生ならお留守ですよ」
　その少女が声をかけられ振り返るとそこには、廊下掃除をしているひとりの色白な女子生徒がいました。
「そうなんですか？　あ、私はルルナと言います」
「ご丁寧にどうも。ワタシのことは幻影少女と呼んでください。それで何か御用ですか？」
　なんとも独特な呼称に、少女ルルナは若干戸惑いつつ、
「あ、はい。実は村の近くでキレイな花が咲いたので学園の方々にもお見せしようと……」
　と、言葉の途中で勢いよくツタが窓ガラスを破壊して飛び込んできました。
　ふたりは目を見合わせた後、幻影少女がルルナの手をとってその場を離れました。

　今回は、以前に出てきたゲストキャラクターを再出演させてみました。
　ご存じない方の為に、簡単に紹介をしておきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　黒衣の男　：植物学者。だが学者にしておくには勿体無いほど、身体能力は高い。（『大樹の歌姫』に登場）
　内谷利経衛：葦原明倫館生徒。体力は平均以下だが、情報収集能力に秀でている。（『激突必至！　葦原忍者特別試験之巻』に登場）
　ルルナ　　：ツァンダ近くの村に住む少女。年齢こそ１１だが、度胸は据わっている。（『深淵より来たるもの』に登場）
　幻影少女　：蒼空学園生徒。正体は幽霊だが、己の身に宿る魔力で現世に留まっている。（『雪下の幻影少女』に登場）

　以上の四人と話したことがある人も無い人も、よければ絡んでみてください。
　ただ、この中に怪人奇獣面相がいる可能性も……？
　ちなみに四人全員と話をするのは、物理的・時間的に厳しいので、黒衣＆利経衛か、ルルナ＆幻影少女のどちらかしか会うことはできません。

　そして当然、学園にはびこるツタのモンスターも排除しなければなりません。
　己の力で殲滅するもよし、怪人を捕まえてアンキラの花を処分するもよし、枯らす方法を調べるもよしです。

　いかにして事態を解決するか、知恵を振り絞って頑張ってください。

・怪人を捜す

・植物のモンスターを倒す

・ルルナと幻影少女を守る

・黒衣の男と利経衛を助ける