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スーパーモール:ヘッドマッシャー2

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スーパーモール:ヘッドマッシャー2

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シナリオガイド

穏やかな買い物日和は、細菌テロの恐怖に汚される
シナリオ名:スーパーモール:ヘッドマッシャー2 / 担当マスター: 革酎

 鏖殺寺院の残党集団のひとつ『パニッシュ・コープス』に、ひとりのバイオメカニクス技術者がスカウトされて入団しました。
 その人物の名は、若崎 源次郎(わかざき げんじろう)
 強化人間に関する技術製品を開発・製造する他、生物兵器の評価試験請負、及び対策情報流通などで一定のシェアを持つ軍産企業南宮生工(なんぐうせいこう)の、元社員です。

 源次郎は南宮生工の社員時代に、屍躁菌(しそうきん)と呼ばれる、恐るべき細菌兵器を開発しました。
 この屍躁菌は、人間などの知的生物を凶暴な怪物赤涙鬼(せきるいき)へと変貌させる毒素レイビーズS2型を排出する能力を持っています。
 屍躁菌は伝染性が強く、汗や皮脂などの体成分を経路として接触感染する他、呼吸時に拡散する二酸化炭素に乗って大気中に舞い上がり、容易に空気感染するという厄介な性質を誇ります。

 赤涙鬼は、血液が両目から涙のように溢れ続けることから、この名が付きました。
 この不気味な怪物はレイビーズS2型による筋肉組織の暴走を補う為に、特定の高タンパク性エネルギー源を必要とします。ここでいう高タンパク性エネルギー源とは、人肉を指します。
 赤涙鬼と化した知的生物は、言語中枢及び記憶や理性をつかさどる脳細胞が破壊され、人格を形成する精神活動が一切失われる為、法的な意味合いでは事実上、死亡したことになります。
 一度赤涙鬼化してしまうと最早手の施しようがなく、頭部を破壊して完全死させる以外、救う手だては無いといわれています。
 但し赤涙鬼自体の寿命は極めて短く、24時間後には筋肉組織の暴走が極限に達し、脳幹破壊を伴って死亡します。この時点で、宿主内の屍躁菌もレイビーズS2型の排出がほとんど完了しており、感染者は肉体的にも完全に死亡するものの、ここでようやく無害な存在になるという訳です。

 尚、コントラクターの肉体は抵抗力が強い為、レイビーズS2型による赤涙鬼化は発生しません。尤も、キャリアーとして空気感染の伝染源にはなり得るのですが。

     * * *

 2022年、秋。
 ツァンダの郊外に、大型ショッピングセンターツァンダ・スーパーモールが開店しました。
 スーパーモールでは開店記念セールが大々的に予告されており、開店当日には数千人規模の買い物客で賑わうことが予想されています。
 家族連れやカップルなどを主な客層としてターゲットに定めており、洗練に洗練を重ねた内装と機能的な売り場構造が、地元市民の興味の的となっていました。

 そして、いよいよ開店当日の朝。

 正面ゲート前には、開店記念セールの特売品を手に入れようと、老若男女を問わず、大勢の買い物客が長蛇の列を作りました。
 午前十時の開店と同時に、これらの買い物客が一斉に店内へと雪崩れ込み、それぞれお目当ての売り場へと直行していきます。
 スーパーモール敷地内は見る見るうちに、賑やかな空気に覆い尽くされていきました。

     * * *

 ところが――。

 その数時間後、スーパーモールはシャンバラ教導団の一個中隊規模に近しい兵力によって包囲され、蟻の子一匹すらも逃げられない程の完全封鎖が施されました。
 実をいうとこの日の朝、スーパーモールの武力封鎖部隊を指揮する教導団レブロン・スタークス少佐のもとに、緊急を告げる極秘情報が飛び込んでいました。
 その内容は、若崎源次郎が屍躁菌をスーパーモール内に散布する細菌テロを敢行する、というものでした。
 そして、これはまだ未確認情報ですが、既にスーパーモール内のそこかしこで、赤涙鬼と化した買い物客やスタッフが他の発病していないひとびとに襲いかかっている、とのことです。

