シャンバラ教導団

　なんだか香ばしい匂いがします──
　鼻をひくつかせながら生徒達が向かった先は温室前。
　百合園一大きい温室を任されているオーバタ・マナーブ（６３）が、どでかい鉄板の上に、なんと！
巨大ムカデの輪切りをのせて焼いていました。
　手馴れた動作で細かく分断し調味料と思われる物をぶちこんでいます。

「管理人さん！　何してるんですか！？」
「お、待ってたぞ。もじき出来上がるから食え！」
「このグロテスクな物はひょっとして……温室に巣食ってた奴ですか？」
「あぁ、よく知ってるな。ちょっとてこずったが何とか倒してよ。そんなことより、こいつを全部食って処分してほしいんだ」
「管理人さんは食べたんですよね？」
「わしがこんな気味の悪い物……あ、いやいやいや…」

　げふごふと、わざとらしい空咳を吐く管理人さん。

「ケルベロス君に毒見をさせては？」
「拒絶した」
（……そんな物を生徒に食べさせようとしているのか）
「わしはこれからケルベロスを散歩旅行に連れて行かなきゃならん。皆は食べて状況を記録しといてくれ！　……まぁ大体の事は予想出来るが…」
「え？」
「味は３種類用意したから好きな物を食え！　温室は開けておくから自由に出入りしていいぞ。あぁ、腹は壊さないようにな！！」

　意味深な言葉を吐いた管理人さんは、慌てて話を逸らします。
　そして最後の言葉は、そこにいる全員を微妙な気分にさせました……

　鉄板の上には、原型を留めていない佃煮の山が３つあります。

　一つはシンプルに。醤油とか酒とか砂糖とか……そんなものを混ぜて作ったそうです。
　一つは南国風味。温室のフルーツを混ぜてみたそうです。
　一つはタネ子エキス入りだそうです。

　管理人さん曰く危険を伴う？とのことで、巨大な檻と巨大な虫取り網を用意してくれました。　檻？網？
　もしかして──食べた者は昆虫にでも変貌するのでしょうか！？

　温室には、管理人さんが我が子のように可愛がっている番犬ケルベロス君、食虫花タネ子さんがいます。
　今回、ケルベロス君は散歩旅行。
　タネ子さんのハマグリ頭はつい先程ケルベロス君の胃袋の中に入ったようで、温室の危険は半減されています。
　そして巨大ムカデが巣食っていた穴は、お湯が湧き出ているようです。

記録は１冊のノートに皆が記入していく形になります。
シナリオ【ぼくらの栽培記録。】を参照すると、形がご理解頂けるかと思います。
上記シナリオと今回の話は全く異なりますので続きものではありません。
どなたでもご参加できます。
記録係をご希望の方は、口調を重視してお書き下さい。

・記録係希望

・シンプル実験体希望

・南国風味実験体希望

・タネ子エキス実験体希望