シャンバラ教導団

　――カフェテラス「宿り木に果実」。
　世界樹イルミンスールの麓にあり、イルミンスール魔法学校にほど近いここは、各種飲み物と手作りケーキをリーズナブルな価格で提供しており、学生の懐に優しい御用達のお店として、イルミンスール魔法学校の生徒を始め、各校の生徒が足繁く通っています。
　特に男子生徒のお目当ては、看板娘ミリア・フォレスト（みりあ・ふぉれすと）です。永遠の二十代前半の美人ウエイトレスが出迎え、ミリア自ら話し掛けてくれることもあって、客足が途絶えることはありません。

「日本だと、冬には魚介類を食べるんですね」
「冬になると海水も冷たくなるから、魚介類の身が締まるの。冬の旬は鱈（たら）とか鯖（さば）とか、カニとかエビとかイカね」

　その日、ミリアは蒼空学園の新入生加能　シズル（かのう・しずる）と日本の冬の旬の食べ物について話していました。
　シズルは全学校中最大の蔵書を誇る大図書室に用があったようで、その帰りに宿り木に果実に立ち寄って一息入れていました。
　ミリアが言うには、彼女はあまり魚介類を食べたことがないそうです。イルミンスール魔法学校のあるザンスカールはパラミタ内海に近いですが、イルミンスールの森の豊かに幸があるお陰で、海産物はあまり食べないのだそうです。

「パラミタ内海にもパラミタ毛ガニやパラミタテッポウエビ、パラミタ観音イカが生息しているようだわ」

　シズルは大図書室から借りてきた生物図鑑を見ながら説明しました。
　いずれも魚介類というよりはモンスターで、パラミタ毛ガニやパラミタテッポウエビは全長１〜３ｍ、パラミタ観音イカに至っては５ｍを越す巨体だとか。

「シズルさんのお話を聞いていたら、私、食べたくなってしまいました」

　ミリアは恥ずかしそうに頬を染めながら言いました。
　採るのは大変かも知れませんが、その大きさからさぞ食いではあるでしょう。

「……実戦訓練の相手としては不足はないわね。私が船をチャーターするから、ミリアさんは他の生徒に声を掛けてくれないかしら？」
「はい！　もちろん、私も現地に行きますね。採れたての魚介類をその場で調理します。後で大図書室でお料理の本借りてこないと♪」

　シズルの言葉にミリアは上機嫌です。

　数時間後。ミリア・フォレストの名前で、イルミンスール魔法学校を始め、各校の掲示板に『パラミタ内海へ冬の海の幸を食べに行きませんか？』という依頼書が貼り出されました。

　宿り木に果実の看板娘ミリアと一緒に、パラミタ内海の冬の海の幸を食べよう！　という依頼です。
　イルミンスール魔法学校の生徒が参加しやすくなっていますが、ミリアは各校に依頼書を貼り出していますので、学校に関係なく気軽に参加していただけますと幸いです。

　今回採る魚介類は主に３種類です。

・パラミタ毛ガニ
　全長３ｍの巨大な毛ガニです。カニですので横歩きしかできませんが、その巨体に似合わず素早いです。
　カニの甲羅はプレートメイル並の重装甲で、生半可な攻撃ではびくともしません。
　また、巨大なハサミは鎧もろとも人間の身体を圧搾してしまう威力があります。
　加えて、口から吐く泡に触れると麻痺するので接近戦では注意が必要です。

・パラミタテッポウエビ
　全長１ｍの巨大なエビです。歩くスピードは遅いですが、尾を使ってジャンプやバックステップで間合いを詰めたり回避します。
　パラミタ毛ガニほどではありませんが、固い甲羅に覆われています。
　左右どちらか片方のハサミ脚が太くなっています。この太い方のハサミを一旦直角まで開いてかち合わせるとソニックブームが発生し、獲物を倒します。このソニックブームは水中でも有効です。

・パラミタ観音イカ
　全長５ｍの巨大なイカです。普段は水中におり、陸に来ることはほとんどありません。
　10本の足で獲物を絡め取り補食します。また目眩ましとして墨も吐きます。
　大きさが大きさですが、パラミタ毛ガニやパラミタテッポウエビに比べると、特筆する特殊能力はありません。

　いずれか１体と戦って食材をゲットしてください。複数戦おうとした場合、ＭＣとＬＣが別々の相手と戦おうとした場合はダブルアクションになりますのでご注意下さい。
　パラミタ毛ガニとパラミタテッポウエビは浜辺近くの岩礁にいます。
　パラミタ観音イカは沖に出る必要がありますので、シズルが10人乗りの小型船を数艘チャーターしています。

　食材がゲットできたら、同行しているミリアが料理を振る舞います。
　リクエストがありましたらお気軽にどうぞ。
　腕に自信のある方は調理を手伝っていただけますと助かります。

・パラミタ毛ガニと戦う

・料理は任せろ！

・パラミタ観音イカにわざと捕まる