 穏やかな買い物日和に恵まれた大型ショッピングセンターは、一瞬にして脱出叶わぬ阿鼻叫喚地獄と化したのです。

     * * *

 スーパーモールの正面ゲート近くに位置する駐車場の一角に、封鎖部隊の指令本部が設置されています。
 スタークス少佐は、この指令本部にレオン・ダンドリオン(れおん・たんどりおん)中尉を呼び出しました。
「ダンドリオン、入ります」
 幾分緊張した面持ちのレオンが簡易テント内に足を踏み入れると、参謀役の下士官達と一緒になってスーパーモールの見取り図を睨みつけていたスタークス少佐が、厳しい表情のまま、レオンに視線を転じました。
「来たか、中尉」
 短く応じたスタークス少佐は、下士官達を一旦、簡易テントの外へ引き払わせました。
 レオンは、小さく喉を鳴らします。緊張がより一層、彼の中で高まってきました。
「中尉、貴様には若崎源次郎捕縛任務を命ずる」
 一瞬レオンは、我が耳を疑いました。
 スタークス少佐はレオンに、スーパーモール内に潜入せよ、といっているのです。

 既に事態は、犯人ひとりを捕えた程度では、どうにもならない状況に陥っているというのに、一体何故、スタークス少佐は源次郎を捕えよ、などというのでしょうか。
 レオンが訝しげな表情を浮かべていると、スタークス少佐は幾分苛々した様子で、レオンの疑惑に満ちた顔をじっと睨みつけてきました。
「実をいうとな、モール内に散布された屍躁菌には対菌抗錠と呼ばれる、いわば特効薬ともいうべきものが存在するらしい。但しそれを製造するには、若崎容疑者のDNA情報が必要になるとのことだ」
 屍躁菌そのものが、源次郎の大腸菌を培養素として製造された為、彼のDNAを解析すれば、屍躁菌の嫌性成分が生成出来る、というのです。
 しかしここでスタークス少佐は、ひとつ問題がある、と付け加えました。
「若崎容疑者はパニッシュ・コープスには無断で、今回の細菌テロを仕掛けたらしい。よって、自身のDNAがこちらに奪われる可能性については、ほとんど何の対策も講じていない様子だ。そこで奴らは」
 スタークス少佐は忌々しげに、吐き捨てます。
ヘッドマッシャーを派遣したようだ。勿論その目的は、若崎容疑者の肉体を完全に破壊し、我々のDNA採取を阻むことにある」
 レオンは、端正な面を苦々しい色に染めます。
 過去に二度、ヘッドマッシャーに苦杯を舐めさせられた彼は、今度こそ任務を達成せねばならないと、自分自身に強く誓いました。

     * * *

 一方、モール内では。
「お姉ちゃん、怖い! 怖いよぉ!」
 家族とはぐれた、三歳ぐらいの女の子を必死に抱きかかえながら、シェリエ・ディオニウス(しぇりえ・でぃおにうす)は赤涙鬼の群れが巻き起こしている地獄絵図の中を、懸命に走り続けています。
 周囲では、両目から真っ赤な鮮血を涙のように垂れ流す異形の化け物どもが、逃げ惑う買い物客やスタッフに次々と襲いかかり、生きたまま食い殺すという信じられない惨劇を繰り広げています。
 相手がひとりやふたりなら、シェリエにも何とかなったかも知れませんが、赤涙鬼は爆発的にその数を増やし続けており、今やモール内に居るひとびとのおよそ三分の一は、食人の怪物と化してしまっています。
 カフェ・ディオニウスに新しい調度品を仕入れようと、たまたまスーパーモールの開店記念セールに足を運んだシェリエは、運悪く、この細菌テロに巻き込まれる形となってしまいました。
(どうして……どうして、こんなことに!)
 女の子を抱きかかえて逃げ惑うひとびとの波に押されながら、シェリエは何度も自問していました。
 ですが、当然ながら答えなど出よう筈もありません。
 とにかく今は、抱きかかえている名も知らない女の子を無事に脱出させなければ――その思いだけで、シェリエは両脚を懸命に回転させています。
 と、その時。
(あれは……何!?)
 妙な気配を頭上に感じ、一瞬その方向に視線を転じたシェリエは、綺麗に装飾された店内には恐ろしく不似合いな影が、天井付近を自在に駆け巡っていく姿を目撃しました。
 身長、およそ3メートル。
 全身を黒いマントで覆い隠し、いびつな黒い兜と、醜悪な黒いマスクで、全身を黒一色に染め上げた謎の巨影――赤涙鬼とは全く異なる、精密機械の如き俊敏で精確な動きを見せる怪人の登場に、シェリエは戦慄と同時に恐怖感を覚えました。
 この時のシェリエには、その正体が何であるのか、理解出来よう筈もありません。

