ツァンダ郊外の森の中に、ぽつんと一軒の洋館が建っています。
もう随分前に、持ち主であった人物は亡くなっており、親族の人も居るのですが場所が場所だけに手付かずで放っておかれたままになっていました。
なんでも、この洋館の持ち主であるフランクリン・イェーガーという人物は珍品を集める趣味があったそうです。
大事な収集物を守るために、この洋館には盗賊対策に多くの罠が設置されていたため、撤去することもできずにいたのです。
そんな噂を聞きつけた旅商人のネリィは、お屋敷にあるという収集物に興味が沸きました。
もしかしたら、すっごい価値のあるものが見つかるかもしれない!
しかし、前述の通りここは盗賊対策の罠が沢山設置してあります。
驚いたことに、持ち主だったフランクリンすら罠の設置場所を把握しきれず、孫の結婚式に出かけてから帰宅することができなかったのです。
もちろん、罠の設置場所が記された見取り図なんて残っていません。
とにかく善は急げ、とネリィは親族を探し当ててこの洋館を買い取りました。しかし、一度は屋敷に挑戦してみたものの、彼女ではこの洋館を攻略することができませんでした。
「仕方ないわね……少し取り分が減っちゃうけど、人を雇いましょう」
そんなわけで、彼女は今このお屋敷を攻略して中からお宝を取ってきてくれる人を募集しています。
この洋館を攻略しよう、という気持ちがある人ならば大歓迎。
ネリィ個人の依頼なので、どの学園からでも参加できます。
この依頼そのものには、報酬はありません。しかし、洋館の中で見つけたお宝を、外で待機しているネリィがその場で買い取ってくれます。
つまり、より価値のあるものを見つければ、それだけ大きな報酬がもらえます。
ネリィもこの日の為に、結構な金額を現金にして用意しているそうです。
準備万端、あとはこの洋館を攻略できるツワモノが集まる事を祈るばかり。
「あ、言っておくけど、ネコババしようとしたら私刑だから、そこんとこだけは覚えといてね」