 しかし、もうひとつの敵は既に、スーパーモール内に侵入していたのです。
 鏖殺寺院が、度重なる無理な強化を課し続けることによって生み出した、必殺の暗殺マシーンヘッドマッシャー
 若崎源次郎の完全抹殺に向けて派遣されたそれが、今回新たにロールアウトした新型モデル『メルテッディン』であるという事実を、シェリエは後に、知ることとなるのです。

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。

 タイトルにもあります通り、本シナリオはヘッドマッシャーの続編という位置づけですが、内容的には直接的な連続性はありませんので、どなたでもご参加頂けます。

 アクション内容例としましては、
  ・若崎源次郎の身柄確保に努める
  ・スーパーモール内のひとびとを守る
  ・ヘッドマッシャーと戦う
 といったところでしょうか。


 以下は、PC情報として、参加頂けるPCの皆さんが事前に知っている内容として頂いて構いません。


■ヘッドマッシャー
――外見的特徴――
 身長はおよそ2メートル80センチ。全身を黒い革製のマントで覆った、巨漢の暗殺者です。
 いびつな黒い兜と、醜悪な黒い仮面を装着しており、ガスマスク越しのような呼吸音を響かせています。仮面越しの目は血走っており、ほとんど狂気そのものです。
――能力――
 肉体の周辺には常時Pキャンセラーが発動しており、彼に戦闘を仕掛けるものは、最も効果的と思われる能力をひとつ、打ち消されてしまいます。
 主な武器はブレードロッドと呼ばれる鞭性の二刀流武器で、しなやかに変化しながら敵に襲いかかり、少しでも触れれば真っ二つに叩き斬られます。
 現時点までに、スティミュレーター、プリテンダー、そして新型のメルテッディンの3モデルが確認されています。


■屍躁菌
――性質――
 人間などの知的生物を凶暴な怪物『赤涙鬼』へと変貌させる毒素レイビーズS2型を排出します。
 伝染性が強く、汗や皮脂などの体液を経路として接触感染する他、呼吸時の二酸化炭素に乗って大気中に舞い上がり、容易に空気感染します。
 コントラクターの肉体は抵抗力が強い為、レイビーズS2型による赤涙鬼化は発生しませんが、キャリアーとして空気感染の伝染源にはなり得ます。
――注意点――
 屍躁菌自体は独立した細胞を持つ単細胞生物である為、キャリアーに対する回復術などでは死滅せず、対菌抗錠を服用するなどして体外に排出しなければ、完全治癒しません。
 また、屍躁菌は衝撃を受けて死んだ場合には細胞膜が敗れ、細胞内に滞留していたレイビーズS2型が一気に放出される為、宿主内に寄生している状態で光条兵器などで直接攻撃するのは、致命的な結果を招きます。
――治療法(対策法)――
 屍躁菌は、大気中では24時間以上生きられません。
 また、自然死の場合はレイビーズS2型を排出しない為、完全な治療方法は、24時間で体外排出が完了する対菌抗錠を服用して、感染者を48時間以上、完全隔離する以外にありません。



 それでは、皆様からの素敵なアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・若崎源次郎の身柄を確保する。

・シェリエと共に、一般市民を赤涙鬼から守る。

・ヘッドマッシャーと戦う。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年10月09日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月10日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年10月14日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年10月26日


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